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24~

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  協力を惜しみなく申し出る各王であるが、地上戦に持ち込まれた場合の防御の要にもなるので、それまでは補給などに専念して欲しいと伝える。


だが、補給を有する物がないとも言える技術革命を既に起こしているので待機に値する。搭載されているパワーコアは半永久的継続航行が可能。ビーム砲などにも使われる凝縮エネルギーに弾の補給は必要ないのだ。

食料なども艦内で自給自足出来てしまうから、長期的戦闘に入っても問題はない。

敵が強くて砲撃による衝撃で駆動部に損傷が見られた場合のみ、補給や修理を必要とされるのである。


そんな敵軍の輩が迫り来るが、ホーク陣側は余裕がある。

強過ぎるのも問題であるが、敵を甘く見るのも問題である。


部下に任せている鷹士であるが、技術部門のアンバーに要求を突き付けていた。

それは、余りにもデカイ船体のことであった。

まるでどこかの国の州のデカい事は良い事?のように思えてしまう鷹士は、庶民的発想が原点にあり無駄を省こうと思っていたようだ。

「10分の1にしたって地球じゃデカい方なんだから、どうにかならん?せめて全長1000mまでに出来ないか?そりゃ、艦内で全て整って衣食住も問題ないのは凄く快適だけどさ」

と、文句混じりに放つと、今までは即決であったアンバーは言い返すが、一理あるとも思えたようで新たな船体を開発しますと譲歩した。


既存の船体を改造してという発想もあるが、いくら科学が発達していても新規よりも面倒のようだ。

新規の建造なら0から造れるが、既存のものでは不具合が生じかねないという思いであろう。

これは船体に限らず、小型の部類のものも同様で、建造物も含まれていた。

通信機器がこれでもかってくらい微小に作られているのに、戦闘に関するものなどは妙にデカイものが多いホーク星であった。


地球側に居るアインとマリーは平和に暮らしているようだが、困ったことと言えば拠点から出れない状況にあることであった。

地球の環境がホーク陣営にとっては悪するものに値していた。

このことは交渉の傍らでも話し合われていて、環境改善に耳を傾ける者は多いが、その方法に難を示す者も居る。

ホーク陣営からすれば1発の砲弾を放つくらいで環境改善である大気汚染度を直ぐ様和らげ綺麗にすることも可能。

だが、その汚染の原因とも言えるのが地上から放たれているのが問題なのである。

地球の産業をすぐに変えることは出来ないのだ。


そのはじめの一歩的な案が交通網の改善である。

電気が動力になっているのが多いが、未だに枯渇しそうな燃料形態を持つエンジン車両も残る時代。リニアもあれど、線路のように決められた区間のみの運行であり区間延長となると増設工事があるので自然環境にはまだ酷である。

よって反重力技術を利用すれば、どんな過酷な地面であろうと関係なく進め、自然は自然の状態を保てるのである。


ナノテクノロジーとバイオ技術をもってすれば、自然の回復も可能なので使わなくなった建造物を撤去後に回復させることも出来てしまう。

その建造物すらリサイクル可能なホーク陣営の技術を提供する準備もあった。


それらを可能にする前の大きなひとつの問題は地球全土の国が持っていた。

何かを提供して頂くと別の何かを与えなくてはならないという暗黙の了解的な事だ。

だが、その要求をせずに無償の提供をしていくホーク陣に変な疑いが生まれてしまうのも問題の1つであった。

大元である鷹士の要求は旨い食物と衣服を貰えればそれでいいという考えであるから、地球側の国々は別の侵略性を疑わざるを得ないでいた。


一方の銀河間でのほうでは威嚇目当てで姿を現した戦艦が押し迫っていた。

ステルスモードで待機していた大隊の指揮官は余裕で待ち構えているのである。迫り来る戦艦は全長でも500m前後なので、主力艦であるシルビアが乗船する艦でさえ全長800mであるが、数十隻は居る。


