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226 急激なレベルアップ

◆◆◆


「さて、では今日も修行開始といこうかねェ!」


 お師匠様は杖を使わず、三体のクリスタルドラゴンと二人の剣士を異界の門から召喚した。


「お願いします!」

「お願いしますわっ!」


 クリスタルドラゴンは咆哮をあげると僕に攻撃を仕掛けてきた。

 僕はそれを魂の救済者(ソウルセイバー)で受け止めた。


「あのクリスタルを動かせれば!」


 僕には作戦があった。

 今回はあのクリスタルの場所を動かしながら戦うのだ。


「ギャアアアオオオオン」


 クリスタルドラゴンが咆哮をあげた。

 僕はブレスが来るタイミングで、クリスタルドラゴンの下に潜りこんだ。


「やった!」

「へえ、やるじゃないねェ」


 お師匠様が感心していた。

 ドラゴンのブレスは避けようとしてもダメだ。

 むしろブレスを吐いてくる口の真下が、一番安全だと言える。

 そして、他のドラゴンのブレスもクリスタルドラゴンの足や腹の下に隠れる事で、ブレスの直撃を避けれるのだ。


 そして僕は目的の物を見る事が出来た。


「これだ! このクリスタルだ!」


 僕はクリスタルドラゴンの下からスライディングでクリスタルの前に出た。


「コレでも食らえぇー!」


 僕はクリスタルを思いっきり剣の腹で叩いた。


「へェ、どうやら気が付いたようねェ」


 しかしクリスタルは微動だにしなかった。

 どうやら魔力でクリスタルは場所の固定がされているようだ。

 ここは……見えない物を切る奥義で戦おう。


「レジデンス流秘技……無尽斬(イグゾォスタァブル)!」


 手ごたえがあった。

 しかしクリスタルは無傷だ。

 僕はその無傷のクリスタルを蹴り飛ばしてみた。


 ギィィイイン!


 クリスタルは空中に浮遊したまま、場所を移動した。


「やった! 狙い通りだ!」

「やるじゃない、でもまだまだねェ」

「!!」


 クリスタルに気を取られ過ぎた僕は、三体のクリスタルドラゴンに囲まれている事に気が付かなかった。


「しまった!!!」


 クリスタルドラゴンのブレスが三方向から僕を襲う。

 今日も僕は、クリスタルドラゴンに完敗だった。


◆◆◆


 (わたくし)は二人の剣士の動きを見ていた。

 一瞬でも目を離せば負け確定。

 それほど、この二人の剣士は強い。


 それなら一人一人に分断すれば。


「エアリアルバースト!」


 攻撃には役に立たない魔法、エアリアルバーストで私は一人の剣士を吹き飛ばした。


「これなら! ファイヤーウォール!」


 昨日は魔法すら出せなかった。

 でも(わたくし)は今日、魔法でイニシアチブをとる事が出来た。

 巨大な炎の壁が、異界の剣士を包み込んだ。


「やりましたわ!」


 しかし、そう思ったすぐ後、上空にロープを飛ばし、炎の壁を飛び越えた仮面の剣士が(わたくし)に蹴りを入れてきた。


「はうぅ!」

「まだまだねェ。最初は良かったけどねェ……その剣士の強さは俊敏さと軽快さだからねェ。素早く魔法を使うだけでは勝てないからねェ」


 蹴りを入れられた後は昨日と同じ流れだった。

 私は逃げる事も避ける事も出来ず、二人の剣士の攻撃を全て受けてしまい、床に転がって動けなかった。


「今日も……悔しいです……わ」


 (わたくし)はまた悔しくて泣いてしまった。


「はい、二人とも今日はそこまでェ。昨日よりよく頑張ったわねェ」


 お師匠様がニッコリと笑っていた。

 そして、お師匠様が手を高く掲げるとクリスタルドラゴンと二人の剣士はまた門の向こう側に姿を消した。


「二人共お疲れ様。メガヒール」


 お師匠様の魔法で昨日と同じようにお兄様と(わたくし)の傷が完全に癒されていた。


「さあ、それじゃあ食事にしようかねェ」

「お師匠様、修行の時間短くないですか?」

「それでいいのよねェ。二人共、今の戦いだけでもう体力のほとんどを使ったでしょう。ゆっくり休んで体をしっかりと休めるんだねェ。急激なレベルアップは身体に大きな負担を与えるからねェ」


 どうやら私とお兄様は、この短時間でかなりレベルアップしているらしい。

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