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勇者が来ないので暇つぶしに太陽系を魔改造してみた ~圧倒的な力と財力で子供たちを育て上げたら、いつの間にか銀河の管理者になっていました~  作者: さらん
地球統一編 ~独裁者の夜明け~

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『隷属』

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

本日も更新しました。



第十五章:逆転する南北 —— 孤立する「かつての先進国」


世界地図の色が塗り替わる速度は、かつての大航海時代や産業革命をも凌駕していた。


湊は、PPTOの枠組みを拡大し、『地球再生計画アース・リノベーション』を発動した。


ターゲットは、これまで西欧諸国に搾取され、貧困にあえいでいたアフリカ、南米、中東の諸国だ。


1. 砂漠に建つ摩天楼

アフリカ大陸、サハラ砂漠。

かつて不毛の地と呼ばれた場所に、巨大な「黒点エネルギープラント」と、海水淡水化施設が建設された。


無限の水と電力が供給されたことで、砂漠はまたたく間に緑化され、近代的な農場と工業都市へと変貌を遂げた。


「西欧は君たちから奪うだけだった。だが、日本は与える。技術を、富を、未来を」

現地の子供たちは、きれいな水を飲み、日本の教育プログラムで高度な知識を吸収していく。


彼らにとって、神楽坂湊は侵略者ではない。「神」そのものだった。

これらの国々は、豊富な鉱物資源をすべて「J-クレジット」で取引することを決定。


世界中の資源が日本経済圏に吸い上げられ、逆にドルやユーロは紙屑と化した。


2. 「先進国」の凋落

一方、かつてのG7(先進国首脳会議)諸国は、見る影もなかった。


資源は入ってこない。製品を作っても売る市場がない(世界の8割が日本経済圏に入ったため)。

パリもロンドンもニューヨークも、計画停電が日常化し、スーパーにはカビの生えたパンしか並んでいない。


失業率は50%を超え、暴動と略奪が横行していた。


「昔は、我々が世界を支配していたのに……」

冬の寒さに震えながら、かつてのエリートたちは、暖房の効いた東京の映像を指をくわえて見つめるしかなかった。



第十六章:慈悲深き征服 —— 「名誉」という名の首輪


そして、機は熟した。

限界を迎えた西欧連合の代表たちが、プライドをかなぐり捨てて、日本へ「支援要請」を送ってきたのだ。


湊は彼らを、建設されたばかりの『新・世界統一府(旧・国会)』へと招いた。


「よく来たね。友人たちよ」

湊は、痩せこけた欧米の首脳たちを、最高級の料理と、完璧な空調でもてなした。

久しぶりの「文明的な扱い」に、涙を流す代表もいた。


「単刀直入に言おう。君たちの国を救ってやりたい。だが、我が国のリソースも無限ではない。条件がある」

湊が提示した条約書。それは、あまりにも巧妙なものだった。


1. 「文化主権」の尊重(という建前)

条約にはこう書かれていた。


* 『各国は、独自の言語、文化、伝統を保持し、その保護を日本帝国が全面的に支援する』

* 『各国の元首(大統領や王室)の地位は保証され、名誉ある待遇を維持する』


「君たちの歴史やプライドを奪うつもりはない。国旗も国歌もそのままでいい。君たちは『王』のままだ」

首脳たちは安堵の顔を見合わせた。「よかった、完全な植民地にはされないんだ」と。


だが、その次のページに、致命的な条項があった。


2. 実権の完全剥奪

* 『ただし、経済・軍事・外交の決定権は、世界統一府(日本)に一元化する』

* 『通貨はJ-クレジットに統合し、各国の旧中央銀行は廃止する』


つまり、「国旗や文化という『飾り』は残すが、国家運営の『ハンドル』は日本が握る」ということだ。


彼らは「国」ではなく、日本が管理する巨大な「テーマパーク(文化保存地区)」の管理人になるに等しい。


「サインしたまえ。そうすれば、明日から君たちの国に暖房がつく。子供たちは腹一杯飯が食える」

首脳たちの手は震えた。

だが、拒否すれば待っているのは国民の餓死と、自分たちのギロチンだ。


一人、また一人とサインをしていく。


「賢明な判断だ。これで世界は一つになった」


3. 全世界の幸福な管理

その瞬間、世界中の物流ネットワークが解き放たれた。


日本の港から、大量の食料、医薬品、エネルギーユニットを積んだ輸送船団と輸送機が、欧米へと飛び立った。


ロンドンの広場で、ニューヨークのタイムズスクエアで、大型ビジョンに湊の顔が映し出される。


『長い冬は終わった。

今日から、君たちも私の家族(国民)だ。

過去の対立を忘れ、共に豊かな未来を築こう』

配給された温かいスープを啜りながら、欧米の市民たちは歓声を上げた。


彼らにとって、湊は自分たちの政府が見捨てた生活を救ってくれた「救世主」に見えた。

実権を奪われたことなど、満たされた生活の前では些細な問題だった。



第十七章:パックス・ジャポニカ(日本による平和)


こうして、地球上のすべての国家が、神楽坂湊のてのひらの上に収まった。


* 戦争の消滅: 全軍隊が日本軍(《影》)に統合されたため、国家間の戦争は物理的に不可能になった。

* 貧困の撲滅: 世界中の富と資源がAIで最適配分され、飢える者がいなくなった。

* 環境の再生: 黒点エネルギーの普及により、環境汚染物質の排出はゼロになった。


世界は、かつてない平和と繁栄を謳歌していた。

それは、人類が夢見たユートピア。


ただし、「神楽坂湊という一人の人間に、全人類の生殺与奪の権を預ける」という一点を除いては。


皇居のバルコニーから、光り輝く帝都を見下ろす湊。

その隣には、財務長官でありパートナーの玲奈が立っている。


「本当に、やってしまいましたね。全世界を飼い慣らすなんて」

「飼い慣らしたのではない。救済したのだ」

湊は静かに答える。


「人間は、自由という名の『迷い』に耐えられない。

誰かに決めてもらい、守ってもらい、与えてもらうことを、本能では望んでいる。

私はその『誰か』になる覚悟を決めただけだ」

「……ええ。どこまでもお供しますわ、陛下。この美しくも恐ろしい楽園の果てまで」

世界征服は完了した。


だが、湊の目はまだ満足していない。彼の視線は、夜空に浮かぶ月——いや、さらに遠くの星々へと向けられていた。


「地球は狭すぎる。……次は、空だ」


ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

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ブックマークもぜひよろしくお願いします!

次回は明日20:10に更新予定です。

次の話:『絶望』


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