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31-

 遺跡の奥に行くと、祭壇があるが何も置かれていなかった。

乃陰「さて、ここまで入ってきても何も反応しないとなると…あの祭壇に触れるとなんか反応するとかか」

 乃陰は祭壇に手を起き、何か反応するかどうか試した…が何も反応しなかった。

乃陰「チッ…こんだけ大きいから俺にも反応してくれてもいいのに」


 乃陰がいじけているのを見てニヤニヤしていたら振り向いて、やんのかコラ?みたいな仕草をしてきた。


恵那「まあまあ、次は僕が触ってみるね」

 恵那は空気を読んで、恵那が祭壇に触れた。

 ぼんやりと祭壇が光り、バチッと音がなり薄暗かった遺跡はぼんやりと明るくなった。

恵那「お、今回は僕で反応した」

 しかし、反応したのはそれだけだった。

乃陰「なんか変わったか?遺跡内の明るくなったくらいか?」

恵那「…」

 後ろからでもわかる。悔しそうな雰囲気が漂ってくる。


 遺跡内が明るくなっただけで、周りがよく見えるようになっただけだった。


眠兎「じ、じゃあ今度は私が触ってみるね」

 笑いそうになったが堪え、祭壇の中央部に手を置いた。ぷくく


 手を置いた場所から光りが祭壇から床、壁に伝って遺跡全体に這っていった。くすぐったさは無いけれど何か手の裏側から光が流れているのを見ると、もよもよする。

眠兎「これさ、ここから手を離したらどうなるんだろ?」

乃陰「眠兎が着てる武具と体内から情報を認証してる動きが感じられるから、手を離すと止まると思うぞ」

 なるほどなー、おとなしくしておこう。


 数秒後に光の流れが止まり、キィィンと遺跡内に音が響いた。

 前回の遺跡同様、壁に何か表示された。ただ今回は、平面じゃなく立体型で投影されていて、いろんな動物のようなものがツリー型で表示された。それも複数表示されていった、なんか危なっかしいような動物というか…化け物が表示されてる。


恵那「こ、これって…」

 恵那は驚きながら、表示されてるものに手を触れた。詳しい情報が表示され、生体データや分布地などが記載されていた。

恵那「嘘だろ…これは大発見だ!この世界のありとあらゆる生物などの情報だ!…ん、この世界だけじゃない…どういうことだ…」


乃陰「目が見えてなくても、この情報を感じ取れるというか…脳に直接イメージとして見れてる…これはすごいな」

 乃陰も恵那と同じように投影されてる画像に触れて、いろいろ調べている。


 私は、祭壇の上に表示されてる立体映像が気になっていた。この世界の縮図だと思われるものが表示されていたからだ。多分、自分がいる位置がここだとして、グレートウォールがこれか…大陸両断してるけど、ところどころ隙間はあるのか。

 ん…よく見るとこれ何か動いてる。拡大できたので拡大してみると、人同士が戦ってた。


眠兎「ねぇ、恵那…グレートウォール付近で戦争が起きていたりしてる?」

 この表示されてるものが現在進行してるものなのか、それとも過去なのか

恵那「場所はどのへん?」

 私は恵那を手招きし、表示されてる地図を見せた。恵那はそれを見て、驚いていた。

恵那「な、なにこれ?!ち、地図?!こんなに正確に…っ」

 生体データで驚いていて、更に地図で驚きの連続か…そうだよね、普通はこういう技術ってこの世界観からすると黄金の民が残したとしても一部の人だけしか閲覧可能にならないものだもんね。私はサイトを見れて、世界観やある程度調べられるものだしね。


恵那「これ、今起きてる事だよ…しかも壁の向こう側も見えてる。これはすご過ぎるよ…」

 気がつくと乃陰もその地図を見ていた、多分見えてなくても感じ取れるのだろう

乃陰「これは…おい恵那、目を閉じて見ようとしてみろ」

 恵那は言われるがままに目を閉じた。すると身体がびくっと動居た後に目を見開いて叫んだ。

恵那「目じゃなくて頭の中で見れる!こつを掴めば、目を開けたままでも他のところを見ていても頭の中で見れる!」


 私が普段使ってるマップとレーダーみたいなものだとわかった。最初の遺跡で三次元オートマッピング機能追加、自己防衛機能強化、武具拡張の3つだったけれど、今回のこの遺跡だと明らかに次元が違う。攻略サイトの情報そのものが表示されていて、かつ空から地上を見下ろせてしまうのは明らかにゲームバランスとしておかしい。


 でも、仕様上で問題はないと言われたっけ…それにしてもここまで来るのに何度死亡したんだ。しかもクリア条件がよくわからないまま、遺跡の中に入れた。配置されていた敵はどうなったのかさえ、わからない。

 現実の世界の記憶がある状態なら、画面に表示されているものを片っ端から調べていけば戦闘ログとか出てくるんじゃないかと思った。あの死亡しっぱなしの時も戦闘ログとかあるのか調べておけばよかったと思った。多分、バカは死んでも治らないっていうのはあながち間違いではない言葉だと思った。


 恵那と乃陰が遺跡の凄さにわいきゃいしてる中、私は冷静に武具の機能を調べた。はたから見ると難しい顔してぼーっと立ってるように見えるだろうけど


 整理してみると、武具に備わってるのは遺跡から拡張インストールされたものと最初から備わっているものの2系統だった。拡張インストールは空き容量の問題とかそのうち出てくるのかな、その前にバグとかの方がありえそうな気がしてきた。


 記憶喪失時、ゲームのキャラクター時ではこの武具について自分から積極的に調べようとしても機能そのものをどうやって見たらいいのか、何が起きるのかわからないという不安からあまり出来なかった。

 だが、今は現実の記憶があるので携帯端末やパソコンなどといったものを触るのとあまり変わらない。慣れた感じで操作し、どんな機能があるのか見ていった。


 この武具には最初から防衛、索敵、治癒、強化、拡張の機能が備わっていた。拡張の項目が他の項目とは違うと感じ、開いてみたらタレント補助という項目が更に出てきた。

 タレントという文字が今まで聞いたことがないものだったので、詳細情報を展開させる。書かれていた内容は私の特殊能力を補助する機能だったのだが、そこには補助する能力が「召喚」と書かれていた。


 え、私召喚士だったの…うそん

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