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221 龍の逆鱗に触れる

皆さんが見てくれたおかげで総合ポイントが1000pt突破できました。

ありがとうございます。

これからもよろしくお願い致します。

◆◆◆


 小生はランザンと共に山を駆け上った。

 ランザンのおかげで、小生は足を使わず山を登る事は出来ている。

 だが、それはそれでかなり体に負担がかかっている。


 ランザンの飛ぶ速度は風よりも早い。

 小生は龍武士ゆえ、訓練されていてこの速度を手綱と鞍で耐えられるが、リョウドはそのような訓練をしていない。


「姉上、予なら大丈夫です! 気にせずイオリ様を見つけてください」

「リョウド、姉ちゃんにしっかり掴まっていろ! ランザン、飛べ」

「クオオオオオオン!!」


 そしてしばしの間飛び続け、ついに雲海を突き抜けた山の頂上近くに辿り着いた。


「待て。その方、この先に何用だ!」

「小生は『ミクニ・リョウクウ』龍の賢者イオリ様にお力添えいただきたく、此処に馳せ参じた!」

「その方、龍だな。まだ言葉は話せぬか」

「クオオオオオオン、クオオオン!!」

「ふむ、ランザン殿か。良かろう、龍武士ならばイオリ様も知己の者、通るがよい!」

「かたじけない。其方、名前はなんと申す?」

「我の名はドウコクと申す。リョウクウ殿よ、イオリ様に無礼なきよう」

「心得た!」


 小生は龍の番人に通してもらい、山頂近くに辿り着いた。

 その時、天空から激しい轟雷が降り注いだ。


「クオオオオオン!!」

「どうした、ランザン?」

「クオオオオオオオオン!!」

「何、アレはイオリ様の雷だと!?」


 山の頂上で何かが起きているようだ。

 小生とランザンは頂上を目指して更なる速度で飛び続けた。


◆◇◆


 アンの周りの空気が紫の奔流になっていた。


「冥途の土産に見せてやろう……真の龍神の怒りというものをな!!」


 アンが空に舞い上がった。


「ぬううううううううぅぅぅん! この姿になるのは久方ぶりじゃな! 見るがよい、(これ)が我の真の姿! 龍神イオリの姿じゃ!!」


 アンが凄まじい咆哮を上げた。

 そしてその体はみるみるうちに巨大化し、紫色で五本爪の神々しい龍の姿に変化した。


「……死ぬがよい!」

「な……なんだと!? わしはマデン様の第一の(しもべ)、魔神カイダン。そう簡単にやられる有象無象のザコとは違うわ!!」


 カイダンはそう言うと龍神イオリの体に巨大な戦斧を叩きつけようとした。


「愚か者が、キサマごときがワシの身体に毛筋ほどの傷すらつけれると思ったか!」

「な、数千の肉塊を作ってきたワシの豪斧が……」


 カイダンの渾身の一撃は龍神イオリに傷一つつける事が出来なかった。


「轟雷よ……在れ!」

「ギャアアアアアアアアア!!」


 サンダーブレークの数千倍、数万倍ともいえる巨大な雷がカイダンの身体を貫いた。


 その直後、山の下の方から龍に乗った人物が姿を現した。


「何だ、この騒ぎは!? あれは……まさか、龍神イオリ様!?」


 龍に乗った女性は目の前の巨龍を見た瞬間、龍神イオリだと理解していた。


「クオオオオオオオオン!!」

「ぬう、其方は……ランザン坊か。危ないから下がっておれ」

「クウウウウン……」


 龍神イオリの一言でランザンと呼ばれた龍は一歩退いた。


「グアアアア、この魔神カイダン、これしきの事で死にはせぬわ!」


 轟雷に貫かれたカイダンが煙の中から姿を見せた。

 あの巨大な雷の直撃を喰らいながらまだ立っている。

 コイツはレベル70以上はありそうな化け物だ。


「ほう、あれで生きておるとはな。よかろう、では貴様に本当の恐怖を教えてやろう」


 龍神イオリの声が辺りに響いた。


「では見るがよい! 紫電狂飆(しでんきょうひょう)!!」


 カイダンが紫色の突風で空中に舞い上げられた。

 そして襲いかかる紫色の大嵐と雷は微動だに出来ないカイダンの360度全てから、その全身を少しずつ凄まじいスピードで削っていった。


「ガギャアアーーー!!!」


 それがカイダンの断末魔の声だった。

 カイダンは大嵐が消え去った後、跡形もなく消えていた。


「冥府で悔いるがよいわ、痴れ者が!!」


 いとも容易くカイダンを葬り去った龍神イオリは、その姿を再び人の大きさに変えた。


「黙っておって悪かったのう。実はワシが龍神イオリだったのじゃ」

「ボク、分かっていましたよ」

「な……なんじゃと!?」


 どうやら龍神イオリは嘘をつくのが下手な性格のようだ。

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