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292 【第三章完結】 歓喜なき勝利

第三章完結です。

第三章の登場人物紹介は夜アップします。

 ボクは何もできない。

 そんなボクがなぜこんな場所にいるのだろうか……。


 ここにいる人達は、誰もがA級どころかS級と言えるほどの強さだ。

 その人達が真っ赤な大ダコのモンスターと戦っている。


「トライディザスタァアアアー!」


 凄い魔法だ。

 氷で相手を凍らせた後、炎で一気に敵を焼き尽くし、雷でとどめを刺す。

 こんな魔法を使える人が、世界にはいるんだ……。


 ボクは自分の無力さを噛みしめていた。


「オレの豪槍をくらいなー!!」


 海賊らしき男が大槍を構え、大ダコの触手を駆け上り、上から叩きつけて目を潰していた。


「ギャゲゲエェエー!!」

「僕もいきますよ、レジデンス流究極奥義、縦横無尽斬インフィニットディレクションッ!」


 四方八方から敵を斬り刻む超絶剣技は、大ダコの足を一瞬で切り刻んでいた。


「ガオォォォオオオン!!」


 二匹の銀色と白の狼が、大ダコの口を斬り裂いた。

 口を斬られた大ダコは汚らしい体液を垂れ流しながら、苦しそうにもがいている。


「いくよぉ! 丸太杭打ち(ログパイルバンカァー)ィ」


 獣人の女の人が、地面から生やした大木を鋭い槍にして一気に何本も大ダコの頭に打ち込んでいた。


「この声は……アンタ、生きていたのか、ホセフィーナ!!」


 モジャモジャ頭の動物使いは海から現れた白い大鯨と会話をし、攻撃するように指示していた。


「ホセフィーナ、アイツの弱点は頭だ、一気に頼む!」

「ウォォオオオオオオン!」


 大鯨がその大きな口で大ダコを噛み千切った。

 頭部を噛み千切られた大ダコは既に瀕死だった。

 だが、大ダコは最後の力で真っ赤な墨を吐き、辺りは真っ赤な霧に包まれてしまった。


「くっそー、何も見えねーぜ」


 全員が視界を失っている間に、この人達に勝てないと判断した大ダコは逃げ出そうとしていた。


「おっと、逃がさねーよ!!」


 霧の中が濃くて何も見えない。

 しかし声だけは聞こえた。


「オレのスキルでとどめを刺してやるぜー。潮流自在(オーシャンマスター)のスキル、大渦よ出ろぉー!!」


 海が海賊の男を中心に巨大な渦に巻き込まれた。

 大海に逃げようとしていた大ダコは渦に巻き込まれ、その巨体を引きずり込まれていた。


「ガッギャガガギャーー!!」


 もがく大ダコは逃げ場を失い、渦の中心にいる大槍を持った海賊の元に引きずられていた。


「ドオオオオリャアアアアーー!!」


 大槍が渦に巻き込まれた真っ赤な大ダコを真っ二つに斬り裂き、その後も渦の流れで何度も大槍に細かく切り刻まれた。


「よっしゃぁあああー! 親父ぃー!! オレは赤い悪魔を倒したぜぇー!!」


 海賊の男が大きな声で叫んだ。


 大ダコが完全に海の藻屑になると……今まで荒れていた海は噓のように穏やかになった。


 その後、ボクはドラゴンに甲板に下ろされた。

 すると、ドラゴンがいきなり不思議な服装の女の子に姿を変えた。


「ユカ様!」


 魔法使いの女の子がボクの元に駆け寄ってきた。


「え……ボ、ボク……」

「ユカ様、どうされましたの?」


「ふむ、どうやらユカ坊は今までの記憶を失ってしまっておる様じゃ。とりあえずは安全な場所に置いておいてやろう」

「イオリ様、それって……」

「まあ今はユカ坊をそっとしてやろう」

「ユカ様……」


 ボクはわけもわからず、この人達に案内されて船の一室で休む事になった。

 

 船の中ではボクは特別待遇だった。

 何でこんなにボクがみんなに優しくしてもらえるのか、全然わからない。

 ボクはモヤモヤした気持ちのまま、船の中で数日を過ごす事になった。


 ボクは気分転換に甲板に上がってみた。

 すると、異国の服を着た少女と魔法使いの女の子と騎士の男の子が話をしていた。


「お師匠様とエリア様が消えてしまったのが……ユカ様の記憶喪失と関係ありそうな気がしますわ」

「僕も今のユカ様は、何かがおかしいと思います」

「うーむ、えんとらとエリア嬢がどこかに消えたのもどうにかせんとのう……」


 三人は集まって何やら話をしているようだったが、ボクにはこの人達が何を話しているのか全く分からなかった。


 そして、船は10日ほどして、港町に着いた。


第三章.  紅の大海獣編 完

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