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227 修行の成果

◆◆◆


「さて、では今日もまた修行開始といこうかねェ!」


 お師匠様は杖を使わず昨日と同じように、三体のクリスタルドラゴンと二人の剣士を異界の門から召喚した。


「お願いします!」

「お願いしますわっ!」


「あのクリスタルを動かせれば!」


 目で見える物を倒すのではない。

 僕が倒すべきは目の前の三体のドラゴンの姿ではないのだ。


 昨日の夜は二人とも痛くてなかなか眠れなかった。

 どうやら急激なレベルアップ痛が襲ってきたようだ。


 これは、筋肉痛を精神疲労まで加えたようなものだった。

 泣きたくなるくらいの痛みに、僕とルームは耐え抜いた。


 だからなのか、今の僕は思った通りの動きが出来ている。

 昨日は理想の動き方はあっても、体が追い付いていなかった。


「動ける! 思ったように動けるぞ」

「へェ。やるねェ……。師匠として褒めてやるねェ」


 でも油断してはいけない。

 敵は三体いる。

 コイツらをどうにかして、目線そらしをしないとまた三体同時のブレスを喰らって負けてしまう。


 僕は一体のクリスタルドラゴンの前に立ち、ブレスを待ち構えた。


「来い!」


 クリスタルドラゴンが息を吸い込んだ瞬間、僕はドラゴンの前に躍り出た。


 ブレスを吐き出す為、ドラゴンが息を吸った。


 今だ!!


「行くぞォ! 縦一閃(バーチカルスラッシュ)!」


 魂の救済者はドラゴンの首を捉えた。

 手ごたえはある!!


 パキィィィィイン!


 一体のクリスタルドラゴンの脆くなった首が砕けた。


「やったっ!!」


 しかしドラゴンの首はすぐ再生する。

 その前にクリスタルの見えない呪縛糸を断ち切り、クリスタルを同時に破壊できる場所に移動させなくてはいけない。


 ここからが本当の勝負だ!


◆◆◆


 (わたくし)は昨日の反省を踏まえ、敵を弾き飛ばす事をやめた。


「エアリアルバースト!」


 今度弾き飛ばしたのは(わたくし)自身。

 私は跳躍では到底届かない高い場所に、自身を飛ばして下を見下ろした。


「エアリアルバースト」


 (わたくし)は下に落ちないようにエアリアルバーストで空中戦を考えた。


 青い剣士が私の足にロープを投げてきた。

 これで絡め取るつもりなのだろう。


「そうはさせませんわ!」


 (わたくし)はファイヤーボールでロープを焼いた。


 しばらく空中戦が続いた。

 着地して攻撃を喰らいそうになるとエアリアルバースト、これで攻撃は完全に避けきった。


「ルームちゃんもやるねェ」


 お師匠様が褒めてくれている。

 でも慢心は出来ない。

 この敵は(わたくし)一人だけで倒さないといけないのだ。


 (わたくし)は昨日の夜、痛くて寝れなかった。

 急激なレベルアップ痛、これが全身を襲った。


 お兄様もレベルアップ痛で痛そうだった。

 でも、それがあったので今日はこの動きが出来ている。


 昨日までの体力や魔力で、エアリアルバーストを使って移動しようとしていたら、体がバラバラになっていたかもしれない。


「いきますわ、フリージングストーム!」


 (わたくし)は空中から強力な吹雪を、二人の剣士に叩きつけた。

 機敏な動きの剣士は、足元を氷に囚われて動けなかった。


「次はこれ、ファイヤーウォール!」


 本当ならイラプシオンコルムナの方が魔法としては強い。

 でもこれは以前のマンティコア戦の時のユカ様との戦い方を参考にしている。


 フリージングストームの吹雪はファイヤーウォールの火で溶けて、辺り一面は水浸しになっていた。


「トドメですわ! サンダーブレーク!!」


 全身水で濡れた二人の剣士が、強力な雷で感電していた。


「やった、やりましたわ!!」


 (わたくし)は勝ちを確信した、その時。


「!」


 下から鋭い突風が私の胸を貫いた。


「あ……ガッ……」

「ダメねェ。勝ちを慢心したらそこで負ける場合もあるからねェ」


 お師匠様のいう事はもっともだ。

 今回の敗因は最後まで気を抜かないで戦うべきだった事だった……。


 そして、(わたくし)は地面にひれ伏してしまい、また剣士に一方的に攻撃を受け、気を失ってしまった。

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