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13~

   13


 そのアイン中佐の方はというと、さすがに艦内にスンナリとはいかない。

同時に現れた人数も日本とは比べ物にならないほど警備が多いようだ。

この時代でもまだ特殊部隊がある国であるから離れた場に潜伏もしている。

艦内ではその潜伏者も見えていたので、アインは落ち着いて地上に降りる。

この時、アイン側も人数を揃えるが4人のみ。


笑顔で女王らしき者に挨拶をして、敵意はないことを伝える。

日本の交渉時を見ていたので理解したように挨拶に答える女王陛下。

更なる違いは、女王のほうから技術提供を求め、拠点になる場を提供するという。

話が早いと思ったアインも、それではと実物を提供していく。


少々、大き目な箱上のものを進呈するようにし、受け取るのは警護に着いていた者である。

「それは、そちらの言葉で言うとレーザービームのライフルです。本体が認識した者にしか操作出来ません。認識するのは生体情報です。登録完了すると点灯部がグリーンになります。性能は・・・広いとこでお試し下さい。横にある目盛りはレベル強度です。最強にすると、まぁそうですねぇ~・・・ん~っと、あっ。あの飛行機?くらいは吹っ飛びますのでお気を付けください。それと、認識外の者が触れても只の塊ですから」

と、説明をしていくアインは穏やかさを貫いていた。


受け取りはしたが非常に強力な武器であることを確認した女王側は、決して敵に回してはいけない者達と認識したようだ。そして潜伏してる者が全てバレていることも解らせるように、その者たちへ手を振るアインであった。

「あ~どうもぉ~。あ、こっちにも、どうもぉ~。はい、そちらも、どうもご苦労様ぁ~」

そして提供する場所や物資の搬入などの詳細は、どのようにして連絡すれば良いかを問うので、その場で答えていくアイン。

「提供してくださる場所さえ解かれば、あとはこちらで全てしますので大丈夫です。但し、驚かれるような搬入方法と思いますが、そういうものとして認識してください」


こうして2つの国との交渉で拠点を設ける予定が出来た。

技術提供を求められはしたが、全てを見せるわけではない。

まずはその国が良くなる設備に取り掛かるのである。

それだけで、あとは頑張ってくれたまえ的な発想でいるホーク側である。


特許申請だのなんだのの面倒なこともまだ残ってる地球側。

国同士の争いがそこで勃発するか、友好的に協力するかは様子見のお楽しみである。


もうひとつクリア出来るかどうかの問題もあった。

戦隊が引き返したように見えて2つの国にのみになった時、減ったのをいい事に攻撃を始めるアホもまだ居るであろう。但し、そうなるとその国に対しての攻撃にもなるので、下手な動きは出来まいと踏んでいる。


どちらも上手く運びそうであり、建設中のコロニーの完成も上手くいきそうである。

先に拠点への資材搬入を済ます為に、艦に積み込みを急がせていく。

コロニーは移住者用にも使えるように、改造していくのであった。


友好関係が全地球規模で整えば重力反転技術くらいは提供しても良いと考えている鷹士。

そうすれば地球の交通網は見違えるであろう。

通信技術も提供しても良いが、無駄に性能が良くても宝の持ち腐れになってしまう。

かと言ってサーチ機能を与えても反撃が出来ず逃げる場もないので怯えるしかなくなる。

よって、与えても緊急警報としての通信で、こちらに伝われば即座に現れお守りしましょうということに。


そしてマリー少佐とアイン中佐の艦が本部に戻り、皇帝から昇進と勲章が授けられていく。

喜びのあまり泣いてしまうのは昇進したマリー中佐。

笑顔で敬礼したまま固まっていたのはアイン大佐であった。

同じく笑顔で賞賛を与えに来たガーネル大佐は絞め殺しそうな勢いで、2人を抱き締めていた。


更に同じ表彰式に居たのはマリアンヌで、軍曹から曹長を飛び越えて少尉に昇格した。

皇帝のお気に入りとも言えるが、昼夜問わずよく動き気も利かせられる働きが良い結果となり、戦艦にも皇帝と共に乗艦していた経歴があったからである。こうなると小隊を預けられるようにもなるので責任は増す。他の部下達の操舵士や無人機の操作をしたものにも昇進を与えていた。


