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247 大人げの無いエントラ

◆◆◆


 今の僕達の強さは、レベル65くらいといったところだろうか。

 お師匠様の修行はキツく、何度強敵に負けたかわからない。

 でもその修行を乗り越えた事で、僕とルームはとても強くなれた。


「お師匠様、僕達の強さって……今どれくらいなんでしょうか?」

「そうねェ……まあ、モンスター5000体なら余裕で勝てるでしょうねェ」


 それ既に人間と言っていいのだろうか……。


「今だから内訳を言うけどねェ。最初に戦ったクリスタルドラゴンや異界の双子剣士が大体レベル50台前半、異界の女戦士達やゴーレムが相手でレベル60台後半、そして……あの大悪魔の手下がレベル70台で、大悪魔は(わらわ)が見たところ、レベル89ってとこだったねェ」


 レベル89!!?


「お……お師匠様、それって想定外の怪物が来たという事……ですか?」

「いいや、一応想定内だったねェ。ゲートが来るとは思わなかったけどねェ。ゲートはレベル90ってとこだねェ」


 僕とルームははいくらお師匠様がいたとはいえ、よくあんなバケモノに勝てたなと今になって敵の怖さを感じて青ざめていた。


 そして、魔将軍ゲートが僕達の敵として攻撃してこなかった事が、不幸中の幸いだと実感していた。


(わらわ)の知る限り、今の二人の力に匹敵するのは昔の(わらわ)、魔法王テラスちゃん、戦士バシラとあのヘックスのクソトカゲ……それに短気なお子様の龍神イオリくらいだねェ」


 どれもが伝説の英雄と呼ばれる強さばかりだ。しかし、龍神イオリという名前は初めて聞いた名前だ。


「お師匠様……龍神イオリって、誰ですか?」

「そうねェ」


 お師匠様が杖を掲げて大鏡に景色を映していた。

 その場所は、今までに見た事も無いような不思議な場所だった。


「イオリはミクニ、かつてのヒモトにいた龍神の名前だねェ。(わらわ)と昔本気で戦ってお互いが山を三つくらいは風穴開けたかねェ」


 どんな怪物同士の戦いなんだ!?

 しかしそれをお師匠様は楽しそうに話してくれた。


「その龍神イオリ様は、お師匠様と互角だったという事ですか?」

「まあそうだねェ。あの時はお互いがボロボロになるまで喧嘩したねェ」


 山三つぶっ壊す戦いを喧嘩というお師匠様の桁外れっぷりは、もう慣れたものとはいえやはり凄い話だ。


「そうだ、では今のイオリの様子を見てみようかねェ」


 お師匠様が大鏡に魔力を入れると、景色が色々と変わった。


「コレは今のミクニの様子だねェ……ぷっ、あっはっはっは、あの可愛い女の子がイオリ?? 随分可愛い姿になったものだねェ」


 お師匠様が面白そうに笑っている。

 大鏡の中に写っていたのは、紫色の不思議な民族衣装を着た可愛らしい女の子だった。


「あれは、ユカ様達?」

「ほう、ユカはミクニに着いてイオリに会ったようだねェ」


 お師匠様が鏡に魔力をさらに注入した。


「これで話している内容も聞けるからねぇ」


 鏡の中からユカ様や龍神イオリ様の声が聞こえてきた。



「大魔女エントラ様に聞きました、ミクニの国を乗っ取ろうとしている魔将軍がいると。その名前がマデンでした」

「はぁ……はぁ、急ぐぞい……もう時間が無い……」

「分かりました」

「ユカ坊。其方、『えんとら』といっておったのう。それは性格の悪そうな胸だけやたらとデカい、いけ好かない女の事かいのう?」

「え……イ、……アンさんは大魔女エントラをご存じなんですか?」



 会話を聞いていたお師匠様がニッコリ笑いながら杖を一度地面に叩いた。


「あのお子様、人が聞いていないと思って好き放題言ってるねェ」


 お師匠様が杖を高く掲げた。


「ほいッ」


「痛いっ! なんじゃ、いきなり小石が落ちてきよったぞ」


 お師匠様がクスクス笑っていた。


「人を馬鹿にするからだねェ。まあ(わらわ)の仕業とは分からないだろうねェ」


 お師匠様、こういうとこの大人げが無いのが玉に瑕な人だと思う。

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