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284 光の戴冠式

◆◆◆


 お師匠様の言っていた面白い事とは何なのだろうか。

 そして光に色があるという意味……僕には理解できなかった。


「さて。ちょうどユカがみんなに拍手で迎えられるねェ」


 僕達が見ると、丁度立ち上がったユカ様達がミクニの国民達に拍手されているところだった。


「さあ、ここからがいいタイミングだねェ。面白いものを見せてあげるからねェ」


 お師匠様は高く杖を掲げると魔力を遠くに飛ばした。

 その魔力は青、赤、緑の色をしていた。


「光には三つの色があってねェ。青、赤、緑の光を集めると白い光になるんだねェ」


 僕は初めて光には色があると知った。

 虹の色もその光なのだろうか?


 戴冠式ではまた賢そうな弟が、演説をしているところだった。


「僕達はユカ様達と共にマデンを倒しました。そのきっかけを教えてくれたのがユカ様だったのです。ユカ様は亡き父上に、私達は一本の矢だと言いました。一本では折れてしまう矢でも、三本合わせると決して折れず、その強さはどんな敵をも穿うがつほどになります。僕達はユカ様のおかげで一本ずつの矢を番え、魔将軍だったマデンを打ち倒しました!」


 その演説が終わったタイミングで……お師匠様の放った光の魔法が三人の兄妹を包み込んだ。


 弟には緑の光が。

 姉には赤い光が。

 兄には青い光が。


 三色の光は大きくなり、重なった三色の光は白い大きな光に変化した。


「どう、コレってかなりインパクトのある演出だよねェ」


 お師匠様がニヤニヤしながら、戴冠式の見物人の驚きを楽しんでいた。


「おや、イオリの姿が見えないねェ」


 僕達も席を見てみると、あの白い光に包まれた瞬間にイオリ様と呼ばれたドラゴンの変身した少女が姿を消しているのに気が付いた。


「お兄様、凄いですわ……紫の巨大なドラゴンですわ!!」

「イオリ、面白いこと考えたわねェ。これはこれでインパクトあるからねェ」


 お師匠様が不敵な笑いをしていた。

 僕達が様子を見ていると、イオリ様はドラゴンの姿で三兄妹をその背中に乗せて遠くに飛んで行った。


「さて。やる事もやったし……明日にはもう出かける準備するからねェ」


 お師匠様はそう言うと杖を一度突いて水面を元の水に戻していた。

 僕達はその後恐竜の肉で料理を作り、ゆっくりと休んだ。


 次の日、旅の準備を終わらせた僕達はクリスタルドラゴンの背中に乗り、無人島を後にした。


「さて、後三日くらいは海を飛ぶからねェ。また島があったらそこで休むんだねェ」


 クリスタルドラゴンはバリアフィールドを張られた状態で飛んだので、雷雨や突風もものともせず、いくつかの島で休みながら飛び続けた。


 そして僕達は無人島で休み、また飛ぶ事をその後数日間続けた。


「今日はゆっくり休むんだねェ。明日もこの島で休んでから出かけるからねェ」

「わかりました」


 僕達は食事を取ってからゆっくりと休んだ。

 次の日、またお師匠様が水面を使ってミクニの様子を見せてくれた。


「ユカ達もそろそろ船で出かけるころだねェ。このペースだと……あと二日くらいで合流できるかねェ」

「お師匠様、本当ですか!」

「ユカ様に……お会いできるのですね。(わたくし)頑張ります!!」


 あと数日でユカ様に会えるとわかったルームはとても嬉しそうな表情だった。


 しかし、お師匠様の表情が厳しくなっていた。


「二人共、ここから先は戦場だからねェ。中途半端な気持ちでいたら……死ぬからねェ!!」

「お師匠様!」

「でも今の二人なら……油断さえしなければ十分戦えるからねェ。それじゃあ……行くよ!!」

「はいっ! 分かりました」

(わたくし)、覚悟できましたわ!!」


 お師匠様はクリスタルドラゴンを呼び、僕達はその背中に乗って空に飛びあがった。

 そしてクリスタルドラゴンは、今までよりも速度を落とし、辺りを警戒するように飛んだ。


 この先に一体、何がいるというのだろうか。

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