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317 悪魔のノド

「大丈夫だ、俺は必ず虹の石をもって戻ってくる」

「フロアさん、気をつけてください」

「戦士フロア、お前が本当に勇敢か、神見ている」


 サラサさんがフロアさんの洞窟の奥に入っていくのを見ていた。


「気を……付けてください」


 ここから先はフロアさんを信じるだけだ。

 ボク達は入り口で彼を待つことにした。


◆◆◆


 ここが悪魔のノド。

 確かにまるで何かの生き物の口の中に入っていくような感じだ。

 俺はひんやりした洞窟の奥に向かった。


「うわっ!」


 俺に向かって飛んできたものがいた。

 どうやらコウモリのようだ。


 このコウモリは魔素に侵された怪物では無いようだ。

 俺はコウモリに話しかけてみた。


「お前達に聞きたい、ここの洞窟の奥には何がある?」

「……キイキイッ」


 コウモリたちは奥までは知らないらしい、ここがひんやりして居心地がいいから住んでいるそうだ。

 まあ普段天敵がいないような場所なら、安心して住む事は出来る。

 残念だがコウモリからこれ以上の情報は聞き取れなさそうだ。

 落とし穴があっても彼らには関係がない、むしろ空を飛んで鍾乳石にぶつからないように口から謎の音を出しているくらいだ。


「コウモリは使えなさそうだな」


 俺は洞窟の奥を目指した。

 何かの動物の気配を感じる。

 俺は耳をすました。


「チュウ……チュウ」


 どうやら洞窟を住処にしているネズミのようだ。

 ネズミなら地面や壁を動いている。

 俺はネズミを呼び寄せることにした。


「コレをやるから俺の頼みを聞いてくれるか?」

「チュウッッ」


 俺はチーズと干し肉をちぎってネズミにやった。


「この奥をどう行けば地下に向かえるか調べてくれ」

「チュッチュ……」


 ネズミは仲間を呼んで洞窟の奥に向かっていった。

 そして少し待つと、ネズミたちが戻ってきた。


「チュウチュウッチュチュ」

「そうか、右の方に行けばいいんだな」


 俺はネズミに教えてもらった道を進んで洞窟の奥を目指した。

 悪魔のノドは細い長い道が続き、緩やかな坂を下りていくと少し大きな広間に出てきた。


「グルルル……ガアアアッ!!」

「あれは、モンスター!」


 俺が会話をしようとしても相手は聞く耳を持たない。

 これは魔素に侵されたモンスターだ。


 黒いモンスターは、洞窟に巣くう魔獣だった。

 辺りには骨が散らばっている。


 このモンスターは目につくもの全てを襲っていたらしい。


「だが、コイツ程度は俺の敵ではない!」


 俺はユカに貰った鞭でモンスターを縛り上げた。


「ギャッギャギャアアアー」


 鞭で縛り上げられたモンスターを俺は投げつけ、地面に叩きつけた。

 そして一気に鞭を引き戻すと、モンスターは一瞬でバラバラに砕けた。

 砕けたモンスターの身体から小さな虹色の石が出てきた。


「この程度だったか」


 俺はかなりレベルアップしているようだ。

 確かに戦士の儀式として一人で戦うには、このくらいの強さのモンスターは丁度力試しにはいいのかもしれない。

 だが、これで虹の石を持って帰ってもただフワフワ族の一人前の戦士と見られる程度だ。


 それでは我が祖先ボンバヘ様の汚名を消すことにはならない。

 俺が目指すのはもっと奥。

 奥に行けば行くほどモンスターは強くなり、虹の石が大きくなるらしい。


「松明にはまだまだ余裕がある。空気も俺一人なら何の問題も無い」

「チュッチュウチュウ」


 なんだって、あのモンスターを倒してくれありがとう……か。


「チュチュチュッチュウチュウ」


 何? 俺のために何かを手伝いたい……だって?


 どうやら俺は、洞窟のネズミ達にボス扱いされたらしい。


 そして俺はネズミに道を調べてもらいながら、洞窟のさらなる奥深くに足を踏み込んだ。


「グガガアアアアー」


 ネズミ達が怯えている。

 どうやらこの奥にはかなり凶悪なモンスターがいるようだ。


「さて、さらに大きな虹の石があるみたいだな」


 俺は鞭を強く握りしめた。

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ゆーたん(たけのこ派)

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