6.ステータス
今回も割りと説明回です。
途中、会話文のみです。
7月1日、ご指摘いただいた誤字を訂正しました!
大森林を初めて出て、次の日、目が覚めたのは真っ昼間だった。
当然、昨日は初めて家を出て、お昼から深夜12時まで約半日歩き通しで疲れていたからだろう。
隣を見れば、昨日俺に会う前から1日大森林を駆け巡っていたんだろうレインはまだ寝ていて、当然俺よりも疲労が溜まっているだろうから、起こさないように俺はベッドから降りる。
宿の関係上、一つしかないベッドを二人で使っていて、このままではあまり疲労回復にもならないだろうし、そっとベッドから離れて、シンプルな宿の部屋に置いてある一セットの机と椅子に座る。
レインが起きるまで、当然ステータスの話は聞けないので、魔法に名前を付ける作業に没頭する。
今まで使ったことのある魔法からこれから使ってみたい魔法まで、自分で考えた魔法にひたすら詠唱文と魔法を考えていく。
メモを取る必要があるかとも思ったが、どうやら必要ないようで、詠唱文と名前を考えただけで、新しい魔法として完全に昇華されたのか、その魔法を使おうと思うと、自然に名前や詠唱文が頭に浮かんでくるようになる。
この世界では、おそらくそういうシステムなのだろう。
まだ、使ったことのない魔法はさすがに新しい魔法としての昇華はされなかったが、これはベースとして名前や詠唱文を考えておいて、使う時にでも実際に唱えて完成させればいいかと、楽しくなってどんどん考えていく。
夢中になって考えていて、随分と時間が経っていたのか、起きてきたレインに声をかけられて時計を見れば、俺が起きてから4時間半も経っていた。
「あー、はよ、ハークス。」
「…おはようございます、レイン。
と、言ってももう夕方ですけどね。」
あくびして挨拶するレインに、返事を返す。
レインに案内されて、宿の食堂で朝兼昼兼夜ご飯を食べながら、昨日の話の続きを聞くとになった。
「ステータスについて、だったよな。
ステータスってのはまぁ、その人の能力を数値化したものだってのはわかるよな?
なら、見てもらうのが早いと思うから、俺の真似してみろ。」
暖かいシチューのような煮込み料理を食べながら、そういったレインに頷けば、レインは人差し指を空中で十字を切るように動かす。
なにか、変わったようには見えないが、レインの目はなにかが見えているかのように空中を滑る。
「まぁ、こんだけだ。
横、縦の順番で指を動かすだけだな。
ステータスを消す時はステータス画面を手で払えばいい。」
パッと手を空中で払いながら、そういい、ご飯を食べるのを再開したレインの真似をして、俺も空中に人差し指で十字を切る。
音もなく、出現したそれは、白い四角い紙のようなもので、黒い字で文字と数字が刻まれている。
これが、ステータス画面かと、感動してみていく。
ーハークス・ストラトフルー
Lv.2
職業:なし
クラス:天候魔術師・魔道先駆者
称号:なし
加護:神樹イグラルの祝福
属性:天
適性:なし
天職:拳闘士
種族:獣人
ステータス:
体力 75
魔力 88
生命力 320
能力 740
知力 780
ユニークステータス:
幸運値 99999over
保有スキル
ー能力スキルー
・天候魔術(Lv1)
・真・魔法魔術(Lv3)
ーオートスキルー
・初心者の幸運
・生来の幸運
・偶然の幸運
・魔道先駆者
なんか、どうも思っていたのと違う。
いや、ステータス画面自体は想像通りだが、自分のステータスは想像とは随分違う。
職業なしは、わかる。が、適性なしは結構ショックだし、レインの言葉からてっきり魔法適性とやらがあるとばかり思っていた。
しかも、クラスが天候魔術師、魔道先駆者なのは俺が天候魔法を作ったというのが関係しているんだろうとわかるが、天職は拳闘士ときた。
他のステータス値は比べる対象がないから高いか低いからわからないが、ユニークステータスが異常なのは理解できる。
しかも、スキルの、幸運関連の3つも、理解はできるがそんなスキルを持ってるなんて初めて知った。
いや、これに関しては引きこもりだったせいで知る機会がなかった、ということなのだろうが。
とにかく、気になったことを全部質問することにした。
「体力、魔力、生命力はそのまんまですよね?
