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あたまがからっぽ  作者: 月夜薊
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絡まる赤い糸

 絡みついた糸は、知らぬ間に私を完全に縛り上げていた。動こうとするたびぎちりと体に食い込む感触がする。他者には見えない。私だって掴めない。でも、なんとなくわかる。

 この糸は赤い。いわゆる、運命のなんちゃらってやつ。もっともっと軽率に表現していいなら、少なくとも私に恋愛感情があるってこと。

 だけれどこの糸は私をがんじがらめにしている。苦しくて、つらくて......。両想いになれていない私にとって、負担でしかない。近くて遠い君を眺めることしかできないのだから。

 いっそのこと切ってしまおう。こんなものいらないよね。そう思い立ったこともあった。でも決意したはずなのに、心の中の手は拒否するかのように震える。

 糸切り鋏の刃を交錯させるだけ。縛られてない過去に戻るだけ。私は自由になる。頭ではそう納得しているのに、どうしても踏ん切りがつかない。

 きっと糸の先にいる君を諦めてしまうのが嫌なんだろうな。運命っていう言葉の呪縛すら、私はまだ断ち切れずにいる。

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