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 地球への次の策略、進行方法、対話、交渉、そして何を得るのか。

作戦会議という堅苦しく内密的なイメージがあるが、鷹士が皇帝になってからは和やかささえある。

それまではイメージ通りの密室で長方形のテーブルを囲んで、地上軍、空軍、宇宙圏の担当武官と参謀、技術部、それらを束なる総司令官が居て、1段上に位置する席に統一指揮官である将軍として鷹士がいた。


無駄が多いが他の者も意見も必要だったので維持はしたが、各軍から2名以上の出席では意見や討論は長引くばかりで、地球の方となんら変わらない状況で結論は彼方に遠のいてしまう。

皇帝となる直前には、無駄を省こうと時間の節約にもなるので人事一掃を行った。


そして、各軍は2名居ても同じ意見が多いので代表のみにし、空軍を廃止し宇宙統合艦隊に。

地上軍も本部大隊と方面隊の2つに分けただけで、あとは中身の問題にした。

ホーク艦隊は最高峰の位置になり、武器や装備、艦の性能も桁違いであるので最後の砦的存在。

ホーク星の地上は大きく見て6つの大陸になり、各方面隊の司令官は1つの大陸を監視しなくてはならない。その6人の長に値するのがガーネル大佐である。


本部大隊はあのエロジジイことジャーマン大将が纏めているが、引退も視野に入れて欲しいところであった。

その下の中将や少将も居たが撤廃し、地上軍から宇宙統合艦隊に異動させ、他惑星の保護目的で新たな艦隊の総合トップに任命していた。

中佐、少佐は各方面隊にも居るが、本部には分遣隊のアイン中佐とマリー少佐が所属している。

あとは地上軍や宇宙艦隊に配属されているのが大尉以下なのだが、皇帝室の世話係に軍曹のマリアンヌが抜擢されている。医療技術も身に付けていて戦闘も出来るので重宝されているようだ。


更に、このホーク軍の中には特殊部隊も存在していた。

部隊といっても数人である。通称、ラ行。

ラージ大尉を筆頭とし、李、ルゥ、レイ、ロウの5人。

長距離射撃のラージ、体術の李、刀剣のルゥ、武器調達屋も兼ねた2丁銃のレイ、大型火器も思いのままで科学機器にも詳しいロウ。

全員が抜群の能力を持つのは餡蜜・・いや、隠密行動である。

一応、情報部に所属であるが本部ホーク軍の扱いでソフィの命令で動く。


今現在の会議室には丸テーブルが置かれ全て同位置で会話が進む。

ランチョンマットがひとつ敷かれているのが鷹士の席。

こんな重要な席であるが鷹士のすぐ斜め後ろにはマリアンヌ軍曹が立っている。

コーヒーやオヤツも持ってきてくれる有難い者であるが、癒しにもなるようだ。

白熱した議論中でも、穏やかさを保ってくれる存在は貴重である。


この時はソフィも率直な意見を言うし、逆に言われることもある。

オリガーも普段は大人しく見てる派だが、ここでは違う。

ガーネル大佐は表裏がないようでいつも通りだが、たまに吠える。

アインは中立的な立場を取っているが、たまにズバリと的中意見を言う。


宇宙艦隊側と地上軍で意見も別れるが、占領はしないと鷹士の一言で白熱の場は収まる。

地上軍の代表でもあるガーネル大佐は大部隊で一気に攻め込んで首都を落としたいようであるが、誰がそこまで運ぶんだという宇宙艦隊側。その艦隊は上空から攻め入るのも可能ではと言うが、大艦隊をまた地球上に配置するのも大ゴトであり、それこそが占領になり得てしまうのだ。


この頃、地球側はあらゆる電波を傍受し、相手側の真意を探ろうと必死になっていた。

多少、科学が発展していても人間自体が発達していないお偉いさんが居る限り変わらない。

それを解った上で新人研修最終関門と銘打って待機させている鷹士。


そういえば時間的にどのくらい経ったのだろうと思ったら、地球がある同じ太陽系の銀河ではないことに今更気付く。無断欠勤扱いになってやしないかと思ったが、時すでに遅しである。

地球へ仕掛けた張本人であり、今は自分のことよりも最優先事項に取り掛かっているのだ。

「ヨシ・・・じゃぁ、まずは君たちが知らないあの星のことを話しておこう」


暫くの間、皆が真剣に皇帝である鷹士の話しを聴いていく。

当然のように疑問も生じるが、それが住む世界が違うということだ。

文化も違えば考え方も変わる。思考が違えば結果も違う。

「で、簡単に言っちゃえば、ここの統一前と同じってことで、同じ民族同士で戦争してるとこもまだあるんだよ。解った?あのままじゃ自然消滅も有り得る。だから攻撃ではなく救済と考えてほしいんだ」


まだ納得しきれない面もあるが、自分らの過去を思い出すと統一されていなければ戦闘状態が続き、互いに自滅するまでしていたであろう。運良く、強烈な強さを持つ鷹士に着いて来たので現在のような安泰的な平和が続いているとも言える。良くない指導者に着いていたら暗黒の世界に堕ちていたかも知れない。


