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22~

   22


 バトルのトーナメント中継を見ながらであるが、鷹士の脳内ではあらゆる戦略が駆け巡る。獣人族を嗾ける輩は、まだ姿は見えないので敵と断定は出来ないが、別銀河からの侵略も考えられるのである。


科学力を持っているのも確かであり、第3惑星への潜入も成功させているのは既に内通者が居るのかも知れない。

しかし、この度の防衛後に動きは見られないが油断も出来ない。

次の戦略を向こうも検討しているはずと思うのである。


かと言って、こちらから出向くのは考えものだ。

わざわざ自ら、仕掛けられているかも知れぬ罠に嵌りに行くことはない。

偵察は続行し、警戒は段階を上げて様子見の我慢比べとした鷹士。


一方の平和的解決を目論む地球派遣組のアインとマリーは、金融面での交渉に入ろうとしていた。

この時代に置いても電子的なマネーは様々な種類があり統一されたものはない。

どこで、どの買い物をしようと払うのは個人か会社名義などであるのだから統一された物があっても良いではないかと思うのはホーク側。

国同士の遣り取りでは直接の振込みや別の交換条件の下でもあるだろう。

艦隊に居れば必要なものは揃うが、地球に滞在するとなると地球のもののほうが良い面もある。


銀河が違えど、数字の表現も違えど、同じ数え方であるが価値観の違いは拭えない。

科学技術が発展した側からすると、地球での最新な科学製品であっても小銭程度の価値になってしまう。

逆にホーク陣にないものには相当な価値が付いてしまい、冬服1着が車1台分にも相当してしまうほどだが、作りやサイズなどのデータが取れれば即製造可能な面を除けばである。


よって、下手に科学技術を地球にもたらすと、地球全土で破綻に追い込まれる企業が数え切れぬほど出てしまう恐れがあった。

反重力技術は交通面に限定しているが、武器などにも使うパワーコアに関するものは核心に置いては秘密扱い。当然、地球上では手にすることも出来ない物だから教えても無駄ということになる。

反重力技術が持たされても推進力のパワーアップに多少は繋がるが、コアのエネルギー変換技術は触り程度で地球側の技術者は頭を悩ませている。


銀行システムに関しても、どうやってホーク側と連携を取るかが問題であった。同じ数値を入力した口座を開設出来たとして、統一された決済方法が無ければ不便であると主張するホーク側。

自由の名の下に現れ続けている電子マネーであるが、それは作る側であり使う側にも2種類いるのだ。どれを使おうと自由なのと、1個にしてくれと思う者も居るはず。

ならば、現状維持をしつつ世界で統一された物があっても、選ぶのは自由ではないかと交渉は進む。


地球側のそれぞれの価値観に合わせるということで、物の価値は統一されるようだ。

問題は個人が持つ金額の方であり、マリー中佐でさえ地球側にしたら億万長者達を従わせるほどになってしまうので、口座開設も難しい局面であった。

皇帝になった鷹士が施した給料体制の手当や特別報酬がズバ抜けているのが問題かも知れぬ。


銀河間の隔たりは、そう直ぐには緩和出来ぬようだ。

地球側に少々ガッカリさせたのは異星人の容姿であろうか。

ほぼ同一の容姿であるから、マリー中佐が学生並みに若く見られて軽く見くびられてしまう傾向がまだあった。実際、ホーク星でも若い部類に入るが、実績重視で年齢や見た目に拘らないのが良いところでもある。


鷹士自身も見た目では普通の人だが、戦いになると別人である。

人は見た目で判断してはならないのを実践しているとも言える。


価値観の違いを思い知ったのはホーク陣側ばかりではない。

地球に居る中村もそのひとりである。

ホーク星への観光になってしまった1件から、会社勤めをしつつも拠点に居るマリー中佐と国側との交渉の間に入ることもあった。

地球の事をマリーに伝え、ホーク星の事をマリーからも教えられ、国側に伝える役割を果たしている。

そういった情報は離れたアイン大佐にも伝えられ役立てられていた。


拠点設営地も多少増えてはいたが候補もまだ沢山ある。

某大国は未だに侵略者排除な傾向が見られる者も居るが、政府は技術奪取を目論むのが目に見えているような地を提供しようとしている。元エリア51と言われていた軍用基地などなら巨大船体も十分に収まる敷地が用意出来ると言っているようだ。

