004 ナミン・サンベルト
ナミンの機嫌をパパっとなおし、ようやく任務の詳細が書かれた書類を貰った。面倒臭かった。だが、俺はナミンの弱点を握っている。少し大学時代の事をつついてみたら、すぐに書類の入ったファイルを渡してくれた。チョロい。
「これ、本物か?怪しいな。ナミン、すり替えてないだろうな?」
「さあ、どうでしょう?」
「は?おいまさかお前―――」
「嘘よ。さっき団長から注意されたわ。痴話喧嘩は止めろ、ってね」
痴話喧嘩呼ばわりされたのは気にならない。なぜなら、
ナミン・サンベルトはとても美しい女だからだ。
彼女の容姿について説明しよう。
身長はだいたい180cm。胴体4、足6といったところか。
少し暗い金髪を肩の上まで伸ばしている。 顔はクールビューティーという奴だ。小さな口、スッと通った鼻、少し切れ長の目。目の色はダークブルーだ。
俺に女性をほめる技術は無いから、想像で何とかしてほしい。
参考までに、組織所属の男共の中には、ナミンに踏みつけられながら蔑んでもらいたい輩も何人かいるらしい。極華時代でいう、女王様キャラ、だとか。大学からの付き合いで、たまに一緒に飯を食うが、あれはキャラじゃない。どう考えても素だよ、ありゃあ。俺は蔑まれて喜ぶ人ではないから、彼女と食事をするのは地獄だ。
極華時代てのは1945年から原油枯渇までの事を指す。
つまり、綺麗な人と痴話喧嘩してからかわれても満更ではないということだ。思春期の男子ならわかるはずだ。
ちなみに、俺が組織にいるのはナミンが原因だったりする。