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131 悪代官カンポの木

今日で書き始めて2ヶ月が経ちました!

これからも頑張ります。

 夜8時45分、私達の世代には特別な時間だ。

 昔、この時間は“水戸中納言漫遊記”で悪代官とその手下が暴れて最後に水戸のご老公に印籠を見せつけられる時間だった。

 他にも“必殺忍び人”や“三匹が走る”、“食いしん坊将軍”等の時代劇でも同じような時間。

 つまりは『悪人のお仕置き時間』だったのだ。


 この悪代官カンポとその手下もまさにそのパターンと言えるだろう。

 つまりは……これからはお仕置き開始の時間というわけだ。


「みんな! 手加減は無用だ、コイツら全員ぶっ飛ばす」


 私の掛け声にみんなが頷いてくれた、みんなこの外道の事が許せなかったようだ。

 そして一方的ともいえる戦闘が始まった。


「殺せ! 殺せ! ワシの村を踏み荒らすよそ者を全員ブチ殺せ」

「カンポ様、ヘクタール様に逆らうバカはお前らか!?」

「ヒャハハハ死ねぇぇぇ」


 悪い奴は声だけはデカい、しかしどいつも動きが緩慢で余裕で避けれた。

 100人近くいるがこの中でレベル2ケタの奴はほとんどいないだろう。

 こいつらはどいつもこいつも努力する事が嫌いですと言っているくらい低レベルだった。

 どうせ逆らえない村人を虐げるだけで武器防具だけ立派な物を揃えたのだろう。


「一人ずつ相手をするのは無駄だ、どうせならまとめてかかってこい!」


 私は兵士達を挑発し、挑発に乗った兵士は全員で私の四方八方から襲いかかって来た。

 しかし遺跡の剣(エクスキサーチ)を使った回転斬りを喰らい一瞬で10人以上が上半身と下半身がまっぶたつにされた。


「ついでに火葬もしてあげますわ! 覚悟あそばせ……ファイヤーウォール」


 少し魔力の回復したルームがファイヤーウォールで兵士だった物を一気に焼き尽くした。

 飛び散った火は周りの兵士にも燃え移り20名以上が消し炭になった。


「ヒエエエ、バケモンだー!」

「バ、バカモン! 逃げるやつがあるか、アイツらをブチ殺したものは村から巻き上げたワシのコレクションをくれてやる!」

「嫌だー、あんな奴らと戦うくらいならもう逃げてやるー!」


 兵士は何十人もが一目散に逃げだした、コイツらを逃がすと野盗としてまた被害者が出る、コイツらは一人も生かしてはおけない!


「兵士の足元の土地を深い池にチェンジ!!」


 兵士達が大きな池に落ちた、立派な鎧を身につけていたのが仇になったのか誰一人泳げず、30人以上が溺死した。


「ひええええ、お助けぇー」


 カンポが逃げようとして落馬した、そして恐怖に怯えたカンポは汚らしい小便を漏らして後ろに後ずさっていた。


「ユカ様、こちらはもう片付きました!」

「ユカさん、こっちもだ! シートとシーツも手伝ってくれたからな」


 ホーム、フロアさん、シートとシーツが戦ってくれたおかげで残りのカンポの兵士は全滅した。

 そして生き残ったのはカンポただ一人だった。


「さあ、残りはお前一人だ!」

「ひいいい……助けてー! 助けてください、靴でも何でも舐めます」


 カンポは弱い相手には当たり散らし、強いと思った相手には媚び諂う典型的な『事大主義』だった。


「謝るのはボク達じゃなくて村の人達じゃないのかな?」


 村人は全員がカンポを取り囲み、物凄い形相で睨みつけていた。

 みんながみんなカンポを殺したいという思いが言葉にしなくても伝わってきていた。


「ひいいいいい、嫌じゃ、嫌じゃ、贅沢出来ない、クズ相手に威張れないなんて嫌じゃー!」


 本音を出したカンポは反省する気もなかった。


「こうなったらこの村ごと滅びてしまえ!」


 カンポはそう言うと隠し持っていた植物の種を村に植えようとした。

 何か凶悪な食人植物の種を使って村を滅ぼそうというのだ。


「そうはさせないよぉ!」


 マイルさんが茨の鞭でカンポを縛り上げた。


「さあ、どうせならアンタもこの種を味わいなぁ」

「ぐがあああぐがぁあ! うごぉ!!」


 マイルさんはカンポの持っていた種を彼の口の中にねじ込んだ。

 その直後、カンポの身体に異変が起こった。

 カンポの身体を突き破り、一瞬で樹木が大きく覆い茂ったのだ。

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