鷹士は勿体ぶらずに与えるようである。

司令官であり将軍の任も兼ねるソフィにも新しい高性能狙撃用ライフルと白い手袋をプレゼントした。このライフルはソフィの好みが入ったもので技術主任に隠れて作らせていたもののようだ。

そして、意表を突かれたドSな司令官は口をへの字にし目を潤ませながら敬礼をして、喜びを噛み締めていたのである。


皆の士気が上がるのを見届けた鷹士は、無礼講を示してこの日を祝日とした。

その後の本当に広い広場でのビュッフェでは無礼講が満喫されていた。

まさかのドS司令官に一気飲みやパイ投げをしても怒られない日であるのだ。

ゴツイ、ガーネル大佐も頭から飲み物を掛けられて笑っていた。

ノリに乗ったマリアンヌとマリーによるセクシーダンスも披露され、男の兵士からは卑猥な言葉も炸裂していた。

参謀長官でもあるオリガー中将は、顔は笑っているがこういうのは苦手なようだ。

しかし、技術主任のアンバーに連れられて徐々に壊れていくのである。


他の地区にも友好関係になりそうな星が増えたことで、この日を祝日とし無礼講にすると知らされ、ホーク星は丸ごと宴会気分になっていった。

それが派生して他の第2星、第3星にも届き、銀河内は大騒ぎになった。

ジャーマン大将も浮かれ気分で女性将校の尻を触って叩かれる始末であるが無礼講である。

第2星のガーネット王や第3星のバークレイも祝いを伝えてくる。

皇帝である鷹士にも例外なく無礼講はやってくる。

顔には白いクリームが満遍なく付いたまま笑っていた。


この大騒ぎを嫌うものも居たが、それは捕まっている悪党である。

その他では獣人がチャンスを狙ってはいるが、強固な防衛ラインがあるので近付き辛いようだ。


この日も地球には戻らず留まった鷹士。

メイドや執事にも休みを与え、ひとりで顔に付いたクリームを落とす。

ソフィが意外と歌が上手いことにも気付き、違う一面も見れたことにも喜ぶのであった。


その頃、地球側では真剣に異星人のことを検討していた。

日本国では、どう見ても若い女のマリーのことを見くびる気配もあるが、あの美脚と胸元に目を奪われていた閣僚も居たようだ。自毛で青髪というのが、異星人らしいがアニメに出て居そうで現実でもあることに戸惑いもある。

提供された無人機は覆いを施され別の場所に移動され精査されていくが、溶接部や結合部も見当たらず工具類の使い道にすら困っている。


英国では女王が、献上された武器の性能を確かめるべく、特殊部隊に任せて見ていた。

登録した大佐が放つと、言われた通りの物凄い破壊力を持っており廃墟の建物が吹き飛んでしまった。しかも銃弾を装填するような箇所もなく、反動もなく無限に発射できるのかと疑問を抱いていた。


