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254 邪悪なる巨躯、ゴグマゴグ

 ゴグマゴグ、奴はそう呼ばれた。

 四本腕に四本足の邪悪な巨人。

 その両腕には右手二本で握った蛮刀、左手二本で握った大斧を装備している。


 昔ゲームのスキルで二刀流の両手持ちというアビリティー重複バグの報告を受けた事があるが、まさにこれは二刀流の両手持ちである。


「なんというおぞましい化け物だ!」

「あれがマデンの力、二つの魔神を一つにするとは」


 リョウカイさん達がゴグマゴグの巨躯を見て、驚愕していた。

 彼らは怖いもの知らずのはずの武士団だ。

 その彼らが恐怖を感じる、それもそうだろう。


 ゴグマゴグの推定レベルは……70前後!

 これは到底普通の人間どころか、伝説の英雄レベルでも戦うのが厳しいほどだ。


 私の今のレベルで65

 他のみんなのレベルは、大体40あるかどうかといったところだ。

 龍神イオリ様がかろうじてゴグマゴグよりも強いのかもしれないが、その力は大きすぎて全力で使えば武士団までもに犠牲者が出てしまう。


「グゴアアアアアアアオオオ!!」


 ゴグマゴグがおぞましい雄たけびを上げた。

 そしてその巨体からは信じられないほどの素早さで、蛮刀を振るってきた。


「危ないっ!」


 カイリが大槍で蛮刀を受け止めた。


「コイツはマジでキツいねー。オレの手にビリビリ来やがる」

「カイリさんっ!!」

「ユカ、おめーなら何かいい方法おもいつくんじゃねーか? このデカブツを倒す方法をよー」


 そう言われてもすぐに思いつくかどうか……。

 ゴグマゴグは不気味な動きをしながら足を動かして、自由自在に戦場を動き回っている。

 その動きはロボアニメに出てくる悪路対応の多脚型戦車か、昆虫のようだ。


 上半身の動きはバーサーカー、下半身の動きは昆虫と言った方が正しいだろう。


「さあどうやってコイツを倒せば……」

「ユカくん、アイツの足元の動きを奪えばいいんでしょ。茨の呪縛(ソーンバインド)


 しかしゴグマゴグはその蔓をものともせず、力任せに引きちぎりマイルさんに大斧を振るってきた。


「キャアアァ」

「危ないッ!」


 マイルさんをかばってくれたのは、龍神イオリ様だった。


「ユカ坊よ、何やら考えがあるようじゃな」

「イオリ様。アイツの動きをどうにか止めないと、攻撃どころじゃないんです」

「なんじゃ、そんな事か。容易い事じゃ! ワシに任せいっ!」


 イオリ様は上空から雷をまといながらゴグマゴグの前に降りてきた。


「皆の者、しばし伏せておれっ!!」


 私達はイオリ様の指示に従ってその場に伏せた。

 イオリ様はその巨体でゴグマゴグの周りを旋回し、その旋回周囲をどんどん狭めていった。


「うつけ者が、目の前に捕らわれよったな!!」

「グガガアアアア!!」


 イオリ様は何度も弧を描きながら旋回をし、ゴグマゴグをその胴体で締め上げた。


「どうじゃ、これで動けまい」

「グオオオオオ!!」


 イオリ様の胴体に縛られたゴグマゴグが動けずに上半身だけで蛮刀と大斧を振るおうとしている。


「無駄じゃ無駄じゃ、ワシの締め付けを解けるほど貴様の力量(レベル)は高くはない!」

「グガアアアアア!!」


 ゴグマゴグがジタバタともがいている。

 これはチャンスだ。


「イオリ様、ありがとうございます!!」

「ユカ坊、リョウカイ坊、後は其方らに任せたぞ」


 イオリ様が締め付けをしてくれているのでその間に私達はゴグマゴグを倒す事が出来る。


「行くぞぉー!」


 私はゴグマゴグの足を狙って攻撃した。


「オレもやるぜー!」

「吾輩も、雪辱を果たす!」

「兄上、小生も力をっ!!」


 全員がゴグマゴグに向かった。


「兄上……姉上……」


 ここまで何も出来ていなかったリョウドは、戦いを傍観しているしかできていなかった。

 しかし彼もミクニの武士。

 ここで見ているだけで終わるというのは本人の気持ちが許せなかった。


「兄上―!!」

「リョウドくん! どこに行くのぉー!」


 リョウドをかばっていたマイルさんを振り切り、リョウドはゴグマゴグの方に向かって走っていった。

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