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28 【第一章完結】 ハンイバルとの別離

作者より

これで第一章が完了です。後ほど第一章の登場人物紹介をアップします。

 危機一髪で遺跡から脱出した私達は、元の廃屋の広間にワープした。


「危機一髪だったな!」

「全員無事でよかった」

「ふー、寿命が三年は縮まったぜ!!」

「惜しい事をしたものね、あの遺跡はもう少しじっくり研究したかったのに」

「まあ仕方あるまい、全員無事だっただけ不幸中の幸いだと思うぞ」


 流石の冒険野郎Aチームも今回のアクシデントには焦燥感に包まれていた。

 特に魔神の手首を一人で抱えたアールバウト(コング)さんはかなりヘトヘトだった。


「とにかく今日はもう休もう。ユカ、部屋はもう取っているからいつでも使えるぞ」

 ハンイバルさんは今回の遺跡探索の報酬で一か月分宿を先払いしていたのだ。

 私達は冒険者ギルドの宿屋に戻る事にした。


「その前に……ワープ床よ、元の床に戻れ!」


 床が一瞬で元に戻った。

 しかし、私が先程から感じている違和感は、どんな力を使っても全く疲れた感じがしないのだ。

 私は自身のステータスを確認してみた。


ユカ・カーサ

レベル 44

HP 25000/25000

MP 20000/19998


 私は自身の目を疑った!! レベル40でもHPは2000がいいところだ。

 ハンイバルさんは大体それくらいだろう。


 それなのに私は数値がレベルは前の4倍、HPMPの数値は本来の100倍になっていたのだ!!

 これが聖杯を一口飲んだ効果だったのか……。

 私は全部飲んでいた場合の事を考えると、とても恐ろしく感じた……。


 しかし人のステータスは見れないようだ。

 片目でエリアを見てみたりもしたが、ステータスは何もわからなかった。



 宿屋の個室の中で、ハンイバルさんと私は話し合いをしていた。


「ユカ。お前の事は俺達の中だけの秘密にしておく、安心しろ!」

「ハンイバルさん、ありがとうございます!」

「それと、エリアの事だ」

「何でしょうか?」


「もちろん、エリアのスキルの事も誰にも言わない、安心しろ! あれは悪用すれば世界の秩序すら破壊しかねない力だ!」


 ハンイバルさんはそれだけ私達の事を信頼してくれたのだ。

 この人達となら安心して冒険ができる。


「そこでだ、ユカ。もしよければ……俺達のチームに入らないか?」

「ハンイバルさん、いいんですか!?」

「ああ、ユカなら即戦力だ。もちろんエリアもな。この世界は理不尽な貴族に虐げられている人が多くいる、俺達はそういう人達を冒険しながら助けているんだ。俺達の高額収入の報酬は大半が孤児院や医療所への寄付で消えている。おかげで毎回カツカツなんだがな((笑))」


 この人達はやはり人格者である。

 一緒に冒険するだけの甲斐がありそうなので、私は明日から一緒に冒険する事にした。


「よろしくお願いします!」

「決まりだな、明日出発するぞ!」


 翌日、私達は冒険野郎Aチームと一緒に冒険する為に、ギルドに登録する事にした。


「よろしくお願いします」

「承りました。リーダー、ハンイバル所属。冒険野郎……」


 その時! 傷だらけの冒険者が、命からがら息も絶え絶えにギルドに駆け込んできた。


「大変だ!……魔軍の大軍勢が…………国境線を破り……」


「大丈夫か!? 国境線だと! 国境警備隊のウォールは!?」

「ウォールさんなら無事です、しかし長くは持ちません……他の人を庇う為に数千の魔軍を相手に……一人で……」


「! ユカ、話は変わった! 残念だが加入は無しだ! 俺達はすぐに国境線に向かう!」

「ハンイバルさん……」

「ユカ、お前はこの町を守ってくれ。お前なら信じた。お前ならやれるはずだ!」


 ハンイバルさんの目は真剣そのものだった。

 それは、死地に私を連れて行きたくないという優しさだったのだ……


「わかりました! ハンイバルさん達も、無事でいてください!」

「ああ、俺達なら大丈夫だ。なんせ俺達は無敵の冒険野郎Aチームだからな!」


 私はさようならとは言わなかった。

 言ってしまうと、彼らとはもう二度と会えないような気がしたからである。


 これが、私達と冒険野郎Aチームとの別れの時だった……。


第一章. 遺跡探索編 完

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