127 驚異の食人植物
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これからも頑張ります。
食人植物、それは文字通り食虫植物が魔素で超巨大化した植物型モンスターである。
リットル村の水源を奪いつくしたのはこのお化けカズラだったわけだ。
おそらくカンポは村の代官に就任する前にこの場所にお化けカズラの種を植えたのだろう。
私は落盤事故、水源の枯渇の原因、麻薬の出所、全ての原因がこれだという事にたどり着いた。
「みんな! コイツをぶっ倒して村を救うぞ!」
「了解です!!」
「承知致しましたわ!」
「……ハイ!」
「植物はあーしに任せて」
「俺もやるぜ」
「「オンッ!!」」
みんな戦う準備は出来ているようだ。
私は遺跡の剣を構えた。
死人カズラは死体を養分に育つ植物だ、その亜流種がシカバネソウである。
その種子は劇的なまでの吸水率を誇り、実を砕いて出てきた液を乾燥させた物は麻薬として使われるのだ。
そしてこのお化けカズラはその死人カズラが魔素で超巨大化したものだ。
カンポの絶対的な圧政でも誰も逆らえないのはこのお化けカズラが水源地の水を全て吸い取ってしまっていたからだと言えよう。
「まずはザコを焼き払いますわ! ファイヤーウォール!!」
ルームの大魔法ファイヤーウォールで取り巻きの死人カズラとシカバネソウは一掃された。
「まあこんなものですわ!」
「ルーム! 後ろ! 後ろっ!!」
ルームは後ろの焼け残りの死人カズラが伸ばしてきた蔓に捕まってしまった!!
「キャアアー!」
ルームが逆さ吊りにされてしまった。
死人カズラはウツボカズラのような中に物を入れて溶かす袋が吊り下げられている。
お化けカズラはそのサイズが人間数人分を溶かせるほどなのだ。
ゆらゆらと揺れていたお化けカズラは不気味な唸り声のような音を立てている。
そしてその皺だらけの老人の顔のような袋を大きく広げて溶解液を吐き出してきた。
「危ないっ!」
私は素早く動いて攻撃を避けた、この液に触れたら人間なんてすぐに溶かされてしまう!
「ユカ様! お兄様!ー助けて……」
「ルーム! クッ、僕が今助ける!」
ホームが魂の救済者を構えた。助けを求めるルームの悲鳴を聞いた剣は白く光り輝いた。
魂の救済者は助けを呼ぶ声が多い程その力を発揮するのだ。
「レジデンス流剣技! 一閃斬!」
ホームの魂の救済者がルームを捕まえていた蔓を一刀で切り裂いた。
「種の銃乱射!」
マイルさんが死人カズラとシカバネソウをスキルで操り、その種子を小型のマシンガンのように大量にお化けカズラめがけて連射した。
大量の種子の弾丸を喰らったお化けカズラは袋の中の溶解液を細かく開いた穴からシャワーのように噴き出していた。
その溶解液を喰らった死人カズラやシカバネソウは嫌な臭いを撒き散らしながらガスを出して溶けて消滅した。
「ユカ! この臭いを嗅ぐんじゃないよぉ!! これは麻薬と同じ成分だからねっ!」
しかしこのままでは全員がこの臭いで動けなくなってしまう、それに私は少しこの臭いを嗅いでしまっていた!
頭が朦朧とする、少しのガスでこの状態異常だ、これ以上嗅ぐとマジでヤバい!!
「みんなのいる地面の高さを5メートル高くチェンジ!!」
私はどうにか全員がガスを嗅ぐ前に地面の高さをガスよりも高い場所にして免れた。
「ユカ……私に任せて」
「エ……リア?」
エリアは祈りを捧げて大気中の聖なるエネルギーを集めた。
「聖なる力よ、邪悪なる空気に侵された者達に浄化を! レザレクション!!」
エリアのレザレクションのおかげで私達は全員状態異常から回復できた。
「ありがとう、助かったよ」
「有難うございますわ」
このお化けカズラ、正攻法で戦っても奴のアクセサリーの骸骨の仲間入りするだけだ。
お化けカズラは蔓に大量の骸骨を絡ませ、その骸骨のついた蔓を伸ばして叩きつけてきた!
「こんな所で負けてたまるか! 絶対あの村を救うんだ!!」