科学技術に特化した学校も建設予定であり、それは大学院の上位に値していた。それを軍用地に建設は検討の余地があり、交渉も続いていた。


だが、まだ中程度の船体しか訪れていないのを知らない地球側。

ホーク艦は全長だけでも5000mもあるのだから、太平洋上にでも降りれるようにしといたほうが良いであろう。

その船体を建造したホーク星は地球よりも遥かに大きいが、人口は地球よりも少ない。しかもコロニーもあるので、地上で暮らす者は広い土地を所有するのも多いのだ。その感覚が地球側との違いで隔たりにもなっているようである。


そして、ホーク星でのトーナメント内のバトルは大詰めに差し掛かり、地区代表が揃い始めていた。

鷹士が一押ししている女戦士も勝ち残り、手に汗握る死闘を期待している。

その中で、我が陣営の出場兵士は負けているのも居るのが期待外れにも値した。

シード権を有しての出場なのに負けた奴も居るが、相手の方が強かっただけとも言えるので責めはしないが残念なことである。


ホーク側の軍人内でのトーナメントも開催されているが、思った通りの勝ち組は存在する。民間側での勝ち組である地区代表が望みとあらば対戦も可能なトーナメントバトル。

さすがに特殊部隊所属の者は出場させていないが、地区代表にもなる者の戦闘力は同程度の者も居そうな逸材が存在していたが、個人戦なので集団行動が出来なければ要職には就けない。


一方の様子見してる方は動きもないので、大会は最後まで見れそうである。

その様子見されている別銀河からの侵略予定者は、予想外の展開に驚いていたのである。

「えっ?嘘っ?・・・あ、あんな凄まじい砲で撃ってくるの?しかも何あれ?地上のたった2人だったよね?で、あの強さって・・・ヤバイ相手を敵にしちゃった?ねぇ?・・・ねぇってば!どうすんのよぉ~」

と言っているのは女王を気取る海賊紛いの負け知らずで来たシルビア・シールド。通称SSは当銀河内では最強であり最高位に属する者であり、ドS度もソフィには負けて劣らずだが、それはその銀河内でのことである。


その銀河内での戦闘は負け知らずで思い上がっていたところに、別銀河に獣人族を見つけ、その他の星にも居る者の偵察として動かしていたようだ。

科学技術で強化された銃を持ち、脅しに近い真似で獣人族を従わせていた。

ふらりと宇宙に飛び出してしまった獣人族の不運とも言うべき案件であろう。


ホーク側の広範囲サーチにも引っ掛かっていたが、この時点で向かってくる気配はなかったので放置してしまっていたようだ。

SS側も察知されぬようにしていたので本体は探られずにいる。

だが、戦闘の様子を見るための電波をホーク側の調査団が見つけたのが、嗾けの線を辿る道になった。


最前線での戦闘を見て、大群で押し寄せる獣人族に逃げるだけであろうとニヤ着きながら見ていたが、たった2人の者に尽くやられていく様を目撃してしまうSS。別場所でも無人星をビーム砲で破壊されるのも見てしまったので唖然としていたのである。


それまでは戦艦での撃ち合いや対面での戦闘が主であり、レーザー砲はあれど威力の違いにも唖然としていた。

部下には逃げるか戦うかを問わされるが、当の本人は今までにない怯えようも露わになる。部下も同じようであるが、挑発行為を獣人族を介してしてしまったので、追い掛けられる恐怖にも繋がる。

勝ち続けていたことから逃げるという行為自体をしてこなかったのも仇になり、未だに動けずに居るのであった。


まさかの敗退で母星に戻るワケにもいかず隠れているしかない。

だが、そこへホーク陣側の偵察機が出現し、選りに選って襲撃し撃墜してしまうSS側の1隻の戦艦。

その報告を受けた主力艦に居るSSことシルビア女王。

「ん?・・何?・・・はぁ~あ?げっ、撃墜しただとぉ?どこの馬鹿だ?あの獣共のか確認したのか?違って、あのメチャ強い方のだったら・・・あ”~~~もぉーっ!・・・ヤバ過ぎるっ!・・・なんだ?」