なら、能力、知力は何を表しているんですか?」
「能力は体術系の、知力は魔法系の技術力だ。
ちなみに、一般人の平均は上から170、130、250、470、180。
ステータス最大値は99999だ。」
「なるほど、でしたら、上から75、88、320、740、780の俺は体力、魔力は一般人より少ない、というわけですね。」
「知力が780?
それは本当か?
一般的な魔法使いの知力は1500ー2800だぞ?
あれだけ大規模な魔法を作って、使っておいて780なんてあり得るのか?
よっぽど魔法適性が高い、ということか。
だとすれば、しっかり魔法を学ぶなり、これから訓練するなりすれば、相当すごい魔導師になれるかもしれないな。」
「いや、俺、適性なしになってるんで、魔法適性ないですよ。」
「適性なし?
魔法適性なしで、あれをやったのか?
お前、何者だよ、」
「と、言われましても。
あー、それじゃ、ユニークステータスについて細かく教えてください。」
「それを聞く、ということはユニークステータスがあるのか?
ユニークステータスは極稀に飛び抜けた才能を持つ奴のステータスに表示されるその才能値を数値化したものだ。
有名なのだと、魅力、とかカリスマ、とかだな。
ちなみに、ステータスにはオリジナルステータスってステータスもある。
これは、クラスや職業に応じたステータスが一定値を越えると表示されるようになる。
んで、どんなユニークステータスがあったんだ?」
「幸運値。」
「幸運値?聞いたことがないが、ステータスに出るくらいならよっぽど幸運ってことだろうな。
そういえば、昨日お前にあってから大森林でも町に来るまでの間でも一度も魔物に合わなかったな。
結構魔物が多い場所で、しかも夜だったのに。
で、数値はいくつなんだ?」
「99999over。」
「きゅっ?!?!
ちょっとまて、最大値を超えてるってことか?
そんなことあるのか?
いやもういい。
お前について深く考えるのはやめよう。
よし、質問を続けろ。」
「じゃあ、スキルっていうのは?」
「あぁ、スキルはまぁ、簡単に言うと持ってる技能のこと、だな。
スキルには二種類あって、任意で発動する技術系の能力スキルと、常に発動しているか、一定条件を達成するかランダムで発動するオートスキルがある。まぁ、基本的にスキルって言ってさすのは能力スキルで、オートスキルは永続的なバフみたいなもんだな。」
「あぁ、なんとなく理解しました。
あとはこれから実際に色々検証したりしてみます。」
ひたすら、ご飯を食べながら俺が質問しレインが答えるというこを繰り返して気がつくと、いつの間にか俺もレインもご飯を食べ終わっている。
ご飯を食べ終わったら食堂にいる理由もなく、部屋に帰って今度は、レインの叶えたい願いと今後についてを話し合うことになった。
おまけ。というかレインのステータスです。
詳細は今後小説で書く予定ですので、一部伏せています。
現時点でのステータスですので、今後変動があります。
ーレイン・ライアットー
Lv.32
職業:鍛冶屋、冒険者、???
クラス:剣士、生産者(鍛冶)、???
称号:なし
加護:???
属性:火
適性:武術
天職:騎士
種族:人間
ステータス:
体力 1002
魔力 360
生命力 420
能力 1630
知力 190
オリジナルステータス:
速度 1300
回避 1780
防御 360
攻撃 1800
ユニークステータス:
??? ???
??? ???
保有スキル
ー能力スキルー
・剣術(Lv.5)
・鍛冶(Lv.8)
ーオートスキルー
・攻撃上昇