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187 山頂を目指せ

 私達は山登りの準備を整え、ふもとの村を出発した。

 山登りの道具はシートとシーツの二匹の背中に載せている。

 聖狼族のシート、シーツは一か月程でかなりの大きさになった。


 ザイル、ピッケル、ハーケン、山登りのアイテムは一式そろえてきた。

 しかし、今回これらは気休め程度で済む。

 何故なら私のスキルがあるからだ。


「みんな、時間が無い。一気に行くぞ!」


 みんなは私が何をしようとしているのかをもう想定済みのようだ。

 幸いこの岩山は急勾配過ぎて、飛翔系以外のモンスターはほぼ存在しない。

 これならマップチェンジスキルで階段を作っていけば、転落さえしなければほぼ無傷で山に登れるはずだ。


「目の前の山岳を階段にマップチェンジ!」


 私のマップチェンジスキルで、急勾配の山岳はなだらかな階段に変更できた。

 後はこれをずっと維持していくだけだ。


「ユカ様、後方は僕が守ります」

「さて、ここじゃあダイブイーグルもいないからな、ここにいる鳥は、雪ライチョウやルリビタキといったところか、頼んだぜ」


 フロアさんは雪ライチョウやルリビタキを使い遠方を偵察した。

 鳥で偵察した遠方に雪崩の危険性が無い事を確認してマップチェンジ、これを続ける事で私達は本来一か月以上かかると言われた山登りを、二日程で山の中腹まで上る事が出来た。


「ユカ様、寒くなってきましたね」

「そうだね、グラムさんが渡してくれた山用の装備が役に立ってきたね」

「寒いのでしたら私にお任せ下さいませ。トーチ」


 トーチは子供が一番最初に覚える火の魔法だ。

 ファイヤーボールよりも初歩の魔法で指先から枯れ木に火をつける程度の火がつく。

 だがルームはそのトーチの魔法を細く延々とつけ続ける事が出来るのだ。

 この魔法のおかげで誰も凍える事なく山の上に向かう事が出来た。


「ユカ様、行き止まりです。ここからは道がありません」

「そうだね、本来ならここでハーケンとかザイルを使うんだろうけど、急ぐから一気に行くよ!」


 私は崖の上に行く事はせず、山の側面にマップチェンジスキルを使った。


「この岩山をらせん状の階段にチェンジ!」


 マップチェンジは成功、そして私達は転落防止の為にロープを持ちながら階段を延々と上り続けた。


 そして一日後、山の頂上が見えた。

 その頂上には岩でできた城のような影が見えていた。


「やった! ついに流星の魔女の城が見えた!!」

「ユカ様、もう少しですね!」


 みんなは延々と山道を登り疲労気味だったが、エリアのレザレクションのおかげで体力はまだ十分残っていた。

 だが、城が見えてからが遠かった。

 私達は更に2000メートル以上の山を登り、ついに城の見える場所にたどり着いた。


「ついに、たどり着いた!」


 疲労の限界だった私達は、ついに流星の魔女エントラの城の入り口に到着した。

 そこは広く開けた土地だった。


「はっはっは、よくこんな辺鄙なところまで上って来たねェ、歓迎するからねェ」

「貴女が流星の魔女ですか?」

「そう、(わらわ)こそがエントラ。人は流星の魔女とか大魔女と言うねェ」


 エントラは城の高い塔の上から私達を見ていた。

 そして彼女は杖を高く掲げた。


「さて、今度は本気で行くねェ、アンタ達の本気を見せてみるんだねェ!!」


 彼女は魔法陣を空中に作るとその中から見覚えのある物を召喚した。


「さて、この子を倒せるかねェ。アンタ達がこの子を倒せたら話を聞いてあげるからねェ」


 そして、魔法陣の中から出てきたのはクリスタルドラゴンだった。


「ここならあの村と違って誰にも遠慮はいらないからねェ、本気を出さないと死んじゃうからねェ!!」


 エントラはワインを片手に笑いながら私達を見ていた。


 クリスタルドラゴンは咆哮を上げ、三つの大水晶を三か所に配置し、私達全員を囲む強力な結界を作った。


 さあ、クリスタルドラゴンとのリベンジマッチの開始だ!

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