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246 空白の一週間

◆◆◆


 僕達はクリスタルドラゴンに乗せてもらい、ふもとの村に到着した。


「さァ、着いたからねェ」


 村人達はこのクリスタルドラゴンがお師匠様の物だという事に最初気付かず、ビックリしていたが、僕とルームが乗っていたので警戒を解いた。


「これはこれは、流星の魔女様。ようこそおいで下さいました」


 お師匠様は革袋いっぱいの金貨を代官のグラムさんに手渡した。


「これで今あるだけの砂糖、売ってくれないかねェ?」


 グラムさんは金貨の量に腰を抜かした。


「ももも……勿論です。ですが、他の村やこの村の備蓄分も必要ですので、あるだけというのは……」


 お師匠様は残念そうな表情を見せた。


「まあ仕方ないねェ。では用意できるだけで良いからねェ」

「承知致しました、すぐお持ちします」


 グラムさんは大きな革袋に入れた砂糖を、僕達に三袋手渡してくれた。


「今お渡しできるのはこれだけです、これでよろしいでしょうか?」

「まあこれで良いかねェ。ところで最近この村は変わった事なかったかねェ」

「いいえ、特には。ドラゴンが現れたと大騒ぎになったくらいです」

「それはこの子の事だねェ。すまなかったねェ」


 お師匠様はクリスタルドラゴンをなでていた。


「そうだねェ。今後はこの子がこの村を守ってくれるからねェ」

「!!? 魔女様、それは本当ですか!?」

「そうだねェ。この子は強いから、そこら辺のモンスター程度なら負けるわけがないからねェ」


 グラムさんがビックリしていた。


「魔女様、ありがとうございます。ありがとうございます」

「また来るからねェ。砂糖用意しておいてねェ」


 僕とルームは砂糖の袋を村人から受け取るとドラゴンの背に括り付けた。

 そして挨拶をしてドラゴンの背中にまた乗った。


「では今から戻るからねェ」


 クリスタルドラゴンは、お師匠様と僕達を乗せて再び高く舞い上がった。

 そして、ドラゴンは来た時と同じスピードで僕達を乗せて再び城に到着した。



「ご苦労様。砂糖を置いたら休んでいいからねェ」

「お師匠様。僕達はこの後どうすれば」


 お師匠様は飴を舐めながら、ニヤリと笑ってこちらを見ていた。


「そんな事言ってられるのかねェ。そろそろ痛みが来る頃だからねェ」

「!!?」


 そのすぐ後、僕とルームはその場に崩れ落ちた。


「ほーら、言わんこっちゃない。こうなるのは想定済みだったからねェ」

「お師匠様……これ……は?」

「二人とも急激なレベルアップをしてるからねェ。体がそれに追いついていないんだねェ」


 忘れていた。

 急激なレベルアップの後はレベルアップ痛が襲ってくるのだった。


「あれだけの強敵を相手にしてたからねェ。その痛みは一週間は続くかねェ」


 この痛みが、一週間も続くのか……。


「まあ痛みは(わらわ)がメガヒールで治してあげるけどねェ。体のだるさはどうしょうもないからねェ」


 動けない僕とルームは、従者に運ばれてベッドルームに連れて行ってもらった。


「うう……痛い」

(わたくし)……もう一歩も……動けません……わ」


 僕達は結局その日、食事もとらずにそのまま動けないままベッドの上で寝てしまった。

 それから数日間、痛みは消してもらえるものの、体のだるさが抜けずにそのままベッドで寝る日々が続いた。


 寝たまま動けない僕達は、その間お師匠様の従者に介護してもらっていた。


 僕達がようやく動けるようになったのは、五日目だった。

 それでも体はまともには動かず、食事をするだけが精いっぱいだった。


 結局僕とルームがまともに動けるようになったのは、一週間後だった。

 しかし、その時……僕は自分の身体がものすごく軽く感じた。


「どうかねェ。レベルアップに耐えた後のその体は?」


 体が軽い!!

 僕達は一週間まともに動けなかった分、更に今まで以上に体が思ったように動ける事が素晴らしいと感じた。


「良かったねェ。今の二人のレベルは……60台後半といったところだねェ。」


 レベル60台後半!

 僕達はお師匠様のおかげで、二人共ユカ様のレベルについて行けるだけの強さを手に入れる事が出来た。

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