表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/944

14 秘宝もとめたびだつ 情熱の狩人

 『冒険野郎Aチーム』


 私でも名前を聞いた事がある、超有名冒険者チームの名前である。

 リーダーのハンイバル、元帝国軍補給班リーダーのフェイスことエーカー・ベック、怪力自慢のコングことアールバウト、クレイジーモンキーことドラゴンライダーのメートルック、紅一点のミリー・アマンダ


 ――戦場で鳴らした俺達特攻部隊は、濡れ衣を着せられ不当に逮捕されたが、監獄を脱出し地下に潜った。しかし地下でくすぶってるような俺たちじゃあない。筋さえ通りゃ金次第でなんでもやってのける命知らず。不可能を可能にし、巨大な悪を粉砕する、俺達冒険野郎Aチーム!――


 それが彼らの有名な前口上である。


「ではこれの鑑定を頼むぜ!」

「う、承りました……これ全部ですか!?」

「勿論だ! 物は最上級品のはずだぜッ」


 さすが大物A級冒険者だ。


 麻袋と革袋の中身から出てきたのは通常ではとても倒せないようなハイレベルのモンスター素材だった。

 グリフォンの爪、マンティコアの頭皮、ワイバーンの鱗、ハイオークの牙、アイアンゴーレムの核、アシッドスライムの体液を詰めた小瓶、バンパイアの手、銀狼の毛皮。


 どれもが冒険者を捕食する側のB級、A級モンスターばかりの素材をハンイバルと仲間達(冒険野郎Aチーム)は惜しげもなく全部広げた。それを見た辺りの冒険者達は凄いどよめき様だった。


「スゲェ! さすがハンイバルさんだ! 俺達にできない事を平気でやってのける! そこに痺れる! 憧れるぅ!!」

「自慢じゃぁないが、俺達じゃあのモンスターのどれにでも負ける自信があるぜ!」

「それ自信じゃなくね?」

「よっ! この国最強の男!」

「いやいや、最強は100体狩りのウォール戦士長だろ」


 普段見ないような素材のオンパレードに冒険者達のボルテージはかなりのものだった。

 そして、冒険者ギルドの受付嬢はあたふたした様子でハンイバルに質問していた。


「ハンイバルさん、これは凄いです!

 全部言い値で買い取らせていただきます。

 ところでこの素材ってどこで手に入れたんですか?」

「ああ、『忘れられた遺跡』だ。あそこのモンスターを全部退治した」


「「「「!!!!!!!」」」」


 その場にいた全ての冒険者達の空気が一瞬凍り付き、誰もがみんなハンイバルを見ていた。


「化石の森の奥に行ったのかよ!!」

「あ……あの一度入ると生きては出られないというモンスターの巣窟?」

「俺入り口見ただけで逃げたぜ、入ってたらアンデッドの仲間になってたかもよ」

「レベル20モンスターがデフォのあの遺跡!?」

「それを全滅!? 人間技じゃねぇ!!」

「全滅ってことはボスモンスターを倒してモンスターコアを破壊したのかよ!?」


 ハンイバルは受付嬢にこぶし大の砕けた鉱石のようなものを手渡していた。


「ハンイバルさん、これはひょっとして……」

「ああ、忘れられた遺跡のモンスターコアだ」

「!!!」


 ――モンスターコア――とは闇の魔素の塊で無尽蔵にモンスターを生み出すダンジョンボスが持っている宝石のようなものである。

 これを破壊するとそのダンジョンの魔素は霧散し、モンスターは消滅するのだ。

 忘れられた遺跡のボスは間違いなくレベル30以上。

 これはハンイバル達がそのモンスターを倒した証明ともいえるのだ。


「残念ながら遺跡の奥まではたどり着けなかった、しかしこのモンスターコアを破壊した事で忘れられた遺跡からモンスターが生み出される事はもうないだろうな!」

「あ、あなたほどの冒険者が何故遺跡探索をあきらめたのですか? 強さは比べるものがないはずなのに」


 受付のお姉さんが不思議そうな表情でハンイバルさんに尋ねていた。


「手段がなかったんだよ、大昔に作られた遺跡だ。橋が風化して壊れてて遺跡の奥に入れなかった」

「ドラゴンライダーのメートルックさんならたどり着けたのでは?」

「ああ、それはオレも考えたが、空からの侵入者を拒む古代の結界があってな、オレのドライビングテクニックでも浮遊力を無効化されたらお手上げだったよ、もう少しで墜落するとこだった……」


 私が傍で聞いていた限り、遺跡探索は思った以上に難航している様子だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします! していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません! ぜひよろしくお願いします!

ゆーたん(たけのこ派)

別作品です、こちらもどうぞよろしくお願いします。

魔族の男がポンコツ女に振り回されるギャグです

魔王軍最強触手幹部 左遷先の不毛の地で困窮する食糧事情を解決、なし崩しに出来たハーレムで本土に逆襲大作戦!!

双子が姉妹の令嬢として再度生まれて人生を入れ替えてやり直す話です

運命のゆりかご・生き別れの双子令嬢は猫に導かれ互いの人生をやり直す

改心したワガママ令嬢が人生をやり直す話です。

ワガママ令嬢は挫けない 〜傾国の悪妃として処刑されましたが、今度こそ誰もに愛されるよう努力します〜

ロボアニメネタ始めました。

子供の頃見ていた合体巨大ロボアニメの超絶不人気外道悪役に転生してしまったエンジニアの俺が生き延びる為に!?

ダンジョン配信でミミックが悪人を退治する話です。

社会のゴミ箱DQNイーター 元ラストダンジョン裏ボスつよつよピザ好きミミックが移動先のダンジョンでよわよわヒーロー仮面配信者と世直し配信!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