234 ルームの極大究極魔法
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ルームのトールハンマは僕の剣に落ち、その雷のエネルギーは巨大な塊になった。
「お兄様、もう少し我慢してくださいませ!!」
もしルームがレジストサンダーの魔法を僕にかけていなければ、即死級の力だ。
しかし、ルームがそこまでして使う魔法。
それは今いる強敵を全て打ち砕くほどの魔法なのだろう。
僕はホームの魔法を剣に受け続けた。
「へェ……これは気になるわねェ」
お師匠様もルームが何をしようとしているのかが気になっているようだ。
「これが……私の極大究極魔法……!」
そういうとルームは、僕に集めた雷のエネルギーを自身の魔力とつないで雷の鎖を作った。
そして、ルームはその超巨大な雷球を雷の鎖を手繰り寄せ、自らの近くに集めた。
男性型ゴーレムがまた巨大な筒を用意し、巨大な火炎魔法を撃とうとしている。
「そうはさせないぞ!!」
僕はゴーレムに体当たりし、狙いを定めていた筒を弾き飛ばした。
「お兄様! 伏せてください!!」
僕はルームの指示通り、その場に伏せた。
ルームは超巨大雷球を自らの体を回転させながら振り回し始めた。
「うをぉおおおおおお!!」
ルームが凄まじい叫びをあげている。
「これが……私の極大究極魔法……グラインドォォランペイジハンマァァァアーー!!」
「凄い! よくこんな魔法を思いついたわねェ!!」
ルームの編み出した極大究極魔法は、超巨大な雷球を辺り一面に回転しながら全てを巻き込む凄まじい物だった。
とっさに女性型ゴーレムの張ろうとした光の壁だったが、壁のない側面から振り回された超巨大雷球の前には敵ではなかった。
二体のゴーレムが超巨大雷球に打ち砕かれる、それは雷のエネルギーを全て全身に叩きつけられ、致命的なダメージになっていた。
「凄い……ルームの魔法が敵を完全に倒した」
超巨大雷球の回転が止まった時、ルームの前には既に立ち上がる敵は誰もいなかった。
二体のゴーレムは雷の力を受け、完全に沈黙。
ゴーレムの術者も巻き添えで吹き飛ばされて、沈黙していた。
「二人共そこまでェ! よくやったわねェ」
お師匠様がニッコリと笑って拍手してくれた。
僕とルームはあのとてつもない強敵に勝ったのだ。
「お兄様、やり……ました……わ」
ルームはヘトヘトになりながらもとてもいい笑顔をしていた。
「そうだよ! 僕達、二人で勝ったんだ!!」
僕はルームと手を握り合い、心から喜んだ。
そんな僕達の前に倒れた戦士達が立ち上がり、姿を変えた。
「!? 女……の子?」
僕達が戦っていた敵は異界の女の子達だったようだ。
彼女等はみんなが同じ服を着ていて、女性型ゴーレムも可愛い女の子の姿になっていた。
なお、男性型のゴーレムはそのままの姿だった。
彼女達はニッコリ笑うと手を差し出してきた。
僕とルームはその手を握り返した。
すると、彼女達はとてもいい笑顔で、僕とルームを見つめていた。
「ありがとう、君達との戦い……決して忘れないよ」
「私もですわ。貴女方、とても強かったですわ」
お師匠様が異界の門を開いた。
「さて、そろそろお別れの時間だねェ」
四人の女の子とゴーレムは手を振りながら、異界の門に帰っていった。
「二人共、とても強くなったねェ。妾も教えた甲斐があったというもんだねェ」
「お師匠様、修行はこれで終わりですか?」
「いいや、それじゃあ……明日二人には卒業試験を受けてもらおうかねェ」
卒業試験。
お師匠様はそう言った。
「それは一体……どんな事を」
「そうねェ……魔将軍に匹敵する程の相手と戦ってもらおうかねェ」
魔将軍、それはこの世界で最強とも呼ばれる魔族の将軍の事だ。
それに匹敵する強さ……。
お師匠様は一体何をしようというのだろうか。
「とにかく今日はもう美味しい物を食べてゆっくり休もうかねェ。明日は……死ぬ覚悟で戦うんだからねェ」
お師匠様が凄い事を言った。
死ぬ覚悟で戦う敵……一体何者なのだろうか。