協議段階ではあるが、1つの提案が皇帝から出された。

「何も知らずに降り立ったらどうなるかを試してみようじゃないか。アンドロイドを送って地球側の人の攻撃性を見れるぞ。単に気に入らないだけで喧嘩吹っ掛けるわ、自己中心的で人の物は取るわの動物的な輩がワンサカいるからな。そういうのが多いのがスラムっていうんだ。こっちでもまだ居るだろ?その点、今回選んだ日本ってとこは治安は良い方だ。どうだ?試しでやってみないか?データが取れるぞ」


この提案に真っ先に乗ったのはオリガー参謀長官であった。

データが取れるというのが頭上に電球が現れ、光るかのようにピカッと来たようだ。

まずは敵を知れと言った解釈にも取れたガーネル大佐も賛成の意を挙げた。

ソフィは最初から皇帝の意思に沿うようにしていたようだ。

アイン中佐は『アンドロ運ぶのは僕かな』と思っていただけで賛成に1票。

マリー少佐も出席していて皇帝の提案に頷きが止まらずにいた。

「ん。じゃぁ、アンドロイドの性格も色々にして送る手筈を整えてほしい。で、マリー少佐?」

急に皇帝から声が掛かり「はっ、はいっ!」と返事をし飛び跳ねるようにして直立した。


皇帝である鷹士がマリー少佐に再度の遠征を申し付けていく。

「君にはまた地球に向かって欲しいんだ。交渉の場に立って、こちらからは特に要求しないとね。この特にってのが大事なんだ。何も要求しないのとは違う。しかし、向こうも引き下がることはないだろう。もしかすると銃を持った連中に囲まれて拘束されて監禁で体とかを検査されてしまうかもしれない。そうはさせたくないから、艦で向かっても降りるんじゃなく、向こうを招き入れるようにしなさい」

マリー少佐は自分を大事に思ってくださっていると確信し、真剣な目で了解をする。


思った通りだったのはアイン中佐で、アンドロイド達を運ぶ任務を与えられた。

指示された各国の指定地域にライティング投下であった。

光のエレベーターのようなものである。


データを取りながら日本で交渉を始め、向こうの代表が招き入れられれば、例えそれが本物でない代表であっても見た目は交渉になり、無事に返せば問題はないし、こちらの少ない要望にも答えざるを得ない状況に持っていけると踏んでいるようだ。

巨大な船体が上空にいるのに代表が乗り込んで攻撃は出来ない。

メディアの目もあるので迎え入れようとしてるのに無視も出来ないであろう。

譲歩という札を出しながら有利に持っていくのである。


更にもうひとつの提案が示された。

あちらの太陽系には地球以外はまだ手付かずで所有権すらない。

よって、土星か木星に拠点を築けないかという案であった。

交渉を始める前に着手しても、問題は起きないようにステルスモードで星を調べておくようにオリガーに伝え、技術部との連携もして早急に計画を立てることになった。

ガス惑星であろうが、温度差が激しい星であっても、優れた科学技術を持つホーク星の技術者なら人が住めるようにしてしまうであろう。


そうなれば、地球の人間の移住計画も進み、技術を結果で提供し恩を売ることに。

その後はあの商売上手なバークレイ王に情報だけ売ってみるのもひとつの手と考えた。


そして交渉の場として選んだのは日本の空港であった。

マリー少佐の艦なら全長1500m。日本の空港でも収まるであろう。

垂直離陸なんて普通にお手の物なので離着陸に何の問題もない。

問題になるのは日本側だ。一切の離発着が出来なくなるので他の空港に分けるしかない。


これを直接ではなく地球の電波に乗せて全世界に発信させた。

これで日本は責任重大になったのだ。

某大国ならすぐに用意出来る空いた土地があるが、必ず駐屯してる軍が周りを固めるであろう。

その点、日本では周りが住宅地でもあるから下手に自衛隊も動かせず住民避難も容易ではない。

何しろ想定外の相手であるから防衛省も頭を抱えていた。


そしてマリー少佐は剣術マスターの偉業の持ち主でもある。

腰にはいつも小刀を付けているが、正面から見る分には解らない。

それすらも隠すようマントを羽織らせることにし、如何にもな雰囲気を醸し出す作戦。

マリー少佐が最高指揮権を持つ者に見せるほうが、ただ単に面白そうというアイデアだ。

これは地球側の凝り固まった常識を逆手に取る鷹士のアイデアでもある。


ジョーク交じりの合成音声での放送があったので、人型であっても目が大きく体はツルツルで頭が妙にデカイ宇宙人を想像しているかも知れない。

まさか、交渉に立つ者が青髪の可愛い感じのマリー少佐とは思うまい。


会議は終了し、ドアを抜けて行くが地球でなら資料などを持ってまだ考えていたりし、部署などに戻ってもまたそこで遣り繰りが始まる会社もあるだろう。例えそれが軍隊であっても、まず自分の部屋なりに戻り部下を呼び、そこから命令が下され、更にその命令を受けた者が別の関係するものへと伝える。実際に動くまでどれだけの時間を要するのか。


だが、このホーク陣営は何事も早い。

ドアを抜けた瞬間から関係各位に情報を伝え動き出すのでものの数秒で伝達は終わる。

ホークが短気なのであまり待たせると大目玉を食いそうというのもあるかも知れんが、この早さが当たり前になっているので誰も不思議と思わない。例え、作業中であって現場指揮官は臨機応変に対応しなければならない。ひとつの遅れが他の重大な遅れにも繋がるのである。


ついに、太陽系惑星への進行と地球との対話にホーク陣営の計画が始まるのである。

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