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13-

 次の日の朝、早速ギルドへ登録しに行くことになった。ギルドは基本的にどの町でもあるが小さい町でもあるらしい。


 一緒に旅をするにも、生活費を稼ぐ必要がある。野宿用の道具一式の問題、旅費の問題、冒険者としてギルドに登録することになるが、登録料は二人から借りる形になった。


眠兎「す、すぐに借りてる分は返すから!」

 そして頭を下げる。

 正直、昨日の夜に費用とかもろもろの経費の話を聞いてどんよりした。私用の部屋一室代は元より、旅というか冒険するのに結構な額が必要だというのがわかった。


 二人から世話になり、借金からのスタート…自分の記憶すらないマイナスのスタートだけど五体満足だし…

 前向きに行こう!


恵那「ま、まあ…そのうち返してくれたらいいから」

乃陰「なんなら身体で返してく―」

恵那「ちょっと!乃陰ンッ!?」


 私は後ずさった。


恵那「あ、大丈夫だよ。冗談だから、ね?乃陰」

乃陰「当たり前だろ、半分冗談だよ」


 半分…ちょっとこいつへの認識というか気をつけようと思った。

私は呆れた顔をしながら、まあ、健全な男性なら普通かと納得した。


眠兎「まあ、襲ってきたとしてもこれが反応して大事なものが失うと思うよ」


 なんとなく、この服はそういう機能がついてそうな気がしたので適当に言ってみた。


乃陰「お、おう…じょ、冗談だってば」


 あ、かなり焦ってる。そして、貞操防衛システムはONになっています。というポップアップが出てそこにどんな機能がついてるのか詳しく書いてあった。

 寝込みを襲われても返り討ちにする恐ろしい機能だった。とりあえずそのポップアップに意識をあわせ閉じた。


 ギルドにつき、二人に言われるがままに登録などを行う。言葉は通じたが…問題の文字がさっぱりだったのは言うまでもなかった。どうしようと一瞬悩んだ瞬間、目の前の文字が瞬時に翻訳されて表示された。この装備…便利すぎじゃないのか、と思った。

 とはいえ、読めるようになっただけで実際に書けるわけでもないので二人に情報を伝えて書いてもらった。

 ギルドに登録すると端末を渡される。恵那や乃陰のと比べると安っぽく最低限の機能しかついていないカードを渡される。

 どうやらカードには大まかにどこにいるのか、一定範囲以上カードと離れたりすると発信機としての機能がある。また、どんな行動をしたのかなどのログが残るとのことだった。


 カードは昔、黄金の民が作った「名刺」と呼ばれるものだったとのこと、それと連動して各ギルドが情報を共有してるらしい。


 そして冒険者にもランクがあって、そのランクに応じた仕事が受けれるとのことだった。

 私は真剣に聞いてはいたが、頭に入ってこなかった。わからなくなったらまた聞けばいいだろうと思った。


 ギルドは2階建てで吹き抜けになっていて入ったら大きな石が置かれており、手が届かないように柵で囲われていた。不思議な作りだなと来た時に思ったが帰る頃には慣れてしまった。


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