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289 最強の助っ人達

ついに、パーティー全員が合流です!!

 大海獣レッドオクトは小さな無人島に打ち上げられた。


「みんな、海に逃がさないように島の上で戦うんだ!」


 私達は小さな島に上陸し、レッドオクトの頭部を狙って攻撃した。

 襲いかかる触手は私達が何度も切り払ったが、その度に再生する。

 恐るべき再生能力だ。


 しかし、頭部は再生能力を持たないらしく、傷ついた頭からは緑とも青ともつかない体液が流れてている。


「ギャギュギョオオオオオー」


 鳴き声とも呻きとも取れない不快な叫びが辺りに響いた。


「なんというおぞましい叫びじゃ、耳に響くわい」


 イオリ様は龍の姿をしているだけに能力と感覚が人間の数十倍になっている。

 その状態でこの叫びを聞いたということは、かなりの精神的なダメージを受けている。


「オラァー! オレの槍を食らえぇ!」


 カイリの槍が頭部と一本の触手を断ち切った。

 しかし、斬られた触手は瞬時に回復し、カイリを打ち払った。


「ぐああぁ!!」


 カイリが吹っ飛んだ。

 その身体は石が水を切るように何度も海に叩きつけられて海に沈んだ。


「キュイイイー!」


 そんなカイリを助けたのはハーマンだった。


「すまねーな、クソッ……! ざまーねーぜ」


 カイリはハーマンの背中の上に乗り、槍を構えていた。


「さっきはよくもやってくれたなー! お返しはきっちりしてやるぜー!!」


 カイリは大槍を振るい、水を巻き上げた。


「濁流よ、あのバケモノを押し流せー!!」


 カイリのスキル『潮流自在(オーシャンマスター)』がレッドオクトを押し流した。

 押し流された中には珊瑚や瓦礫、流木などがあり、それらの海の中の不純物が武器となってレッドオクトを打ち据えた。


「ギェエエエェッッ!!」


 おぞましいうめき声が聞こえる。

 カイリのスキルはかなりのダメージをレッドオクトに与えたようだ。


 頭部に大ダメージを受けた事で、レッドオクトの再生能力が低下しているようだった。


「ぃよっしゃー!!」

「コレで一気にたたみかけるんじゃ!! 天雷よ、ここに在れ!!」


 私達は雷雲の直撃を避ける為、全員が退いた。

 その直後にイオリ様の天雷がレッドオクトの全身を貫いた。

 触手は再生できないまま焼け焦げ、レッドオクトは苦しそうに蠢いていた。


「よし、これでこの島に落とし穴を作ればアイツを逃がさずに倒せる!」


 私は勝利を確信し、右手を大きく前に広げた。


「目の前の地面を深い穴にチェンジ!!」


 レッドオクトは大きな穴に落ちた……はずだった。

 だが、この島は天然の土で出来た物ではなく、サンゴ礁の島だった。


 そのため、私の作った穴からレッドオクトは海に逃げ出してしまった。


「しまったっ!!」


 海に逃げたレッドオクトは少し離れた海岸に姿を現した。


「ピイイイイー!!」

「ハーマンーッ!!


 なんという事だ、私のミスのせいでハーマンがレッドオクトの触手に捕まってしまった。


「どうすれば、どうすれば……どうすればいいいいんだ!!!」

「ユカ坊、どうした。落ち着かんか!」

「ユカ、お前が悪いんじゃないんだ、そんなに考え込むな!!」


 ダメだダメだダメだダメだ!

 まさかこんな所で克服したはずの焦り癖が再発するとは……!

 落ち着け、こういう時だから落ち着かないといけないんだ。


 私は自身の脚に剣を突き立てた。


「ぐぁああ!!」


 痛みが体を奔る、しかしそのおかげで私は冷静さを取り戻す事が出来た。


「ボクのせいだ、ボクがどうにかハーマンを助ける!」

「ユカ。もう無理だ……ハーマンの事は、諦めるしかない」


 レッドオクトは大きな口を広げ、ハーマンを捕食しようとしていた。


 このタイミングで駆けつけようとしても、もう間に合わない。

 私のせいだ、私は何もできず……ハーマンを見ているだけだった。


「グラビティ―フィールド!!」


 なんと上空からの魔法でレッドオクトの巨体が重力の力場に押しつぶされ、動けなくなった。


「レジデンス流……究極奥義! 縦横無尽斬インフィニットディレクション!!」


 聞き覚えのある声が上空から聞こえ、その冴えわたる剣技は一瞬でハーマンを捕えていたレッドオクトの触手をバラバラに切り刻んだ。


「どうやら……間に合ったようだねェ!」

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