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006 説明回 準備期間

作戦当日まであと6日。ぬかりなく準備をしなければならない。

まあ、持ち物はだいたい決まっている。持って行くのは、

・近接戦闘用ナイフ

・投げナイフ

・拳銃

 これは御守りのようなものだ。メーカーと名前は判らないが、かなり古いリボルバー式のだ。一応6発装填してある。予備の弾薬は要らないだろう。今回は探し物をするだけのようだし。


・通信機(指示班との定時連絡用)

・GPS電波時計

・暗視装置

・充電器 

 この充電器が現代科学の結晶と呼ばれる優れものだ。原油枯渇後世界は大恐慌に陥った。そう、発電量が大幅に減ったのだ。主力であった火力発電ができない。石油が無いと何かと対応が難しくなる。なので万が一の事を考えて原子力発電も禁止。採算が合わなくなって電力会社が次々と倒産。ああもう世界終わったわぁ。どうすんのこれ。と世界中の人々が思った。めっちゃ高くなったけどまだ電気の販売はある。水力発電とかはギリギリ生き残っていたから。


 それで何十年か経ったある年、フランスのある研究所から世界を救う発表があった。

「電流を増幅させる装置を発明した」

と。当然世界は歓喜の嵐。世界に極華時代の生活が戻ってくる。誰もがそう信じていた。


 だがしばらくして、共同で研究をしていたアメリカの研究所から発表があった。

「実はあれ偶然できたもので、何回やっても複製できないや」

と。当然世界は絶望の嵐。変な期待持たせやがって。誰もがそう思った。


 数年後、フランスの方から発表があった。

「馬鹿みたいに高いけどなんとか量産できそうだ」

と。それから30年位科学者が頑張って、日本の工場が作りまくって今に至る。


 俺は学者じゃあないから、原理はよくわからない。なぜ増幅されるんだろうねぇ?

 とにかく、この充電器は、繋いだ電子機器のバッテリーに残っている電気エネルギーをコードで本体に移し、増幅させてからその電子機器に戻す。こういう仕組みらしい。


 ちなみに、その研究の副産物としていくつもの発明品が生まれた。いずれ関わることになるかもしれない。さらに、今の科学技術は極華時代を軽く越えている。ただ電気代が高いせいで普及していないだけだ。


 話をもとに戻すが、この充電器さえあれば大抵の忘れ物にも対処できる。俺が言うんだから間違いない。

 

 それらを寝泊まりしている部屋でリュックに積めていたら、ドアがノックされた。ノックされたってことはナミンではないだろう。あいつは我が家にノックなんてしないだろうし、家にはほとんど来ない。


「どうぞ」


「失礼する」


「あ、団長・・・・・・」


 まさかの団長襲来だ。ホントこの人の行動は予測できないな・・・・・・


「準備中だったか。悪いな」


「ああ・・・大丈夫です。椅子無いですけど、ベッドにでも座りますか?」


「よくも平然とそんな汚ならしい所を勧められるな」


「えっ、すみません」


 団長の機嫌を知る方法はいくつかある。今回は分かりやすい。

 まず、彼はマナーを大切にしている。だからこちらもなるべくそれに合わせて対応をする。今回はそこでキレたから、確実に機嫌が悪い、といった感じだ。自分の信念と矛盾しているからな。普段の団長なら優しく断るはずだ。


「どういったご用件でしょうか」


「班長同士の打ち合わせだ」


「なるほど。ではお願いします」


「ああ」


 そして立ったまま打ち合わせが始まった。


 今回の入手対象である「地図」は組織も実在を証明できていない。入手して帰投、と言っているが存在するか否かを確認するだけでもいい。てかぶっちゃけた話「地図」がどんな形をしているのかすらわからない。


 我々の指示に従え的なことになってるが、そこまで深い意味はない(じゃあ何でじゃ)。


 現地行動班のメンバーは精鋭である。ヨーロッパの支部から選りすぐった超人揃いなので、任務はすぐに終わると思う。

 

 と、いうことを伝えられた。俺に発言権は一切無かった。打ち合わせじゃねぇ。現地行動班は超人集団になるらしい。なぜ俺が班長なんだろう?ナミンの言葉に納得してしまいそうだ。


 「地図」についても、メチャクチャ曖昧だったな。形どころか存在するのかもわからないなんて・・・・・・だが、団長はまるで存在するのなら絶対にヴァルター村にある、と言わんばかりの自信たっぷりな声で話していたから、何か根拠があるのかもしれない。


 団長が帰ってから、持ち物の再確認をしたが、さっきので足りると思う。まあ、最悪現地調達という手段がある。なるべくなら避けたいが。


 そんなことを考えていたら、夜になっていた。



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