どちらも提供はされたが、技術レベルに違いがあり過ぎて困るばかりであった。

あとは拠点が完成して、向こうの技術者に頼るしかないと思ったようだ。


口元の片方だけ笑い、悪魔的微笑みを浮かべているのは鷹士である。

そこまでお人好しじゃないと言いたげでもあるが、地球にいた頃のストレス発散も盛り込んでいるかのようだ。

実際の鷹士はもう寝床に着いてイビキを掻いていたのである。


翌朝、ホーク星では医薬品が飛ぶように売れたようだ。

アルコールではないが似た飲み物の飲み過ぎが多いようで薬品に頼ったのであろう。

効果抜群の即効性であるので、飲用後30分ほどでスッキリする。


記憶は残っているのも多いから職務や任務には問題ない。

問題は後片付けが大変であるが、それはアンドロイドがしてくれている。

しかし、上限なしの無礼講だったので凄まじい場所にまでパイは投げられていた。

起きて気付いたのは少尉になったマリアンヌだ。

「うわっ!なんでこんなとこに・・・って、あ”~そうだったぁ」

まさに股間上にパイが乗っている状態であったのだ。

立ち上がったら、ポトッと音がしたので振り向くと尻側にも同じように張り付いていたのだ。

付いたまんま寝てしまったようで、寝床の掃除も増えてしまっていた。


自分に嫌悪感を抱きながら洗面所で顔を洗い、朝風呂にも入り体を清める。

新しくなった軍服を来て、気持ちを入れ替え皇帝の部屋に向かうマリアンヌ少尉である。


部屋に到着する前に現在の情報を把握もしていき、聞かれて解らないといった返事をしたくない気持ちがあるようだ。見た目はまだ子供が入っているが勉強家でもあり、戦闘訓練も真面目にこなし、医療行為も疎かにしない。

だが、今は皇帝に朝の挨拶をしに行かなければと急ぐ。


部屋に到着すると既に執事が新しいタオルを持ち、メイドが朝食の用意をしていた。

いつもの光景と言えばそうであるが、そこに現れたのはソフィであった。

お互いに挨拶をしつつ、昨晩の無礼講を恥ずかしがるマリアンヌと、誤魔化そうとして咳払いをするソフィは見なかったことにして忘れてほしいようであった。

執事がひとり、メイドが3人、それにマリアンヌ少尉とソフィ司令官が加わり6人で皇帝室に入る。


入って早々、片膝を着き礼儀と挨拶をしていく6人に対し、上半身裸でパンツ一丁の姿で腰に手を当てて外を眺めながら大きくアクビをしていた鷹士。

「んぁ~あ~はぅ~・・・ん?あ~おはよう」と、毎度のことのように慣れた素振り。

執事やメイドはいつもの事のように皇帝の着替えや洗面を手伝う。

一瞬、目を疑ったのはソフィとマリアンヌであったが、マリアンヌは目をこれでもかと大きく開けていた。

軍服や他の衣装を着ている時は普通に見えていたが、結構鍛えられた所謂、細マッチョに近い体を持つ鷹士に見蕩れてしまったようだ。


両腕を広げて左右に伸ばした状態で体も拭かれ、着替えもされていく鷹士にソフィから報告が述べられていく。

返事をしながら指示も出していく鷹士が「あ、少尉。・・・少尉?」と言っているのにマリアンヌは不思議そうな顔をしていたが隣のソフィ司令官に背中を叩かれ即座に「あっ!はいっ!」と、自分が少尉になったことをやっと実感したようだ。

「少尉、君にはそこに居るソフィの補佐官にもなってもらうから。ソフィひとりでは賄いきれない部分もあるだろうし。で、イイよね?ソフィ」

「はっ!了解致しました」とハッキリと答えるソフィにも改めて挨拶をしていくマリアンヌ少尉であった。

鷹士にとっては世話係が2人になったようなものだが、ここに居る時は執事もメイドもいるので問題は皆無なのだ。


地球側の動きであるが相変わらずのようで、最小限に抑えた艦体2隻のみで待機している地球上空。離れた場に他の艦隊が待機し、更に離れた場にも通信経由艦としての役割を持った艦隊もいる。そこからホーク星領域までワープを形成している。

ホーク銀河内でも他の惑星までのワープゲートも現存するが、それを地球に繋げられないかと技術主任とも話し合っていたが、まだどこにゲートを設置するかが曖昧なのである。


さすがに鷹士の自室では狭すぎるし、会社なんぞでも狭いし問題外であった。

そこで拠点が必要枠になっていたのである。


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