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304 強くなりたい!

 B級モンスターのマンティコアはレベル10前後の冒険者では手出しすらできないレベルだ。


 しかしこのパーティーの人達はそれを余裕で、一瞬で倒した。

 全員がS級レベルだろう。


 ボクはそんな人達に協力してもらえるのだ。

 こんなチャンスは滅多にあるものではない。

 

 でもマンティコアを倒せたのは、氷漬けになっていた最後のトドメを刺しただけだった。

 ボクが倒したというわけではない。


「強くなりたい」


 ボクはついそんな事を言ってしまった。


「ユカ様、良いですわ。貴方に一人で戦ってもらいますわ」

「ボク……一人ですか」

「そうですわ。この先はユカ様一人で先に行って下さいませ」


 ルームさんはボクを一人で先に向かわせた。

 他のみんなは後からゆっくりついて来るらしい。


「大丈夫か? この先に凄い怪物がいると動物達が言っているぞ。この森の生き物が全てエサにされる程の怪物だ」


 フロアさんがボクの後ろの方で何か言っているようだが、遠くてよく聞こえなかった。


 ボクは自分で戦うため、森を進んでいた。

 この剣はとても凄い剣だ。

 目の前の草むらどころか、木や石ですら切れる。


 森を踏み越えた奥地で、ボクは凄いものに出会ってしまった。


「グルルガァー!」「シャァ! シャアアァー!!」「ガォオオオオン!!」


 三つの首が同時に叫ぶ、これは……キマイラ。

 山羊の頭、ドラゴンの頭、ライオンの頭を持ち、翼を生やしたA級モンスターだ。

 マンティコアを遥かに上回る怪物だと言える。


「みんなをあてにしちゃダメだ! ボクがやるんだ」


 ボクは剣を構え、キマイラに切りかかった。


「グァアアオ!」


 キマイラは余裕でボクの攻撃を避けた。

 怪物は笑っている。

 ボクの事なんて相手にもならないと思っているのだろう。


 キマイラは激しい炎を吐いてきた。


「ウワァ!!」


 ボクはキマイラの炎を避けきれなかった。

 キマイラの火炎は避けるよりも先にボクを一瞬で包み込んだ。

 本来なら即死になるレベルだ。


「あれ……熱くない」


 そういえばボクは、ルームさんの極大究極呪文すら無傷だった。

 この装備のおかげなのだろう。


 ボクは炎に包まれたまま、キマイラに切りかかった。

 しかし攻撃は避けられる一方だった。


「ギャガガガガガ」


 キマイラが笑っている。

 それでもボクは剣を振り続けた。

 ボクの剣は全て空振りだった。


 何度も剣を振り続けたので、ボクは疲れて剣が重くなってきた。

 もう剣を振れない、疲れた僕は剣を地面に引きずる形で持っていた。


 その時、燃えていた剣から草に火がつき、その炎はキマイラの尻尾を燃やした。


「ガギャアアア!!」


 キマイラは炎を吐くが、火に耐性があるモンスターというわけではないらしい。

 尻尾に着いた火はキマイラの下半身に燃え移って火を付けた。


「どうなってるんだよ」


 キマイラは怒り狂いながらボクに攻撃をしてきた。

 山羊の首にボクは噛みつかれてしまった。


「ウワァァッ!!」


 ボクはビックリしたが、それだけだった。

 銀狼王のマントは鋼鉄の鎧をも噛み砕くキマイラの攻撃を、全く受け付けていない。

 このマントは下手すれば鋼鉄の鎧よりも固いのか……。


 ボクは装備のおかげで助かったらしい。

 でもこのままではボクは勝てない。


 前のボクの身体を使っていた人は、床貼りの力でモンスターを倒したという。

 ボクもその力を使えるなら、一人でキマイラを倒せるかもしれない。


「ボクだって、冒険者になったんだ!」


 ボクは床を貼る力を使ってみた。


「ボクに力があるなら……キマイラの上に床を作ってくれ!!」


 ボクの手から光が放たれた。

 空中に放たれた光は、いびつな形の岩盤を作った。


 ズドォォオン!!


「グゲエエエー!!」


 ボクの作ったいびつな岩盤はキマイラを押しつぶした。


「やった、ボクにも出来たんだ」


 下半身の燃えたままのキマイラは、上から降ってきた大きな岩盤に翼と山羊の首を砕かれた。

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