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231 敵の必殺技

◆◆◆


 相手を同時に倒す方法。

 それは極大呪文しかありえない。

 前の双子の剣士はボルガニックフレアで倒せたが、今回の敵は炎の属性には強そうな金属の敵だ。


 この強敵のゴーレムを倒すには、雷属性の極大攻撃魔法を使わなくてはいけない。

 その為にはサンダーボルトやサンダーブレークでは足りない。

 それ以上の魔法でなくてはこの強敵に勝つ事は無理だ。


 しかしそのためには最強レベルの魔法を使わなくては。

 (わたくし)の聞いた事のある最強魔法を使うしかない!


「行きますわよ! トォォォーールハンマァア―!!」


 トールハンマー、それは異界の雷神の名を称した最強の雷の魔法だ!

 その威力はどのような物すら砕く神の雷。


 トールハンマーは目の前の強敵を捉えた。

 そう思った時、もう一人の女型ゴーレムが味方のはずの男性型ゴーレムを高速の飛び蹴りで弾き飛ばした。


「! 何ですの!?」


 その素早い蹴りは二体ともを遠くに移動させ、トールハンマーは空振りに終わった。


「なんというチームワーク、信じられませんわ!」


 トールハンマーは固定場所への魔法。

 一度避けられると膨大な魔力だけが空振りになる。


「それならこの魔法は! インドラ……フレッチャァー!」


 これも異界の雷神の名を称した最強魔法


 これは(わたくし)自身の魔力を雷の矢とし、相手に突き刺す魔法。

 だが消費魔力が大きく連発できない。


 魔法は二体並んだゴーレムとその従者を確実に捉えた……はずだった。

 しかし、女方のゴーレムの作った光の壁は、(わたくし)の魔法をそのまま跳ね返した。


 ギィイイイイイン!!


「何ですの!? アレを跳ね返したというの?」

「まだまだ詰めが甘いわねェ。魔法を跳ね返す攻撃も世の中には存在するのよねェ」

「油断しましたわ!!」


 (わたくし)は自らの放った極大魔法に自らの身体を打ちのめされてしまった。


「力が強いとそれだけ反撃がきついのよねェ」


 お師匠様の声を聞きながら、(わたくし)は意識を失った。


◆◆◆


 反撃に徹した僕は敵戦士の攻撃を確実にかわしながら、僕はヒット&アウェイを繰り返した。

 相手が攻めてくるタイミングでこちらも反撃をする。


 このやり方で戦えば、確実に相手が弱ってこちらに勝機が見える。


「そううまく行くと良いけどねェ」


 お師匠様は僕が勝つとは思っていないようだ。

 でも僕には確実に勝てる自信がある。

 相手の攻撃を避けながら攻撃をする、これでこちらの体力は最小限に使いつつ相手のダメージを蓄積させる。


 実際二人の戦士に疲れの色が見えてきた。

 このまま相手が力尽きるまで戦い続ければ、僕の勝ちだ!


 しかし、それが甘い考えだったと、僕は後で思い知る事になった。


 疲れの見えたカラフルな戦士はいきなり攻撃を止めた。

 ここで下手に攻撃に出ればこちらが反撃を喰らう。


 ここは相手の出方を見るべきだ。

 だが、それが甘かった。

 それは相手の戦士の最強必殺技の布石だったのだ。


「!!!」


 僕がそれに気が付いた時、カラフルな女戦士は七人に分裂した。


「なんだこれは!?」


 カラフルな戦士は僕の周囲を七人で取り囲み、構えを取った。


「そうはさせない!」


 僕が攻撃を仕掛けようとした時、姿もなく現れたもう一人の仮面の戦士は不思議な武器を僕の影に向かって投げつけた。


「う……動けない!!」


 これは先日ルームの受けた攻撃だ。

 影を縛り付け相手を動けなくする必殺技。

 そして動けない僕に向かい、カラフルな七人の分裂した戦士がエネルギーの塊を放ってきた。


「ぐわああああああぁぁぁあ!!」


 究極の必殺技を使えるのは自分だけだと思っていたのが、僕の慢心だった。

 これからの敵には自分と同じか、それ以上の必殺技を使うような相手も存在する。


「うう……くそっ……」


 そして僕は力尽きてしまった。


「二人共、上には上がいるってわかったかねェ」


 意識の薄れていく僕が最後に聞いたのは、お師匠様の声だった。

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