表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

155/944

153 最強の援軍達

◆◆◆


 ヘクタールの従者達の宿舎では忙しそうに大勢の人が働いていた。

 しかしその顔には昨日までのような疲労感は無く、皆が明日の為、解放の日の為と仕事をしていた。


 そんな宿舎の懲罰房の中にヘクタールのシンパである貴族の次男三男達が閉じ込められていた。

 そんな彼らの前に何処からともなく薄闇色のフードを被った男が現れた。


「ハハハ……キミたちィ、ここから出たいかい?」

「出せ! 俺達はこんな所にいるような身分ではない」

「早く出せ、このウスノロ」


 貴族達のバカ息子たちは相手にお願いする事を知らない。

高圧的に相手に言えば全て思い通りに相手は動くと思い込んでいるのだ。


「なんだか気に入らないなァ、その態度。まあいい、ここから出してあげるよォ」


 薄闇色のフードの男は手も触れずに鍵を溶かし、姿を消した。


「ハハハハハ。さて、面白くしてくれよォ」


 薄闇色のフードの男は闇の中で笑っていた。

 懲罰房から抜け出したヘクタールの取り巻きは兵士や従者達を突き飛ばし、そのまま急いで収穫祭の会場に向かった。


◆◇◆


 私は目の前の凄まじい光景を目にした。


 収穫祭の会場だった大広場は降り注ぐ流星により跡形もなく吹き飛んでいた。

 真ん中の悪趣味な鉄板を置かれていた場所も粉々になり、その破片は吹き飛んだアンデッドを粉々に砕いた。


「凄い……凄まじい魔法ですわ!」

「これは……流星の魔女様じゃ」

「魔女様がわしらを助けて下さった。魔女様、ありがとうございますじゃ」


 どうやらこの隕石群は自然の物ではなく流星の魔女と呼ばれる人物の使った魔法らしい。


「貴様ラ……殺ス。殺ㇱテオレノ奴隷ニシテヤル」


 ヘクタールはこの流星でも死んでいなかった。

 そして死者の指輪で砕け散った死体をかき集め、再びゴーレムを作ろうとしていた。


「ヘクタール様! 我ら参りました」

「ヘクタール様、そのお姿は?」


 何故だ!? 宿舎の懲罰房に閉じ込めたはずのヘクタールの取り巻き達が血相を変えて現れた。

 誰が奴らを外に出したのだ? 私には皆目見当がつかなかった。


「クハハハハ。貴様ラ、ヨク来タナ」


 そういうとヘクタールは取り巻きの一人の首に噛みついた。


「あ……が、ヘクター……ル様?」


 噛みつかれた取り巻きの一人が地面に倒れた、その直後その男は奇妙な笑いを上げながら青い血を流した食屍鬼(グール)になった。


「貴様ラモコレヲ飲メ」


 ヘクタールは自らの腕から流れる青い血をコップに注ぎ、取り巻き達に突きつけた。


「おお、ヘクタール様。素晴らしい、やはり貴族の血は青かったのですね」

「勿論です、私はあなた様のしもべです」


 取り巻きたちは憑りつかれたようにヘクタールの血を飲んだ。

 そして血を飲んだ取り巻き達は次々と食屍鬼(グール)に変化していった。


「ヘクタール様ニ逆ラウ家畜ドモ、全テ殺ス」

「女子供ハサゾ殺スト楽シイカナ」

「クッテヤル、家畜ドモ」


 食屍鬼(グール)達は領民には目もくれず、ヘクタールの屋敷に向かった。

 奴らの目的は人質だ!

 その前に捕らえられた人達を助けないと。

 だが、この場を離れるとそれはそれでこの領民達を見捨てる事になる……。


 どうすれば良いのだ、二手に分かれても十分勝てるかもしれないが苦戦は必至だ。

 私がどう判断すればいいか悩んでいたその時、遠方から弓と魔法が飛んできて食屍鬼(グール)とゾンビを打ち砕いた。


 遠方に見えたのは帝国軍の騎士団の旗だった、これは天の助けなのか!


「貴殿がホーム・レジデンス殿か、ゴーティ伯爵殿から話は聞いている」

「貴方達は?」

(それがし)はグランド帝国、帝国軍騎士団団長、『ラガハース・フォン・フランベルジュ』である。ゴーティ元団長から頼まれてここに立ち寄った」

「有難うございます! ラガハース騎士団長殿」


 帝国最強の騎士団が加勢してくれた!

 これで人質救出に向かう事が出来る!!


「ラガハースさん、ボク達は今から人質を助けに行きます、ここの人達をお願いできますでしょうか?」

「失礼だが、貴公は?」

「ボクはウォール戦士長の息子『ユカ・カーサ』です!」

「そうか! 貴公が盗賊退治のユカか! 良いだろう、この場は引き受けた」


 これで私達は人質を助けに行く事が出来る!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします! していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません! ぜひよろしくお願いします!

ゆーたん(たけのこ派)

別作品です、こちらもどうぞよろしくお願いします。

魔族の男がポンコツ女に振り回されるギャグです

魔王軍最強触手幹部 左遷先の不毛の地で困窮する食糧事情を解決、なし崩しに出来たハーレムで本土に逆襲大作戦!!

双子が姉妹の令嬢として再度生まれて人生を入れ替えてやり直す話です

運命のゆりかご・生き別れの双子令嬢は猫に導かれ互いの人生をやり直す

改心したワガママ令嬢が人生をやり直す話です。

ワガママ令嬢は挫けない 〜傾国の悪妃として処刑されましたが、今度こそ誰もに愛されるよう努力します〜

ロボアニメネタ始めました。

子供の頃見ていた合体巨大ロボアニメの超絶不人気外道悪役に転生してしまったエンジニアの俺が生き延びる為に!?

ダンジョン配信でミミックが悪人を退治する話です。

社会のゴミ箱DQNイーター 元ラストダンジョン裏ボスつよつよピザ好きミミックが移動先のダンジョンでよわよわヒーロー仮面配信者と世直し配信!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