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285 赤い魔の海域へ

第三章ボス戦開始です!!

◆◇◆


 私達はアトランティス号でミクニを離れ、海を航行していた。

 このまま安全なルートを通ればグランド帝国に帰るのは容易い。


 だが、それでは問題の解決にならない。

 神出鬼没の赤い悪魔を倒さない事には、船の犠牲者はいつまでも出続けるのだ。


 魔将軍マデンを倒した私達は、平均でレベル55以上になっている。

 シートとシーツもレベル50に近い強さだ。

 もう二匹とも立派で、子供とは言えないほど大きくなっていた。


 その上、レベル80近い龍神のイオリ様も今回はパーティーに加わってくれている。

 これならあの赤い怪物にも勝てるかもしれない!!


 私達はまだ穏やかな海を航行していた。


「ううー、きぼぢわるいー……」

「イオリ様……大丈夫ですか?」

「ワシ、船には乗った事なかったんじゃ……しかしコレは、ウゲェーーー!!」


 イオリ様が船の外に昼間食べた魚をゲロとして吐き出してしまっていた。


「ふー、スッキリしたわい」

「イオリ様、無理はしないで」


 心配した私に対してイオリ様が不機嫌になっていた。


「イオリ様イオリ様ってワシの事を呼ばんでくれ、折角ミクニから離れたんじゃ。もっと気楽に旅をしたいのでのう……ワシの事は可愛いアンちゃんと呼んで欲しいのう」


 イオリ様は厳格な龍神の振る舞いをしていないといけないミクニから離れて、しばらくは羽を伸ばしたいようだ。


「わかりました、アン様」

「様付けはやめて欲しいのじゃ、お兄ちゃん」

「わかったよ、アン」

「わーい、お兄ちゃんにアンって呼んでもらったのじゃー」


 これが本当に世界最強レベルの龍神なのか、私は困惑してしまった。


「でもよー、イオリって空飛べるんだろー。だったら普通に自分で空を飛んだらよくねーかー? わざわざこんな船に乗らなくてもよー。その背中に乗せてもらえるんだろ」

「おぬし、ワシを駕籠か早馬と勘違いしておらんか? アレはアレでかなり神力を使うんじゃぞ、ずっと飛び続ける事なぞできるわけなかろう、たわけ」


 カイリの質問でイオリ様がまた不機嫌になっていた。


「それに今のワシはイオリ様ではなく可愛いアンちゃんじゃ。アンって呼ばぬと返事せぬぞ」


 このイオリ様の態度にみんなが苦笑いしていた。


 そしてしばらくは穏やかな海が続き、子鯨のハーマンも横を泳いでついてきていた。


 夕食が終わり、その夜は船を停泊させながら私達は朝まで休んだ。

 次の日、航行中の私達は天気が荒れだすのを目にした。


「そろそろ魔の海域に近づくぜー。野郎ども、準備は良いな!!」

「「「アイアイサー!!」」」


 カイリの手下の海賊と船乗り達は大きく返事をした。


 そして荒れる海をアトランティス号は突き進んだ。


「霧だ! 赤い霧が出たぞ!!」

「何だってー!! 野郎ども、戦闘準備だ!」


 ついに赤い怪物が姿を現したようだ。

 赤い霧はあっという間に、アトランティス号を包み込んでいた。


「みんな! 気をつけろ。怪物が出現したぞ!!」


 カイリ、マイルさん、シートとシーツ、エリア、それにイオリ様が臨戦態勢に入った。


「むう……この辺りにただならぬ妖気がひしめいておるわい。……やはり龍族の息吹はまるで感じられんのう……」


 イオリ様はここにドラゴンはいないと言っているようだ。

 しかしあの赤い霧の中の怪物は、間違いなく首の長いドラゴンだった。


「ギャアアアオオオオオウ!!」


 海の底から響き渡るようなおぞましい雄たけびが聞こえてきた。

 ついに赤い怪物が姿を現したのだ。


「来るぞ!!」


 その直後、アトランティス号目掛け、赤い怪物が首をしならせて攻撃してきた。

 私はその首を遺跡の剣で弾き飛ばした。


 硬い! 普通の攻撃ではあの首を切り落とす事は難しいようだ。


「オレの豪槍ポチョムキンならこれくらいなんてことないぜー!!」


 カイリがドラゴンの首を切り落とした。

 切り落とされた首は一瞬で泡になって溶けてしまった。


「やったか!」


 だが、首を切り落とされたはずのドラゴンは、一瞬でその首を再生し再び船に襲いかかってきた!

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