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 朝早く、未発見の遺跡へ向かっていった。道中は安全なもので危険なものに遭遇はしなかった。街からそんなに離れてない事から、日帰りコースだ。未発見ということで、発見されているのとどう違うのかが気になっていた。

眠兎「未発見と発見されてる遺跡の違いとかってそういえばあるの?」

 何か知ってると思い、聞いておこうと思った。乃陰の性格からするとからかわれる可能性があると思ったからだ。なんだか乃陰に対してはこう…ムカつくんだよね。

恵那「どうなんだろ、未発見の遺跡を発見したことないからわからないかなぁ…乃陰は知ってる?」

乃陰「俺も知らん。特に情報が出てないってことはあまり変わらないんじゃないかなって思ってる。」

 

 ワクワクと不安感がありつつも未発見の遺跡と思われる場所に到着する。


乃陰「このへんだよな?」

 乃陰はあたりを見渡す動作をした。

恵那「なんも感じない?」

 もうちょっと先だったっけ…うーん

眠兎「もう一度、確認してみるね」

 私は世界の縮図を起動させることにし、その場に片膝を立てて座った。

乃陰「待て、人がいる…誰だ!」

 乃陰は何かいると言った方向に向き、私達にハンドサインを使って警戒態勢に入れ、正体不明が1と連絡した。私はそれに対して頷き、立ち上がり、棒を取り出していつでも刃を出せるようにした。

 ハンドサインは一緒に冒険する上で、今後重要になってくると考え乃陰が提案したのだ。乃陰は目が見えないが感じる事が出来るため、取り入れる事になった。


 私は即座にレーダー情報を二人に共有した。


 岩からニュルリと人が出てきた、杖を持っており、帽子…あれは三度笠と呼ばれるものを頭につけていた。風貌は和風寄りに感じた、見ただけでわかる、なんか隙がない。リングレーダーにも<正体不明>と表示されている。もしかして、かなり強いモンスターが人化した存在とか…私は緊張した。


 相手はこちらに気づいているらしく、三度笠のツバでこちらから顔が見えないように下を向いていた。なんだか、妙な空気が漂ってるなと感じた。腰には武器と思われる棒状のものをぶら下げていた。


乃陰「すまない、いきなり岩から出てきてこちらは驚いている。こちらに交戦の意思はない。返答を求む」

 乃陰は端的に相手に伝え、出方を伺う。世界の敵ではないだろうと思った。

 相手は三度笠をとり、とって顔を見せた。ショートカットの女性だった。彼女は両手を上げて、自分にも交戦するつもりはないという意思を表明した。


乃陰「あー、俺の名前は香月 乃陰、この二人は仲間で冒険者をやってる。失礼だが、あなたは?」

 乃陰が彼女に問いかけると、それに対して応えた。


美夜「私は美夜、秋導院しゅうどういん 美夜みや。秋を導く院に美しい夜と書くわ。乃陰さんだっけ…もしかして、黄拳士の香月乃陰?すると心創士の飛翔恵那と…謎の武具使いの女性」


 右手を腰に当て、あっけらかんと笑った。私はきょとんとしながら見ていたら、目が合った。眼光はするどいわけではなかったが、観察するような目で私を見ていた。

 なんだろう?

美夜「男二人に女一人…う~ん、犯罪の臭いがするねぇ?ちょっと大人しくしてから話を聞かせてもらうわ!」


 腰の杖を重心を低く背中を見せるような構えになった。何か赤いモヤみたいなものが見え、それが乃陰に貫通していくのが見えた。乃陰はいっきに後ろに下がり、恵那は乃陰の前に移動し、盾を今までないくらい多重に重なるように召喚した。


 ビャガガガガッ!!!!


 盾が嫌な音を発しながら貫通していく音が聞こえ、恵那はすぐに横に避ける。乃陰も後ろに下がった後に横に移動し終えていた為、貫通していった何かが後ろを通過していった。

 恵那が召喚した盾は、光の粒子のように霧散していった。


眠兎「な…はっ?!」

 私は呆気を取られてしまった、居合いのような構えからどうしたら突いたような何かが貫通していくのかわからなかった。何よりも杖を構えた状態から全く動いていない。斬撃というものなのか?それとも、杖の突き出した攻撃なのか?

