表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

163/944

161 【第二章完結】 若き日の剣聖と死者の王

ついに第二章完結です!

思った以上に長くなりました。


今晩、第二章の登場人物紹介をアップします。

 砕けた死者の指輪の傍にボロボロのメイド服だった物が落ちていた。

 どうやらこれはヘクタールを取り込んだ(コア)になった死者の指輪のバリアで守られ、ルームのイラプシオンコルムナの火炎から無事だったようだ。


「マーシャ……」


 元メイド達は亡き親友の事を思い出していた。

 エリアがそんな三人の一人に肩の上に手をのせてささやいた。


「大丈夫、彼女は天に還ったわ……。彼女はもう貴女達を怨んではいません」


 それを聞いた三人は亡くなった彼女のメイド服だった物を握りしめ、いつまでも泣き続けた。



「ここで良いかな?」

「ハイ。私達、またマーシャのお墓参りに来ます」

「これから、どうするの?」

「あたし達、冒険者ギルドでお世話になります。ここには辛い思い出が多すぎるので……」


 彼女達は冒険者ギルドで働く事になった。

 今度はワープ床を使わなくても安心してレジデンス領との行き来が出来る。


「さて、終わったね」

「そうですね、僕……領主代行として、したい事があるんです。協力してくれますか?」


 ホームの顔に強い決意が感じられた。


「そうだね、その前にシートとシーツを迎えに行かないと!」

「そうだな! 早く行こう。きっと待ちくたびれてるぞ」


 フロアさんが馬に語り掛けてくれたので、私達は思ったよりも早く北西の村にたどり着き、シートとシーツを迎える事が出来た。

 そして人質だったレジデンス領の人達を連れ、私達はヘクタール領の宿舎の所に集まった。


「ホーム、領主代行としてやりたい事って何?」

「収穫祭ですよ! 領民の皆さんも全員で楽しめる収穫祭をしましょう!」


 周りから大歓声が巻き起こった。


「そうだね、周りの村の人も誘って盛大にやろう!」

「……残念だが、我々は魔軍討伐の為先を急ぐのでここまでだな。ホーム殿、代行としての責務、お願いする!」

「ラガハース子爵、お気をつけて!! ご武運をお祈りしております!!」

「さらばだ、行くぞ! 帝国騎士団出陣!!」


 領民達とヘクタールの元従者達は、盛大な拍手で騎士団の出陣を見送った。


「さて、これから忙しくなるぞ!!」

「そうですね!」

(わたくし)も腕が鳴りますわ!」


 そして、数日後。フランベルジュ領では盛大な収穫祭が行われ、誰もが皆笑って新たな日々の生活を盛大に祝った。


 その様子を空から鳥が目を光らせて映していた。


◇◇◇


 ここは何処かにある城。

 そこでは流星の魔女と人々に呼ばれる人物がこの光景を面白そうに眺めていた。


「なかなか面白いモノだったわねェ。まあ(わらわ)が手助けしてやったのを気付いたのはどれくらいいたかしらねェ……はっはっは」


 彼女はワインを飲みながら収穫祭に盛り上がる人達を眺めていた。


「さあ。あの子達、今度はどんな面白い事をしてくれるのかねェ」


 流星の魔女は一気にワインを飲み干し、またワインを魔法で作った従者に注がせていた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ここはフランベルジュの街、かつては旧ヘクタール領と呼ばれた場所だ。


「お兄さん、この町は初めてかい?」


 旅の人物は町の観光案内人らしい人物に声を掛けられていた。


「はい、まあここが有名だと聞いて」

「おおそうだったか、もうすぐ始まるよ。チケットは銀貨2枚だよ」


 この街は昔から芝居の演目で有名なのだ。

 その芝居とは『若き日の剣聖と死者の王』かつてこの土地で本当にあった話である。


 若き日の剣聖とは『剣聖・ホーム・レジデンス大公』の事であり、死者の王とは『ヘクタール男爵』の事である。


 遥かなる昔、この地に救世主、聖女と共に現れた若き日の剣聖は、悪逆非道の領主ヘクタール男爵を倒す為に戦った。

 だがヘクタール男爵は、死者の指輪で邪悪なモンスターになってしまった。

 しかし伝説の救世主と聖女、若き日の剣聖と、その仲間達が、力を合わせて死者の王を倒すという話だ。


 この演目を見る際に食べられているのが、人気料理の『ヘクタール』である。

 芝居を見ながら片手で食べる事が出来るので、昔から大人気の料理であるが、その本当の由来を知る者は、今や誰一人として……いない。


第二章. 悪徳貴族ヘクタール編 完

☆☆☆☆☆評価、ブックマークをいただけると、とても嬉しいです。

これからも頑張ります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします! していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません! ぜひよろしくお願いします!

ゆーたん(たけのこ派)

別作品です、こちらもどうぞよろしくお願いします。

魔族の男がポンコツ女に振り回されるギャグです

魔王軍最強触手幹部 左遷先の不毛の地で困窮する食糧事情を解決、なし崩しに出来たハーレムで本土に逆襲大作戦!!

双子が姉妹の令嬢として再度生まれて人生を入れ替えてやり直す話です

運命のゆりかご・生き別れの双子令嬢は猫に導かれ互いの人生をやり直す

改心したワガママ令嬢が人生をやり直す話です。

ワガママ令嬢は挫けない 〜傾国の悪妃として処刑されましたが、今度こそ誰もに愛されるよう努力します〜

ロボアニメネタ始めました。

子供の頃見ていた合体巨大ロボアニメの超絶不人気外道悪役に転生してしまったエンジニアの俺が生き延びる為に!?

ダンジョン配信でミミックが悪人を退治する話です。

社会のゴミ箱DQNイーター 元ラストダンジョン裏ボスつよつよピザ好きミミックが移動先のダンジョンでよわよわヒーロー仮面配信者と世直し配信!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