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11 そうだ、仕事しよう(オーガー出現編)

 レベルアップした事で私はレベル4になった。

 この世界でいっぱしの冒険者といわれるようになるのは、レベル8以上だ。

 私の場合は通常ではありえないスピードでのレベルアップだ。


 何故なら強敵と戦えばそれだけレベルの差額で経験値を得る事ができる。


 レベルアップ痛で少しピリピリするが耐えれない痛さではない。


 本来ならレベル8の数人で倒すオークリーダーを倒した事で、レベルアップしたのだ。

 普通の人間なら、ゴブリンは毎日数匹倒して300匹でレベルが上がるくらいである。


 一度の戦闘でレベルが上がるという事は、相手とのレベル差がかなり離れていたと考えていいのだろう。

 ゴブリンがモンスターレベル4程度だとすると、先ほど倒したオークリーダーはレベル8冒険者数人で倒せるレベルなのでモンスターレベル12くらいってところだろう。


 これ以上強いモンスターの事なんて考えたくない。


 しかし、現実は非情である、否、クソゲーである。

 先ほど毒の沼で絶命したオークリーダーはその後、こんがりと焼けたローストポークになっていた。

 こんなもんとても食う気にはなれないが香ばしくて肉の焼けるいい匂いが漂っている。


 その匂いに釣られてトンでもない相手が現れてしまったのだ!! 


『GUOOOOOOォォォォォ!!!』


 地の底から震えるような森全体を揺るがす凄まじい雄たけびが聞こえる。

 私はこの近くにとてつもなく強いモンスターがいるのが、すぐに想像ついた。

 マンティコア、キマイラ、カトブレパス、グリフォン、オーガー、まさかドラゴンは出るまい……。


 茂みが揺れて奥の方から地響きを立てながら、数メートルにもなる巨体が姿を現した。

 嫌な予感が当たった、目の前に現れた敵は……巨大鬼(オーガー)だったのだ!


『GUUUUUlウウウゥウウ! URYYイイイイイィィ!!』


 奴の目の前にいる私はごちそうそのものだろう、このままでは美味しくいただかれてしまう!

 オーガーは目の前でこんがりと焼けたオークリーダーとゴブリンを見つけると、丸太のような太い腕でむんずと掴み、巨大な口を開けて捕食を始めた。


 まずは前菜代わりに毒沼に沈んだゴブリンを拾い上げ、頭からバリバリと嚙み砕いた。

 辺りに不快な骨を砕き肉をすりつぶすような音が聞こえる。


 バリゴリゴリガリムシャグシャ……


 オーガーは一体目のゴブリンを足まで残さず食らうと、おかわりとばかりにもう一匹のゴブリンも無造作に掴んで食べだした。

 先ほどと同じ不快な捕食音が聞こえる、私はあまりの恐怖に一歩も動けなかった。


 二匹のゴブリンを食べ終わったオーガーはメインディッシュとばかりにこんがりと焼けたオークリーダーの四肢を引きちぎり、バラバラに砕いた。


 オークリーダーの焼け残った強靭な毛皮は冒険者の剣が通じないほどの硬さのはずだ。

 しかしオーガーはそれをいとも簡単に力任せに引きちぎった。

 これがモンスターレベルの差なのだろう、こいつは間違いなくレベル20以上はある!


 私はすくんで動けない足を、どうにか動かそうとしていた。

 このままではオークリーダーの次は間違いなく私が食べられてしまう!

 えーい、動け足よ! なぜ動かん!?


 私は荒療治でショートソードを自分の足に突き立てた、とてつもない痛みが体を奔った。

 しかし、そのおかげでどうにかすくんでいた足は動くようになった。


 このクソゲーをどうやったらクリアできるか、私は自分の作ったゲームのユーザーによる非公式攻略サイトでの攻略法を思い出していた。

 あのユーザーたちはスタッフの作った正攻法プレイを、まるで無視したありえない戦い方(マゾプレイ)とかでクリアしていた。


 私にもそういう事は考えられるはずだ。

 私は自身の灰色の脳ミソをフル活用してみた。


 もう時間がない。


 どうにかしてオーガーから逃げる方法、倒す方法を考えないと!!

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