113 五属性無効化のベルト
ターナさんは私達に色々と作ってくれた。
「ユカ。これはアンタの分だよ」
そう言うとターナさんは私にベルトを渡してくれた。
「これは?」
「各種レジスト宝石を埋め込んだアンタの為のベルトさ」
「これは凄い!!」
ターナさんが私に作ってくれたベルトはソークツの持っていたレジスト宝石のリングから取り外した赤、青、黄、緑、茶の宝石をバックルに埋め込んだ物だった。
「ベルトの部分は銀狼王の毛皮の端っこの部分を使ったよ。バックルはゾルマニウム製さ」
これは確実にSSかSSSクラスの装備である!
ソークツはレジストリングを何種類も全部の指にはめて魔法無効化していたが、これはそれを一つの装備でまとめている上、ベルトなので持ち運ぶ必要もなければそのまま装備しているだけで使えるのだ。
「ターナさん、ありがとうございます」
「ユカ、少しこっちに来てくれるかな」
ターナさんは私達を少し広めの大きな中庭に連れてきた。
「本来ここは大量発注用の荷物置き場さ、今のとこは使っていないので何にもないけどね」
「ターナさん、ここでボク達はどうすれば良いんですか?」
「そうだね……ルームさん、だったかな。アンタ、ユカに攻撃魔法かけてみて」
「え……? ユカ様にですか?」
「ああ、出来るだけキツイ奴頼むよ」
「し……承知致しましたわ。ファイヤー……ボール」
魔獣使いの杖で魔力を倍加させたファイヤーボールが私を包み込んだ。
しかし火傷どころか私は全くの無傷だった。
「うーん、これじゃまだまだ効果の確認できないね。もっと強いの無いの?」
「ええ!? でもそれではユカ様が……」
「ルーム、僕なら大丈夫だよ。やってみてくれ」
実際私の今のHPは25000以上ある。
いくらルームの最強魔法でも2000くらいがいい所だ、装備が無くても耐えられる。
「ユカ様……本当にいいんですね?」
「ああ、大丈夫だ。問題ないよ」
「では……ファイヤー・ウォール!!!」
ルームの大魔法ファイヤーウォールの壁が私に押し迫った。
しかし炎の壁は私に触れる前に消滅したのだ。
「!!……これは、凄いですわ!」
魔法を仕掛けたルーム自身が私の前で魔法効果が消滅した事をビックリしていた。
「ユカ様……怪我しても責任は取りませんわよ! 私の最強魔法……サンダァァァー・ブレーーーク!!」
ルームの最強魔法が私の上空から降り注いだ!
しかしやはり私には傷一つ与える事が出来なかったのだ。
「何故……ですの、私の渾身の最強魔法が全く効果ありませんわ」
ソークツ戦を思い出せばレジスト宝石の効果は絶大だとわかる。
あの時もソークツには一切の魔法が通用しなかったのだ。
「これで分かったかい、このレジストベルトは五属性全ての攻撃を無効化する」
「攻撃って事は、魔法だけではないのですか」
「そうだね。これはレジスト宝石の中でもトップクラスの物だから、魔法耐性というよりも属性耐性というべきだね」
これを装備している限りは私は一切の属性系攻撃が通用しないというわけだ。
「まあ世の中にはもっとすごい宝石が有って、それは無効化ではなく属性吸収っていう効果があるみたいだけど……あたしもそれは見た事ないな」
「コレだけ凄ければ十分ですよ! ありがとうございます」
さて、これで全員分の装備が揃った。
私 遺跡の剣 ゾルマニウムの鎧 銀狼王のマント(精神強化、攻撃強化) レジストベルト(五属性無効化)
エリア 防魔のローブ(全状態異常無効化)
ホーム 魂の救世主 ゾルマニウムの鎧
ルーム 魔獣使いの杖 ゾルマニウムサークレット(魔力集中効果)
フロア ゾルマニウムの鞭
マイル ゾルマニウム製のソロバン二対
これだけあればヘクタール領で戦闘になっても十分に戦える!
「クーン……」
「キャン……」
シートとシーツの二匹は私達の準備が出来るのを大人しく座って待っていた。
「あ、そうだ。この子達にも良い物あげるよ。一緒にいるのにのけ者はかわいそうだよね」
ターナさんはそう言うと二匹の前足のサイズを測りだした。