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185 難敵!クリスタルドラゴン

「プロテクトドーム!」


 ルームのとっさの無詠唱の防護魔法がクリスタルドラゴンのブレスから私達を守った。

 よく考えるとルームの魔法も無詠唱だ。

 この世界では本来魔法は精霊契約の詠唱が必須なはずなのだが身近にルームがいるので魔法に詠唱が必要だという事を私は忘れていた。

 そういえば母さんも家事の手抜きに使ってたのが無詠唱魔法だったので本来の凄さを忘れていた。


 無詠唱魔法を使える彼女は間違いなく若き天才であろう。


「くっ! ドームが持たない!」


 光のバリアがクリスタルドラゴンのブレスに耐え切れずにパリンと破れて砕けた。


「きゃあー!」

「ぐぁああっ!!」


 みんなが衝撃で飛ばされた、それほど凄い衝撃だった。

 しかし吹っ飛んだはずのみんなは壁に叩きつけられず、クリスタルドラゴンの作った結界の光の壁にぶつかって前にはじかれた。


「何という結界、私達を外に出さない為の物のようですわね」

「ルーム! 大丈夫!?」

「この程度、なんて事ありませんわ。(わたくし)はあの不死身のアジトやゾンビの群れと戦ったんですから」


 ルームは間違いなく成長している。

 だがそんな彼女ですら苦戦する程のクリスタルドラゴン、これはレベル50以上の強敵と言えよう。

 常人なら向かい合う事すらできない難敵だ。


「そういえば以前父上から聞いた事があります。水晶で出来たようなドラゴンと戦った事があると!」


 今までの話から考えるとそれは間違いなくこのドラゴンと同じだろう。

 つまりこのドラゴンは大魔女エントラが召喚したものだという事だ。


「皆様、離れていて下さいませ、(わたくし)の最強魔法でやってみますわ! イラプシオォォォン・コルムゥゥナ!!」


 ルームの最強魔法イラプシオンコルムナが発動した。

 しかしクリスタルドラゴンは微動だにしなかった。

 その直後、クリスタルドラゴンが大きく口を開き、咆哮を上げた。


 すると、ルームのイラプシオンコルムナの噴火にも等しい火柱はドラゴンの咆哮によって一瞬で姿を消してしまった!


「何故……ですの、(わたくし)の最強魔法が……全く効かないなんて」


 今までの自信を打ち砕かれたようにルームは驚愕し、茫然としていた。


「ルーム、危ない!」


 ホームが動けないルームをかばい、魂の救済者(ソウルセイバー)でドラゴンの爪を防いだ。


「ぐはぁっ!」


 しかし、その攻撃はホームのパリィすら弾き飛ばし、魂の救済者(ソウルセイバー)は彼の手から投げ出された。


「くそっ! レベルが違い過ぎる」


 このクリスタルドラゴンは今までの敵の中でも最強クラスと言えるだろう。

 私は遺跡の剣(エクスキサーチ)を構え、クリスタルドラゴンの前に立ちはだかった。


「ユカ様、危ないですわっ」


 動けないルームは私に大声で危険を知らせる事しかできなかった。

 危ないのは分かっている、でも今はレベル50前後の私しかこのクリスタルドラゴンとまともに戦えないのだ。


 正攻法で勝てるような相手ではない。

 狙うのはカウンターだ、私は無防備に見せてクリスタルドラゴンの攻撃を待った。

 ドラゴンが首を乗り出して噛みついてきた、そこを狙い私は身をかわすとドラゴンの首を遺跡の剣(エクスキサーチ)で叩き落とした。


「これで、どうだぁ!」


 首を落とされたドラゴンが一瞬沈黙した。

 だが、ドラゴンは再び動き、その首を片手で持ち上げると再び魔力で首につなげた。


「こいつはゾンビか!?」

「ユカさん、いや、これは違う……コイツからは命の脈動も不死の邪悪さも感じられない」

「フロアさん、それって?」

「コイツは生き物でもアンデッドでもないという事だ。コイツは動物の息吹を感じる俺に何も語り掛けてこない」


 つまり……これは生き物ではない。

 これは、ドラゴンの形をしたゴーレム、もしくは魔法生物といったところか。


「みんな、作戦を立てよう、一度集まってくれ」


 私は危険な中、全員を一度集めて手短に説明した。


「みんな、これは大魔女エントラの作った魔法生物だ!」

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