表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

160/944

158 激闘! 屍肉ゴーレム

 隕石によってボコボコになった地面がひび割れ、巨大な穴が周りにいた者全てを飲み込んだ。

 その穴はヘクタールの屋敷から続いていた地下洞窟の大空洞の真上に通じていた。

 ここは凄まじい臭いがする。

 盗賊の住処にも死体置き場はあったがここに比べれば量はまだ半分以下だった。

 ここにあるのは数十年、下手すれば数百年に渡る死体の山。

 ヘクタールの屋敷のゴミ捨て場はここにつながっていたのだ。


「うっ……なんて臭いだ」

「わ……(わたくし)、とても耐えれそうにありませんわ」

「酷いねぇ、これは」


 まさに地獄ともいえるような場所だ、だが皮肉な事に腐肉がクッションになったので私達は落ちた先で大けがをしないで済んだ。

 どうやら騎士団やヘクタールもここに落下したようだ。



「……ここは……」

「やあァ、キミにはまだやってもらう事があるんだよォ」

「誰だ……」


 薄闇色のフードの男がまた現れた。

 奴は一体何を企んでいるのだろうか?


「ヘクタール、キミには生贄になってもらうよォ」

「生贄だと!? なんだそれは」

「さあねェ。でも足元の彼女はキミに会いたかったようだよォ」


 ヘクタールはボロボロのメイド服のまとわりついた肉塊に絡みつかれていた。


「ユルサナイ……オマエダケハ……ユルサナイ」

「オマエモジゴクヘオチロ」

「ヨクモ……オレヲクッテクレタナ、オマエモクラッテヤル」

「やめろぉ……やめてくれぇえええ!」


 ヘクタールは肉塊や骸骨に次々に覆いかぶさられ、その肉体の全てをバラバラに引き裂かれ次々に肉塊に食われた。

 だが事態はそれだけでは済まず、腐肉と肉塊と骸骨は全てが一か所に集まり超巨大な塊になった。

 そして塊からは腕と思しき物、足と思しき物が生え、その姿は骸骨と肉塊の合わさった超巨大なゴーレムの姿になった。


「「「「ニクイ……ニクイ、クルシイ、イタイ、ノロッテヤル。クラッテヤル」」」」


 ゴーレムは何十人何百人もの呻き、怨嗟、呪いを言葉にし、私達に襲いかかってきた。

 その場にあった数十年数百年分の死体が合わさり全てが一つの巨大なゴーレムになった、その巨大さはまるで怪獣映画に出てきそうな程だ。


 私は遺跡の剣(エクスキサーチ)で屍肉ゴーレムを切り裂いた。

 切り裂いた肉塊は崩れ落ち、そしてまた屍肉ゴーレムにくっついていた。

 コイツは自己再生能力持ちなのか!!

 とにかくここは臭いが凄まじい、こんな所ではみんなとても戦える状態ではない。


「この辺り一面の床の高さを地上までにチェンジ!!」


 私は穴のサイズ一杯に床の高さを元の地上まで戻した。


「ユカ様、ありがとうございます!!」

「帝国騎士団、ありったけの魔法と火矢と魔道砲を用意し、眼前の巨大モンスターに一斉掃射せよ!!」


 ラガハース騎士団長の命令で騎士団は地上に置いていたありったけの火炎系武器を屍肉ゴーレムにぶっ放した。

 屍肉ゴーレムは怨念と魔力で作られているとはいえ魔法耐性は持っていない。

 炎に包まれた個所から屍肉ゴーレムは焼け落ちていた。

 だが焼け落ちる度に新しい腕や足を作り、その姿は最初の人間型というよりはカニや蜘蛛を思わせるような異形の姿になっていた。


「食らいなさい、(わたくし)の最大魔法、イラプシオォォン・コルム―ナァー!」


 ルームの最強魔法、イラプシオンコルムナの火柱が屍肉ゴーレムを包み込んだ。

 炎はどんどん威力を増し、周りを囲んでいた炎は屍肉ゴーレムの肉を全て焼き尽くした。

 そこに残ったのは超巨大な骨人形(ボーンゴーレム)だった。


「ギ……ギギギ……ガァアアアア」


 骨のきしむような音、空気を圧縮して吐き出すような音が骨人形(ボーンゴーレム)から聞こえる。


「魔道砲、撃てー!!」


 騎士団の魔法隊が魔道砲を発射した。

 骨がどんどん砕ける、しかしその骨はまた骨人形(ボーンゴーレム)にくっついていた。

 ダメだ、コイツの再生能力はキリがない、だが、こういうモンスターには何処か必ず弱点があるはずなのだ。


 私は再生を繰り返すモンスターの対処法を過去のゲーム作成から思い出そうとした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします! していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません! ぜひよろしくお願いします!

ゆーたん(たけのこ派)

別作品です、こちらもどうぞよろしくお願いします。

魔族の男がポンコツ女に振り回されるギャグです

魔王軍最強触手幹部 左遷先の不毛の地で困窮する食糧事情を解決、なし崩しに出来たハーレムで本土に逆襲大作戦!!

双子が姉妹の令嬢として再度生まれて人生を入れ替えてやり直す話です

運命のゆりかご・生き別れの双子令嬢は猫に導かれ互いの人生をやり直す

改心したワガママ令嬢が人生をやり直す話です。

ワガママ令嬢は挫けない 〜傾国の悪妃として処刑されましたが、今度こそ誰もに愛されるよう努力します〜

ロボアニメネタ始めました。

子供の頃見ていた合体巨大ロボアニメの超絶不人気外道悪役に転生してしまったエンジニアの俺が生き延びる為に!?

ダンジョン配信でミミックが悪人を退治する話です。

社会のゴミ箱DQNイーター 元ラストダンジョン裏ボスつよつよピザ好きミミックが移動先のダンジョンでよわよわヒーロー仮面配信者と世直し配信!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