次の報告が入り、次の物体が近付くレーダー反応を示していたようだ。


撃墜されたのは、まさしくホーク側の無人偵察機であった。

それを感知した別の無人機が撃墜場所の探索に向かったのである。

当然、調査に出ている艦にも報告として入り原因調査に入る。

「何?突然、反応が消えただと?故障か?・・・ん?熱源アリ?」

何も物体の反応はない場に熱源反応はあったというデータが存在していた。


その後の偵察機からの反応が突然消えた直後には爆発した傾向が見られるので、撃墜されたかもという予想は出ていたが敵がどこにいるかまでは不明であったのだが、この報告は緊急扱いで即刻本部に通達された。


SSこと、シルビア側にしたら偵察機もデカイ戦闘機に見えたようだ。

全長50mある無人偵察機はホーク側にしたら小型である。

SS主力艦は全長800mで砲身丸出し、機銃複数の如何にもな戦艦タイプ。

その容姿で威嚇もしてきたが、ホーク側の規模が違い過ぎたのをまだ知らぬ。

他の艦隊も500m級を揃えているが、威力はホーク側に敵うはずもない。


レーザー砲を備えているのが最新鋭であったが、まだ弾を撃つ機銃も備え、ミサイルには誘導も付いていても、ホーク側のビーム砲の前では大したこともない。しかもそのビームが曲がるし、どこに砲台があるかも解らない流面系米粒型の光学迷彩的ステルス仕様が備わる艦体相手に戦闘は無謀極まるのである。


本部に入った報告により、気持ちが高ぶる者も居るが沈着冷静な行動を求められる。一応、調査部隊は引き続き警戒を怠らずに続行している。

更なる部隊の投入には上位幹部の承認も必要になり、当然のことながら皇帝である鷹士の耳にも入る。


まだ動きというものもないので調査段階は逸脱していない。

よって、情報は大佐止まりで保留状態に。


数日後。

トーナメントの地区代表の接戦が行われ、鷹士が目を付けている女戦士が勝ち残っていく。どう見ても相手の方がデカく強そうだったのに勝負は一瞬で決まったのも気に入ったようだ。

体術だけでなく武器の使用も慣れている女戦士が、どうしてホーク陣営に入って居なかったのかは不明であるが、皇帝に気に入られているとは知らない女戦士。


6つの地区から代表が決まり、今はもう半分の3人になった。

この3人と戦うのはホーク陣営の者である。

さすがに地上部隊を任されているガーネル大佐は出場しないが、大尉までの者は出場権限を持たされていた。マリアンヌも少尉になっているが、ソフィの補佐官であるので出場はしていない。地上軍の方面隊の奴らが勝ち残ってきた者と対決する。


第一戦から白熱したバトルが展開され、危うく部隊の者が倒される場面もあったが持ち堪える。

「おぉ~っ、イイ展開だぁ。ヨシッ!そこだ!イケ!」

鷹士は中継を見ながら自ら動いて戦闘を表しているが、近くに居る猫3匹は冷めたような視線で見ていた。1匹はアクビまでしているが、本当の気持ちは解らない。


そして、調査隊からの報告が本部を通して大佐級まで情報が入っているが、ソフィの補佐官であるマリアンヌ少尉が作戦室で聞いてしまったので、ソフィにまで情報が入ってしまう。

「何?敵なのか?何故、もっと早く言わない?・・・大佐止まりにしてただと?じゃぁ、あのガーネルは知ってたのか?・・・ん?地上軍には伝えてない?アッハッハッハァ~・・・バッカモォーン!貴様ら、一体何をしたか解ってんのか?」

怒りの形相で作戦室に入り、詳細を聴いていたソフィは堪忍の緒が切れたようだった。


情報の統一が出来ていないどころか、その情報を途中で止めて勝手に模索するなど軍部にとっては以ての外。上位幹部が知らなかったで済ませられる戦争はないのである。

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