表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

243/944

239 二つの糸を断ち切れ!

◆◆◆


 お師匠様はSS級モンスター、バンパイアロードの魔力を全て奪いつくした。


「さて、次はどいつかねェ」


 その時、竜巻を切り裂いてライオンの獣人がお師匠様の前に飛び出て来た。


「くッ!!」


 流石のお師匠様も傷を受けてしまった。

 頬と胸から赤い血が流れている。

 どうやらお師匠様は、あれだけの魔力を持っていても、魔族や亜人ではなかったようだ。


「やるねェ……(わらわ)に傷を与えたのは、ここ数百年だとヘックスのバカとお子様なイオリ以外じゃアンタが三人目だねェ」


 お師匠様は血を舐めて笑っていた。

 その表情は魔女というにふさわしい形相だった。


「では……(わらわ)も魔法のフルコースでおもてなししないとねェ!」


 お師匠様が杖を掲げた。


「グラビティーフィールド」


 ライオンの獣人が重力の波に押しつぶされた。

 だが、それでもライオンの獣人は普通に動こうとしている。


「流石だねェ。普通ならギガンテスやドラゴンでも指一本すら動かせないというのに」


 ギガンテス、ドラゴン、どれもS級モンスターの名前である。

 そのS級モンスターすら一歩も動けないはずの重力波を受けながらあのライオンの獣人は動いているのだ。


「では、これならどうかねェ。グラビティーリバース」


 今度はライオンの獣人が空中に放り出された。

 重力波を反転することで空中に相手を放り出し動けなくしてしまったのだ。


「さあ、究極の魔法をあげるからねェ! スター……ゲイザァー!!」


 空中に放り出されて動けないライオンの獣人目掛け、天空高くから極太の星の光が降り注いだ。

 大量の光線に貫かれたライオンの獣人は戦意を失い、地面に落下した。


「ハァ……ハァ……。本気を出さないと勝てなかったねェ」


 お師匠様が肩で息をしていた。

 このライオンの獣人はそれほどの強敵だったのだ。


「素晴らしい、想像以上ですよ。まさか人間がここまで私の部下を痛めつけてくれるとは……許しませんよ!」


 大悪魔の表情に余裕がなくなった。

 凄まじい圧力を感じる。


 だが僕は、目の前の敵に応戦するだけで手いっぱいだった。


 鬼と女騎士、二人ともとんでもない強さだ。

 僕が受け流しやカウンターでの戦い方を知らなければ、もう十回以上は死んでいただろう。


「くっ! 手ごわい!!」


 僕は起死回生を狙う事を考えた。

 しかし下手に動いては自殺行為だ。

 心を落ち着け、相手の動きを感じるんだ。


 ……僕は心を落ち着ける事で、相手の動きに糸が見えた。

 この糸は相手の動きを意味する。


 糸は複雑なようでそれでいて確実に無駄なく動いている。

 その糸を断ち切る事が出来れば、二人とも同時に倒せる。


 僕は精神を集中した。

 真っ暗な中に赤い糸と青い糸が見える。

 赤い糸は鬼、青い糸は女騎士だ。


 この糸が重なるタイミング、そこを狙う。


 それからも猛攻は続いた。

 僕の体力もこのままでは限界に到達する。


 勝負は一度きり、これで負ければもう後はない。

 僕は糸の重なる瞬間を待ち続けた。


 今だ!


「レジデンス流、究極奥義! 縦横無尽斬インフィニットディレクションッッ!!」


 僕の魂の救済者(ソウルセイバー)は一瞬だけ重なった二つの糸を同時に断ち切った。


「やったっ!! ついに斬れた!!」


 縦横無尽の斬撃は鬼と女騎士の武器を粉々に打ち砕いた。

 そしてその斬圧は二人の防具も吹き飛ばした。


「くっ! 二人共、退()きなさいっ」


 大悪魔が戦えなくなった二人を呼び寄せた。


 勝った、後は残っているのは錬金術師と大悪魔だけだ。


◆◆◆


 (わたくし)は絶対究極魔法トライディザスターでドラゴンを倒した。

 残っているのは大悪魔と錬金術師だけだ。

 (わたくし)は錬金術師がどこにいるのかを調べた。


 錬金術師はドラゴンの下敷きになった後、自力で持ち上げて脱出していた。

 そして再び瓶を取り出し、辺りに霧として噴霧した。


「クッ これは何ですの!?」


 私の身体に異変が見えた。

 これは……腐食型の猛毒だ。


「ピリフィケイション!」


 私はとっさに体の毒を浄化した。

 これが間に合っていなければ即死だったかもしれない。


 その証拠に斬られた触手や斬られたドラゴンの尻尾がどんどん菌に侵されて腐っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします! していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません! ぜひよろしくお願いします!

ゆーたん(たけのこ派)

別作品です、こちらもどうぞよろしくお願いします。

魔族の男がポンコツ女に振り回されるギャグです

魔王軍最強触手幹部 左遷先の不毛の地で困窮する食糧事情を解決、なし崩しに出来たハーレムで本土に逆襲大作戦!!

双子が姉妹の令嬢として再度生まれて人生を入れ替えてやり直す話です

運命のゆりかご・生き別れの双子令嬢は猫に導かれ互いの人生をやり直す

改心したワガママ令嬢が人生をやり直す話です。

ワガママ令嬢は挫けない 〜傾国の悪妃として処刑されましたが、今度こそ誰もに愛されるよう努力します〜

ロボアニメネタ始めました。

子供の頃見ていた合体巨大ロボアニメの超絶不人気外道悪役に転生してしまったエンジニアの俺が生き延びる為に!?

ダンジョン配信でミミックが悪人を退治する話です。

社会のゴミ箱DQNイーター 元ラストダンジョン裏ボスつよつよピザ好きミミックが移動先のダンジョンでよわよわヒーロー仮面配信者と世直し配信!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