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114 シートとシーツとゾルマニウムクロー

 シートとシーツの足のサイズを測っていたターナさんはその後すぐに工房に向かった。


「双子ちゃん、ちょっと待ってね。良いもの作ってあげるからね」


 ターナさんの言っている良いものとは何なのだろうか。


 私の経験上”ドラゴンズ・スターⅤ”以降の仲間モンスターシステムでモンスターにも装備を与えることができるようになった。

 その中で出てきたのは牙、爪、刃、角といった武器だった。

 そういう点から考えるとターナさんが作ろうとしているのは牙か爪だろうとは思われる。

 だがこの双子はまだ赤ん坊だ。下手に矯正的な装備をつけてしまうと今後の成長に支障をきたす可能性も考えられる。


「ターナさん、何を作ってるんだろう」


 工房の方からは金属を叩く音、切る音、なんだかよくわからない機械が唸る音等がひっきりなしに聞こえてきた。


 そして一時間少しくらいでターナさんが金属製の筒状の物を二対持ってきた。


「できたよ、その子達の分だよ」


 この形を見る限り、牙や角ではなさそうだ。


「この子達まだ赤ん坊だろ。まだ牙が生える前に牙をつけるとその子達に良くないと思ってね」

「ではこれは?」

「まあ着けてからのお楽しみだよ。少しこの子達大人しくさせてくれるかい」

「わかりました」


 私達がなだめる事でシートとシーツは嫌がる事無くターナさんの装備を身に着けた。


「できた、これがその子達の為の武器、ゾルマニウムクローだよ」


 しかしこれはクローという割には手甲しかついていないようだ、前足はガードできているがこれのどこが爪なのだろうか?


「誰か、その子達に前足のかかとを強く踏むように伝えれるかい?」

「俺がやろう」


 フロアさんがシートとシーツに前足のかかとを強く踏むように促した。

 すると、手甲の一部がいきなり前脚の裏側の部分から前にカシャンと折り重なった。

 手甲の前部分には鋭い金属製の爪が一瞬で装着されたのだ。


「これは凄い! どうなってるんですか」

「そうだね、今度はもう一度かかとを強く踏みこんでくれるように伝えてもらえるかい」


 フロアさんが再度シートとシーツに強くかかとを踏むこむように伝えた。


 カシャン!


 先程の爪はまた前脚の後ろ側に倒れて収納された。


「どうだい、あたしの自信作だよ」

「これは……変形ギミックですね」

「おや、ユカ。そういうのわかるのかい」


 まあロボアニメや特撮を見ていた世代ならこういうギミックは玩具で昔からおなじみの物だ。

 まあそのシステムを作れと言われると3DCGでもスケルトン、ボーンを使って組むのはかなり大変ではあるが。


「これはね、双子の赤ちゃんの成長を妨げないでアンタたちの手助けをしたいって気持ちを形にしてあげたものなんだ」

「成長を妨げないとは?」

「牙とか角みたいな装備で使うのも考えれるけど、そういうのは動物の骨の成長状況を知らないと作れないのさ、赤ちゃんの骨はまだ柔らかくて脆いからね」


 流石である、これならあくまでも前脚の鉄製の靴か手甲のようなものなので成長の妨げにはならない。


「だからって爪出しっぱなしで甘えてこられてもアンタたちが大怪我するだろ。だから簡単にしまえる爪にしてあげたのさ」

「ターナさん、本当にありがとうございます!!」


「いやー。こっちこそ、あんな貴重な古代金属の塊を使わせてもらえたんだ。鍛冶屋冥利に尽きるよ!」


 ターナさんは実際嬉しそうだった。

 そして私達は私達でターナさんのおかげで全員が戦える状態になったのだ。

 だがその前に冒険者ギルドで最後の準備を終わらせなくては。


「みんな、一旦冒険者ギルドに戻るよ」

「「「「「了解」」」」」

「「ワンッ!」」



 私達は冒険者ギルドで私達がカギを受け取り長期間借り切った部屋に集まった。


「この床を伯爵の城の物置へのワープ床にチェンジ!」


 ワープ床は簡単に作ることはできない、なぜなら移動先の座標特定が無いと移動先の確保ができないからだ。

 私は伯爵の城の物置に置いたマジックアイテムのマップマーカーを頼りに現在地の座標固定をした。これでここの床から伯爵の城に向かえるのだ。


 今度こそ準備は出来た! ヘクタール領に行こう!!

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