 ただ奇妙な赤いモヤが見えた後に恵那の盾が壊れていった。今のは誘導線?いや、未来予知?


恵那「速くて重い!乃ィ陰!!!今の見えたか?」

乃陰「クッソ!!!何したかわからない!いきなりだぞ今の!眠兎下がってろ、お前には用がないらしい」

 二人は今までにないような空気をまとっているのを感じた。何が起きているのかわからなかった。二人には今の赤いモヤのようなものは見えてなかったのか?っていうかなんでいきなり襲われないといけないのか、棒を握りしめ、刃を出そうとした。手が震えて、うまく出せなかった…くそっ

 異様な空気があたりを包み込んでいた、特に二人にはそれが重くのしかかっているように感じた。


恵那「角度つけてもど真ん中貫通させてきた…」

 二人は美夜の攻撃力に、驚いていた。世界の敵の攻撃から守ってもらった時は、大きな音がするくらいで貫通されてなかった。でも今回は幾重にも張り巡らせた盾が貫通されていたのだ。私にもわかる、これはヤバイと…


乃陰「恵那、こいつ下手に近寄れねぇぞ…いったい今のなんだ?武具か?」

 忌々しく舌打ちし、警戒を強め乃陰は距離を取った。すると構えを解いて美夜が歩き出してきた。あまりに無防備なので二人は呆気を取られていた。

 私も何がどうしてそうなるのか、全く理解が追いついてなくぼっーとしてしまった。


美夜「反応良し、ほら、かかってきなさい」

 顎上げ、見下すような姿勢とる。恵那は瞬時に距離を詰め、剣を出現させ杖を動かし辛いような振りを行った。美夜は前に歩いている動作をそのまま止めずに恵那の剣を歯牙にもかけなずに杖でいなした。


美夜「ぬるい」


 いなされた剣を恵那は体勢を崩されつつも盾を召喚し、美夜の目の前に召喚し視界を遮る。美夜は足を止め、盾を拳の裏で軽くノックした。

 すると、パシィィンという音と共に恵那が後方に吹き飛んだ。盾はさっきとは違い、砕かれず、その場で薄れて消えた。地面に衝突する際に、恵那は受け身ととるが苦々しい顔をしていた。


乃陰「舐めやがって!」

 今度は乃陰が攻撃に入る。恵那に追撃されないように即、動いたという感じた。何か袖から釣りで使われるような重りを投げつけながら、接近した。

 美夜はそれを大きく避けた。私にはなぜそこまで大きく避ける必要があるのかわからなかった。美夜が大きく避け、地に足をついた瞬間、さっきまで彼女が居た場所が綺麗な亀裂が走っていた。

乃陰「鋼糸まで避けんのかよ!クソが!」

美夜「暗器まで使うのね、それにしても危ないじゃない」

 美夜が余裕を感じさせ後退した。美夜は乃陰から距離をおき、恵那が体勢を立て直し前衛へ、乃陰が恵那の後ろに位置する形に陣形をとる。

 私も今の戦闘を見て、深呼吸し、棒に薙刀っぽい刃を出現させ、一緒に戦おうと前に出る。


乃陰「お前は逃げろ…こいつはマジでやばい」

恵那「さっきの防御無視はもう対策可能だけど、あの最初の一撃は速度を弱めるくらいにしかならない」

眠兎「さっきの攻撃、不可視の攻撃…私も事前にわかった。同じ風に見えるかわからないけれど共有してみる」

乃陰「できるなら助かる、あれは正直やばい」

恵那「場所がわかれば…もっと頑丈にいける」

 私はさっきの赤いモヤは恐らくゲームアシスト機能だと思った。それを二人に共有が出来るかどうかは、多分出来ると感じた。出来なかったら、その時は…

眠兎「共有できなかったらがんばって避けてね、ガチで」


乃陰&恵那「「ああ」」

 

 余裕な面して、こちらの出方をまったりと待ってるのが雰囲気がした。しかし、犯罪とはどういう意味だろう…あと黄拳士とか心創士やら初めて聞く言葉だ。

 二人は何か私に隠してる事があるのかな…

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