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眠兎「つ、ついた…」

 思った以上に歩いた、疲れはそんなに無いものの正直ここまで長時間歩きながら、モンスターに遭遇するのは思った以上に疲れた。

 途中、モンスターと出くわす前に二人ともなんとなくだけど空気が代わり警戒しているのがわかったりした。

 道中、モンスターとの戦闘以外は他愛のない会話をしたりしてきたのでお互い何か打ち解け合った感じになっていた。


 さて、遺跡についたわけなのだけど、言われないとここに遺跡があるとわからないようになっていた。周りが雑木林で見晴らしがいいとは言えないが、周囲に丘がせり上がっていてそのくぼみにあったのだ。

 石畳になっていて、地下に向けて入り口がぽっかり空いている。石畳もパッとみわからないように周りの色に近しい状態になっていた。藻がびっしりとしきつめられてて、かろうじて石畳があるのが見えるといった方がいいなと思った。


乃陰「さぁて、この入り口から階段降りたら少し広い部屋があるんだ」

恵那「あ、中は明かりがあって明るいよ。外からは暗く見えるけれどね」

眠兎「ここに入って何すればいいの?」

 パッとみ、階段の下が暗くて見えない…光が指してるはずなのに見えない…なにこれ怖い。


恵那「下が見えないから怖いよね、ただ入っていけば晴れていくから最初だけだよ。僕が最初に入っていくから、その後についてくれば大丈夫だよ」


 やさしいな、と感じた。気を失ってた私を助けてくれたのも根がやさしいのだろう。


 そして、恵那がスタスタを遺跡への階段を降りていくとその暗かった部分が黒い隔たりでそこに吸い込まれていくような感じで恵那が見えなくなっていった。

 見てて面白いなと感じ、自分も階段を降りることにし、階段の一段目を踏むと暗かった部分が鮮明になった…え、なにこれどういう原理?


 ちょっと面白かったので階段を降りたり登ったりして遊んだ。


乃陰「さっさと行けボケ」

眠兎「はぁん?」


 人が楽しんでいるのに、ちょっとイラっときましたよ。うん


乃陰「うわっ、こわー」

 とニヤけながら言い放つ、むかー!


眠兎「ちょっと面白かったから遊んでいただけなのに、はいはい、行きますよー」


 それで下まで降りていくと一部屋、壁は外とは違い真っ白…壁そのものが光ってるのか部屋は明るい。

 部屋の中に入ると靴についた土とかが目立つのじゃないかと思ったが、床に汚れすら見当たらなかった。

 部屋の中心よりも奥側に、恵那が腕組して壁を見ている。なんか見えるのだろうかと気になり、近くまで行くと、恵那が見ていたものが見えるようになった。


 ユーザー認証を行ってください


 と表示されていた。あれこれ・・・翻訳されなくない?

ってことはこの文字読めるってことは―


恵那「この文字読める?」

眠兎「え、あ・・・うん」

乃陰「ってことは、黄金の民で間違いなさそうだな」


眠兎「二人は読めないの?」

恵那「読めるんだけど、問題はどうやって認証するかなんだ…部屋に何もないし、前回来た時に壁とか叩いたり、いろいろしたんだけどね…」

乃陰「音の反響からして、この部屋はさっきの地面の下にあるって感じがしないくらい壁が頑丈だし、仕掛けがさっぱりわからないんだよ」


恵那「他の冒険者や黄金の民の人が調査に来て調べたりしてるんだけど、何も反応がなくて、人数でもないし、放置されてるのが現状なんだ。あとな、俺は見えないから読めない」


眠兎「ふ~ん、あ、そっか…乃陰は見えてないんだった。ごめんごめん」

 私はその表示されてる文字をちょんちょんと触ってみた。だってカーソルが表示されていたからだ。手のマークが出てて触ってくださいと言っているようなものだったからだ。

 言うまでもなく、なんか反応するわけでして―

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