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30-

 思い出せず、焦る気持ちが出てきた。何度もその間に死亡し、ループしていた。現実世界の時間とゲーム内時間は違う。このままだと、かなりの時間この死にゲーに付き合わないといけないのか…いやバグか…嫌過ぎる。


 モニタリングされているから、異変に気づいたらログアウトされるはずだ。と思っていたけれども、あれから何百回も死亡してもログアウトはされなかった。何百と同じ場所から遺跡に向かい、死亡する。その間に交わされる恵那と乃陰たちの会話はいくつかのパターンがあった。それに慣れきってしまった自分は自暴自棄になっていた。

 恵那と乃陰は、変わりきった様子をみて気遣ってくれていた。最初こそは安らぎを得られ、鬱々とした気分も晴れていった。しかし、いくつかのパターンを体験してしまうと体験し飽きてしまっていた。

 妙な感覚は死亡する前に相変わらず襲ってきて、その感覚がどこからくるものなのか殺気とは違うものだとわかった。そして、攻撃してくる相手は複数いて、それが世界の敵の特殊部隊だというのがわかった。

 何百周するうちにマップに表示され、リングレーダーにも反応するようになった。だが、どいつが攻撃してきているのかはわからなかった。遺跡の中、外にも複数の待ち伏せしていたが自分が死ぬ瞬間含め、動きがなかった。


 なんらかのトラップ…もしくはレーダーに捕捉されてない敵か…


 何百周としていく事で次第に毎回、微々たる変化があることに気がついた。相変わらず即死でリスタートされ、うんざりしてくる。発狂しそうになるが、この武具そのものが精神安定の作用が働いているのか、感情の起伏はある程度の幅以上は抑制されるようになっていた。

 そして、もしかしたらと思ったことがあった。敵全員の位置をマップで把握してるならば、同時に殲滅させてしまえば大丈夫なのではないかと…ただ自分が持ってる武具では出来なかった。町で同時にクローンを倒したが、遺跡に隠れて待ち伏せしてる相手やバラけて隠れているため、同時には無理だった。


 ロックオンされる人数は視認してないと無理だった。そして何よりも当てずっぽうで狙ったりし、何人かは倒せるようになり、どこにいるか把握できるようになった。しかし、必ず胴体の胸部分あたりが消滅し、死亡した。


 この武具が原因かと思い、脱いだりし別の服に着替えたりしたが意味はなかった。クソッ


 恵那と乃陰に着替えている時は見られなかったが、妙に恥ずかしかった。だが気がついた事があった、胸におかしな模様のようなものがあった。周回を重ねる事にその模様は鮮明になっていき、これがこの攻略の鍵なのかと感じた。


 何がトリガーになっているのかは、周回を重ねていく内にわかった。周りに意識をし、植物、動物、昆虫の存在を認識していくうちに胸元が模様が鮮明になっていった。それでも結果は何も変わらなかった。


 ただ、周りに意識してるといなかった物が見えるようになっていった。それは自分の願望のようなものだと気付くのはもっと後だった。こういう動物とかいないのか、こういうのがあってもいいんじゃないかなと思ったら、死亡した次のリスタートした時には存在した。


 何回も、何回も、何回もぉぉぉ!!!!さすがに微々たる変化はあっても限界だった。

 恵那と乃陰にゲームからログアウトしたいと話そうにも言葉が出なかったり、突拍子もない行動や殺そうとしても身体が動かなかったり、そうういった部分だけしっかりとセーフティがかけられていた。


 あのくそったれの特殊部隊全部殲滅できるほどの化け物でも存在したら少しは、マシになるんじゃないのか、と思ってしまった。そう、思ってしまったのだ…その周は普通に死亡したが、次の周ではマップにもレーダーにも敵の反応はなかった。


 そして、私は死亡せず、遺跡に入ることが出来た。


 今までの死がなんだったのだろうかという、呆気無く遺跡に入れた。遺跡に入る前に感じる違和感もなかった。

 石畳を踏み入れるときに、乃陰は一瞬立ち止まり

乃陰「気のせいか」

 とつぶやいていた。


 恵那も同じく、周りを見渡し何かを感じ取ったのか

恵那「乃陰も?僕も何か違和感があったけれど…何も感じなくなった…なんだろ」


 私だけ、その違和感に気づいていた。


 遺跡に入り、特殊部隊がいたと思われた場所を調べたら、魔法陣のようなものがあった。何らかの魔法のようなものを遠隔で私に対して発動させていたということなのだろう。

 でも、いったいどうやってここを攻略すればよかったのか…私はわからなかった。この魔法陣が何か気づいたとしても、何か出来るわけでもない。そうなってくるとこの胸元の模様が何か意味があるのだろうか…この胸元にある模様で打破しなきゃいけなかったのだろうか…


眠兎「ねぇ、恵那ここにある魔法陣みたいなもの何?」

 乃陰は盲目のため、見えないと思った。盲目でも感じ取れるものがあるのだろうけれど

恵那「何か模様が描かれてる…見たこと無い魔法陣だ」

 どうやら、魔法陣らしい。

恵那「でもおかしい、魔法陣なら魔素が残っていたりするんだ。でもこのにはただ描かれているだけ…これじゃあ意味がない」

眠兎「発動させる人がいたら意味がある?」

恵那「いや、描かれてるだけだから発動はしない。発動しようにも発動させるキーそのものがないんだ。」

 発動させるキー…あとから作ればいいんじゃないのか?

恵那「発動キーっていうのは、魔法陣を描くときのものでそのキーの魔素によって描いた発動キー以外で発動できないようになってるんだ。無理やり発動させる術はあるんだけど、特殊な技術が必要なんだけどね」


恵那「それに…これは最近というよりも数日内に描かれたものだ…長い時間放置されると魔素は無くなるけれど、とにかく奇妙だ」


 恵那は描かれた魔法陣を撫でながら、難しい顔をしていた。


乃陰「恵那、この遺跡はなにかおかしい。周りの濃霧、その謎の魔法陣、そしてこの大きさ…」

 本当におかしいと思う。さっきまでなんども死亡させられまくって、ここに配置されていた敵も全員いなくなってくれればと思ったらいなくなった。

乃陰「今まで遺跡巡りしていたが、ここまでおかしな点はなかった。そうなってくると何が起きてもおかしくない」


 私たちは遺跡の中心へ気を引き締めて向かった。


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