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あたまがからっぽ  作者: 月夜薊
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秋の雨

 帰路の途中、ぽつりぽつりと雨が降り出してきた。冬の寒さが忍び寄り、夏の暑さがまだ影を残すこの秋という季節は、温度も天気も安定しない。

 寝起きから憂鬱だった私は、不注意でついうっかり傘の準備を忘れてしまった。

 全てが停滞してしまったようなどんよりとした雲が、何故だか私を気遣ってくれるような気がして、体を濡らすなんて事しないと思い込んだ......とわざとらしく言い訳をする。

 洋服に染みが増えていく。じんわりと冷えが体を包んでいく。だけれど、走ろうだとか急ごうだとか、そういう気にはなれなかった。

 濡れて困るものはないのだ。それなら、身を任せるのも悪くない。

 急ぎ足で雨をはらう人を見ながら、私はゆったりと歩く。こういう日も、たまには悪くないだろう。

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