バリア機能も施しているので撃って来ても蚊が刺した程度と思っているのは大隊指揮官であった。

敵側の主力艦に動きはないが、別の艦隊が前に出て戦闘行為に入るようだ。

通常の動きとも取れているが、実際は先走った野郎の艦が思い込みで向かって来てるだけで、女王気取りのシルビアは微妙ながら後退していた。

「あ”~本当に聞かずに行きやがった、あの馬鹿。血の気が多いのも考えものだな。ん~~~、一応は逃げずにやったくらいは示しておかんとダメかぁ」

悩みまくるシルビアであるが、本当の女王は母星に居て、シルビア自身は第2王女という位置づけであった。


そのSSことシルビアが居た銀河内では負け知らずの快戦であったのが思い込みの発端。その勢いで宇宙に出て獣人族に合い、嗾けて別の生命体を探っていたのである。

ホーク側はまた獣人族が暴れているくらいにしか思っていなかったのが最初であり、その嗾けをしていたSS隊に気付かずにいたのも先の戦闘の原因でもある。


1発目というか、いきなりの一斉放射で始まった戦闘。

ステルスモード待機中の大隊に向けてではなく第2惑星を目掛けての放射であり、大隊指揮官は度肝を抜かれたかのように焦りを露わにした。

敵側も突然現れたかのようにして一斉放射をしていくが、まさか惑星全土にバリアが張られているとは知らずに爆発面を見て喜んでいた。

そこへ、ステルスモードの状態で砲撃を加えるのは大隊の艦隊。

惑星の地上からも砲撃が加えられ、敵軍の艦隊の何隻かは直撃を喰らい撃破されてしまう。


第3惑星側からも艦隊が助けに現れ、近付いて来た敵艦隊を次々に撃破していく。驚いた時には既に遅しで跡形もなく永眠に付くのは敵指揮官。

それで終わりと思えど、敵もさる事ながら別艦隊が砲撃を加えていく。

3方向に分かれての戦略だったようで、砲撃時の発射位置を特定しての反撃に、ホーク陣側は土手っ腹に砲撃を食らう形になってしまい、ステルスモードを解除して本格的に参戦していく。


敵陣の主力艦も見て見ぬ振りは出来ない状況になっていたようで参戦に加わる。

ただ、突進するだけではなく一応は考えているようだ。

惑星のバリア内からの砲撃があった為、その隙間を突くかのようにワザと砲撃時に近付きバリア内に侵入を許してしまうホーク陣。

敵もステルスモードを巧みに使いつつ、砲撃に近付く危険を侵しながらの侵入に成功してしまう。

威圧的な姿の戦艦にて内側からバリア発生器を破壊し、他の戦艦も地上を目指す。

大隊と第3惑星のほうから来た艦隊は、第2惑星を攻撃出来ないのでピンポイント砲撃に転ずるが、敵にもバリア機能が多少なりとも存在するようで大破まではいかない。


しかし、動力源の違いからなのか動きが遅い敵軍に容赦ない砲撃を浴びせていく。撃破された敵の艦隊が地上に落下し爆発も起こし、被害は増大してしまう。

敵を甘く見ていた指揮官の失態は隠しようがないほどの被害が発生。

地上からも砲撃が続き、宇宙空間でも戦闘は継続。

的がデカイ、ホーク陣側に対して全長500m前後の艦隊から出てきた戦闘機は更に小さいので当てるのは難しいが、広範囲ビーム砲である程度は撃破。

しかし、真上からでは地上にも影響が出て被害は拡大してしまうので、ホーク陣の艦隊も降下するしかない。


まるで胡麻を降らすかのように主力艦からも戦闘機が出て、地上に降り立つのも居る。地上戦も繰り広げられていく中で対抗するホーク陣はアンドロイド軍団と特殊部隊と通常戦闘部隊が織り交ざる。


主力艦からはバリア突破前に別の艦に指令を出していたようで、またもや獣人族の血気に溢れた輩が第3惑星に攻め入っていた。

第2で戦争状態、第3で獣人族の再襲来であったが、2度の過ちはないので残っていた戦闘艦で一掃していく。


無事なのはホーク星であるが、今回の状況報告は途中で止まらずに伝えられた。

報告を受けたソフィは真っ先に緊急出撃命令と警戒態勢のレベル上げを命じる。

街中にもサイレンが鳴り響き、地下に通じる巨大なドアも開け放たれ、住民優先で移動が開始される。

そのサイレンに気付いた鷹士は、食していた物を吹き出してしまっていた。

「ブフゥ~ッ!・・・なんだ?なんだ?いきなり何の音だ?何が起きたんだよ、ったくぅ」

駆け足で報告に来たのはソフィで、すぐ後ろからもマリアンヌが息使い荒く着いて来ていた。


まずはソフィから報告を受け、マリアンヌからは追加報告を受ける鷹士。

服に着いていたスパゲッティを取ったり、染みにならぬようメイドが拭いていたりだが落ち着いて聴いていく鷹士であったが途中から顔色が変わったのもソフィとマリアンヌは気付き、緊張感が全身に走る。

