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322 精霊と虹の石

 古代の神殿に向かうため、ボク達は旅の準備を進めた。


「古代の神殿、ここより夜三つ明けた場所ある」


 どうやら古代の神殿はここから三日歩いた場所にあるらしい。


「ふむ、ワシなら一日とかからぬ場所じゃのう」

「古代の民、黄金の鳥で空駆けた。神殿、その時代のもの」


 黄金の鳥、それは一体何なのだろうか?


「とにかくそこに行って邪竜のクソたわけを倒して時見の珠を手に入れればいいんじゃな」

「そうなる。竜の神」


 ボク達は古代の神殿に向かう準備を進めた。

 アンさんが乗せてくれるというので食糧は二日分だけ用意してもらった。


「モッサールの者。お前の持つ虹の石渡せ」

「これか? まあいいけどよ」


 フロアさんは悪魔のノドで手に入れた大きな虹色の石を、族長ウルツヤ様に渡した。


「お前に素晴らしいもの渡す」


 族長ウルツヤ様はフワフワ族の人に虹色の石を渡した。


「長、コレすごい! ピカピカみがく」

「頼んだ。精霊の首飾りどれくらいかかる?」

「夜一つ明けるまであれば」

「任せた」


 どうやら族長ウルツヤ様はフロアさんに何かを作っているようだ。

 それが出来るにはまだ明日までかかるらしい。


 ボク達は今日ゆっくりと休んで明日旅に出る事にした。


 その日の夜は昨日の宴とは違うささやかな食事で、その後ボク達はゆっくりと休んだ。



 次の日、旅の準備を終わらせたボク達は、族長ウルツヤ様やフワフワ族の人達に見送られながら旅に出る事にした。


「サラサ、コレ渡す」

「ウルツヤ様……これ?」

「お前の手から勇敢なる者かけてやれ」


 族長ウルツヤ様がサラサさんに渡したのは、とてもキレイに細工された虹色の石の首飾りだった。


「虹の石、成人の儀で手に入れた者、その愛する女より石渡され、夫婦となる」


 サラサさんが顔を赤らめながらフロアさんに虹色の石の首飾りをかけようとした。

 だがフロアさんはそれを断った。


「俺にはその資格はない。俺が黒き邪竜を倒せたなら、その時その首飾りを受け取ろう」

「フロア……我、お前の妻」

「わかった。勇敢なる者よ。見事黒き邪竜倒し戻るがよい。だが、その虹の石、お前護る力。儂見える、白き獣の姿」


 どうやら族長ウルツヤ様には他の人に見えない何かが見えているようだ。


「それは俺が戦った白き獣オソイだ。オソイは俺の精霊になった」

「オソイ!! あの白き悪魔、お前……オソイを倒したのか」


 族長ウルツヤ様が驚いていた。

 オソイとはそれほど強い相手だったのか。


「虹の石があれば精霊を呼べると聞いた、俺が呼んでみよう。誇り高き白き獣オソイよ、俺の呼びかけに応えろ!」


 フロアさんが叫ぶと、その目の前に光の柱が現れた。

 その柱が消えた時、そこには人よりも大きな姿の真っ白な獣が姿を現した。


「我が主よ、何用であるか」

「オソイ、お前の姿をフワフワ族に見せるために来てもらった」

「そうか、お前は……我の姿を見て逃げた者だな、久しいな」


 ウルツヤ様が慌てていた。


「ま、まさか本当にあの白き獣、儂……手も足も出なかった」

「シャハハハ、忘れろ。遥か昔のことだ。今の我はその勇敢なる者の僕。主に仇為す者を斬り裂く牙なり」


 そう言うとオソイの姿が薄くなっていった。


「精霊である我がこの世に有る時間はわずかなり、だが我、主の呼びかけにはいつであろうと応えよう……」


 そう言うと白い獣は姿を消した。


「ふむ、アレは精霊の一種じゃな。フロアを主と慕っておるわい」

「勇敢なる者、いや、フロア。お前いうこと本当だった。時見の珠手にいれろ。そうすればボンバヘの事実見えるやもしれぬ」

「わかった、俺がその時見の珠を手に入れてボンバヘ様の誇りを取り戻す!」


 フロアさんは首飾りの中の精霊を呼べる虹色の石だけを外して受け取った。

 その後旅の準備の終わったボク達は、古代の神殿を目指して旅に出た。

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