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3対1、取り囲んでボコる事が全く出来ない相手だった。取り囲まれても動揺もせず、むしろ取り囲まれてもそれが何か？という余裕さが出ていた。
まず乃陰の鋼糸による範囲攻撃を行い、美夜と名乗った彼女が避けた先で恵那の行動を抑止させる攻撃に入り、最後に私が仕留めるという流れだ。
乃陰が鋼糸を使える事は知らなかったにせよ、基本乃陰が先行しかき乱した後に恵那が主導権を握り、私が仕留めるか、乃陰がそのまま追い打ちをかけて戦うといった流れだ。
恵那「いつもどおりで」
乃陰＆眠兎「了解」
私達が三方から一斉に動き、乃陰が鋼糸を使い彼女を避けさせようとする。しかし、彼女はその身を反らしただけで、鋼糸を避けた。想定外の動きだとしても、恵那は彼女の懐に入り、心創剣を鞘ごと振り上げる。
しかし、振り上げる瞬間にすでに彼女が持っていた杖がそれを邪魔し、振り上げれなかった。恵那はいつの間にその杖がそこにあったのかわからず驚愕の色を隠せていなかった。
私が完全な死角から胴を狙ってビーム刃付きの棒を突いた。消失するまでの力が入ったビーム刃だが、本気で行かないとダメだと感じたからだ。
そして突いたが、空を突いただけだった。
眠兎「なっ？！」
主観だと消えたように見えたが、第三者視点だと超低姿勢になっていた。しゃがんだように見えるが、杖できっちりと恵那を止めていた。その姿勢のからビーム刃が出てない棒の部分を蹴り上げられた。
手からビリビリと衝撃が入り、後ずさる形になるほど重みが棒にかかっていた。そして蹴り上げられた後、そのまま彼女は私に距離を詰めてきた。
振り上げた足を地面につけ、そのまますり足で距離を一気に詰めてきた。やばい、そう思った瞬間に詰めてきた彼女は目の前で一瞬ブレた後に消えた。
すると彼女がいた場所に細かな線の跡と鋼糸がキラキラと反射して見えた。
乃陰「チッ！今のも避けるのかよ」
あ、危なかった…と一息着く前にリングレーダーで彼女の居場所を探すと離れていた位置に居合いのような構えをしていた。赤いモヤのようなものが見え、防御するよりも早く横に避けようとするが赤いモヤも同じように動くのがわかった。
やばい、このままだと当たると思った私はパーティクル・アーマーを攻撃が来る方向に集中させてみた。戦闘時には全方位になっているが、きっと方向指定も出来るだろうと思ったからだ。
来る、と思った時はすでに防御姿勢をとっていた。
バガァン！！！！
と分厚い鉄板にハンマーでも打ち付けたような鈍い音が聞こえた。恵那の盾がそこには形成されていた。
恵那「わかっていれば、このぐらい！」
今後は砕けずに彼女の不可視な攻撃を止めた。盾の形状からし、突き攻撃用に特化し、盾の中心部に近い位置ほど盾の外に衝撃を逃がす設計になっていた。その衝撃は地面にくっきりと現れ、地面にヒビが入っていた。
彼女の攻撃を防いだ事により、彼女もそれに驚いていた。二回目には完全に防がれてしまったのだから
美夜「かったい！」
しかも、一回目とは違い盾一枚だ。
美夜「その子を守ったって事は利用価値があるから？それとも―」
恵那「仲間だから！ふざけるな！！！」
恵那は彼女に鋭い目つきで睨み、私を守るように前に出た。横にはいつの間にか乃陰がいた。
美夜「あー、そっか、そのごめん」
彼女は腰に手を当て、小首をかしげながら男二人に女一人で二人はある程度名が通ってる冒険者、そのパーティに一人女性がいるとなると何かきな臭かった為、真実を確かめたかったとのことだった。
てめぇの口は、何のためについてるんだよ！！！会話しろ！会話！！！なんて思ったが、さっきの戦闘で実力差があるので言うにも言えなかった。とりあえず、印象は最悪な人だ。
美夜「いきなり悪かったわ。その詫びと言ってはなんだけど、探してるものについて教えてあげるわ。もちろんタダで」
