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壁には近寄れない、近寄ればそれを防衛する何かがいる。近寄ると殺されるか囚われる。壁は徐々に迫ってきている。山岳部や湖、谷、海など地形によって侵攻する速度は違う。壁は壊せない、壊そう試した国家があったが壁に滅ぼされた。いくつかの国家はあの壁に飲まれ、難民が増えた。壁の向こう側に行って戻ってきたものは聞いたことがない。未だにあの壁を壊せた、止めたという話は聞いてない。壁は段々と広がりを見せてはいるが、高さそのものは変わっていない。
黒い壁、悪魔の壁などと呼ばれている。
表示された内容を読んで、壁には近寄らない方がいいと思った。窓の外を見るとここからでもその壁が見えた。かなりの大きさで近くにあるようにも感じられたが、先ほどの内容からすると遠くにあるというのがわかった。
その大きさは異常であり、正直気味が悪く感じ身震いをした。あんな巨大なものどうやって造られたのだろうか、今いる場所からどのくらい離れているのかわからないけど、相当な大きさだというのを感じた。
ふと違和感を感じた。今自分がいる部屋は見る限り2階建ての一室で周りの住居など見てもそんなに高い建物はない。しかし、あの壁はここにある住居よりもはるかに高いことがわかる。いったいその技術力はどこから来てるのだろう…
この世界に奇妙な違和感を感じたが、その違和感が何かはよくわからなかった。その違和感の正体が自分の記憶が思い出せない事と何かあるのだろうかと思った。胸のあたりがざわざわし、スッキリさせたいという気持ちがあった。