「なぁ~に?第2惑星の地上で被害増大だと?・・・住民に被害は?」

まず先に住民を心配する鷹士。


すぐに着替えて作戦司令室に向かう3人。

状況報告を順に行わせ、敵の戦力を思考する。

「おいっ!電磁砲積んでる艦は居ないのか?居るだろ?一斉放射して敵の動きを止めろ。撃てなくすりゃ被害は減る。落ちた艦は地上部隊に一掃させるんだ。こっちからはもう出たのか?あのS隊を出せ。通信は双方向で出来てるのか?敵の司令官は引っ捕えろ。ん?待て!電力関係ない武器も持ってそうだな。住民の安全確保最優先で敵には一切容赦するな、以上」

作戦室に皇帝である鷹士が現れた時に一瞬静かになったが、直々の命令が下された直後には一斉に動き出す。


溜め息を一回だけ着き、椅子に座る鷹士。

すぐ傍ではソフィが怒りの形相に近い表情で指示を出し、報告を受ける。

マリアンヌも走り回るようにして状況を逐一把握し集めていく。

そのマリアンヌを呼び止めて近くに寄らせる鷹士。

何か不都合があったのではと緊張感満載で体に震えを伴いながらのマリアンヌであったが、鷹士の口から出た言葉は「悪いんだけどショートケーキとコーヒー頼んでくれる?3つね」と、微笑みも交えていたので一瞬ズッコケそうになってしまった。


この時の状況は地球側に居るアインとマリーにも報告が入るが、何も出来ずに居る自分らを悔いるばかり。相変わらず交渉後の返答が遅いのも苛立ちになりそうである。


刻々と状況は変化していき、宇宙空間での戦闘は収束に近付き、第3惑星側では獣人族の平伏せが列をなしていた。自分らよりも明らかに強い者には逆らわない習性が行き届いているようだ。

第2惑星での地上戦に特殊部隊も導入され、アンドロイド軍団のおかげで多少撃たれても、平気な勢いに敵の方が逃げる始末に追いやられていた。

特殊部隊は空から落ちてきた戦艦内に突入し、敵を一掃していき、敵の指揮官らしきものを捕らえていく。


その特殊部隊も複数導入されていたので地上からの攻撃で敵戦闘機も撃墜数が増えていた。

住民は退去し地下に潜り、地上を一掃していくのは兵士のみ。

死傷者も出ている被害であったのが残念であり、その報いは敵に浴びせる。


司令室に居たシルビアも捕まるが、グダグダと何か言っていたようだ。容赦するなの命令を受けていたが生きて捉える為に、足に1発の銃撃を浴びせて大人しくさせた特殊部隊員。

近くいた別の者も何か文句を言いながら近付いて来たが一瞬で撃ち抜かれたのを見たシルビアは、予想通りの決して敵にしてはならない者を敵に回してしまったと後悔を続けていた。


その後、地上戦も収束を迎えるようになり、早期終了へ。

ホーク星から緊急出撃した艦隊が一斉放射したのが勝利に繋いだようで、敵の艦隊の残骸が散らばっているのではなく跡形もなく消滅している表現が望ましい。

別銀河への広範囲サーチも行われ、来たであろう方向に生命体が生息する星があるのも発見していく。

何故に今まで気付かなかったというかして来なかったのかは、獣人族が手前に居たからという単純なものであった。

それも含めてお叱りを受けていくホーク陣の指揮官達。

ソフィのドSっぷりが発揮されているが、マリアンヌに頼んだケーキとコーヒーを与えられたあとなので、怒りは抑制され落ち着き感はあるようだ。


被害にあった住民を偲んでの慰霊碑も建てるよう指示していく鷹士。

出撃した兵士に死者は出ておらず、アンドロイドの破損で収まっている。

艦隊側にも多少の傷が残るが大したことでなく修理も必要ない。

第2惑星の地上部隊では地上に設置してる砲撃台の大破が多数あり、敵軍の戦闘機や艦体の残骸などが散らばっていて、戦闘時の激しさを物語るようであった。

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