1.ハロー異世界
小説初投稿です。
更新遅くなりますが宜しくお願いします。
1話、2話は説明回です。
輪廻転生。
詳しくは知らないが、それはきっと誰にでも起こる自然現象なのだと思う。
だから、自身にそれが起きたことは理解できる。
けれども、"前世の記憶"を持ったままの転生は、俺の知る限りでは普通じゃないように思う。
いや、この世界では当たり前なのかもしれないが。
とにかく、俺は死んだ。
死因は餓死だ。
このご時世に餓死なんて、と思うかもしれないが、俺の死因は餓死だった。
そして生まれた。
剣と魔法のファンタジーな世界に。
証拠に、ついこの間生まれたばかりであろう俺をあやすおそらく母親だろう人物は傍らに剣を置いているし、出産直後の母親の代わりに家事をするおそらく父親だろう人物は杖らしきものをくるくると振って掃除をしている。
産まれたての俺では自力で首を動かすことすらできず、母や父に支えられてようやく認識した自身の状況や周りの状況は、どうもかつての日本とはかけ離れていて。
両親には動物の耳が生えているし、おそらく俺にも生えているのだろうと撫でられた感覚から理解できた。
さらに、家はどうやら大木の中のような円形の木製である。
話しかけられる言語は日本語ではなく、けれど聞いていればなんとなく理解できなくもないどこか日本語と似通ったような言葉に感じる。
兎にも角にも、目下の目標を自力での移動と言語の習得に定めて、俺は二度目の人生を開始した。