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未定  作者: 大倉
幕間:二千→三千
51/74

裏世界での不思議な冒険:不滅

――――

転移した先には、黒い靄が形を成し始めていた。

――――


「…話せるか?」


――――

返答だとばかりに、靄は攻撃を仕掛けた。


それを格納庫から飛び出た盾が防ぐ。

――――


……げ、盾が溶けてる。結構な熱を持ってるのか…それとも?


「付与、「不滅」。」


――――

新たに取り出した盾に触れ、不滅の力を付与する。

――――


これなら?


――――

不滅が付与された盾が靄を受ける。が、溶ける事無く攻撃を受け切った。

――――


……なら私でも行けるか。


まずは神域を押し切る。神域が有るのと無いのじゃ話が違う。


――――

煤を取り出す。

――――


さて、煤とはいえ靄に攻撃が通るのかどうか……


「「星灯」、夜!」


――――

夜の発動により、装束が髪より少し長いぐらいになった。

――――


後一回使ったらもう使えないか。…やっぱり、夜の発動回数は不滅で誤魔化せないのか。


――――

飛んで行った斬撃は靄を切り裂いた……が、靄は再び一つに纏まった。

――――


効いてない……という訳でもないか。


――――

僅に渚の神域が広がった。

――――


「【天の川(ステラ)】」


――――

暗い森を光る剣が照らし、一斉に靄へと飛んでいく。

――――


……不滅抜きだと物量があっても溶かされるか。煤での近接以外は通らなさそうだな。


夜以外でも通ってほしかったんだが。


――――

渚が環で浮かび上がる。

――――


…靄は私を追って来てる、明らかに意思はあるな。


「葉月、靄は私以外の所に行ってないよな?」


……あ、端末壊れてる。不滅は付与してたはずなんだが……ちょっと甘かったか?


――――

「不滅」の神権は、付与された対象を世界に固定する。


渚の場合、「渚」という状態で固定しているため、結果として全ての攻撃を無効化できる。


つまり、渚を抑えつける事は可能だが、身体に傷をつける事は出来ない。


そして神権の所有者である渚は、不滅を常時無意識で維持できる。


しかし、使用者以外を対象にした場合、渚の認識が甘いと不滅が中途半端に付与される。


渚は端末にも不滅を付与していたが、具体的な認識を怠った為、端末は靄を食らい破損した。

――――


…靄が私以外に行ってない事を祈ろうか。


――――

靄が空中の渚を追う。

――――


ちょっと二次被害が怖いが…いや、何とかできるか。


「夜!」


――――

下の靄へ向けて夜を放つ。

――――


と同時に神域の不滅を全開!


――――

不滅の効果を煤は貫通する。その為、煤であれば完全な不滅である渚の体に傷を付ける事も可能だ。


しかし、不滅の本領はもう一つある。

――――


表から裏に潜る時に確認した深度的に、不滅があれば……


――――

固定と修復。それが不滅の本領。


仮に固定が崩れたとしても、即座にそれを元の状態へと修復する。

――――


……セーフ。


――――

斬撃によって傷が付けられた地面から、徐々に傷が消えていく。

――――


「【星海を越えて(アストラルブリンク)】」


――――

靄の神域は更に縮小し、人一人分程度を残すのみとなった。

――――


「…話す事は無いか?」


………返答無しか。


――――

靄は攻撃を止めたが、口を開く様子はない。

――――


どういう経緯でここに来たのか聞いてみたかったんだが……仕方ないか。


――――

煤が振り下ろされ、神域が消え去った。

――――


靄が消えt………あ?


――――

格納庫から、別の端末を取り出した。

――――


「葉月、聞こえるか?」

「はい。状況は把握しています。渚様が神域を押し切ると同時に、表世界へ裏世界と同等の魔力が流れ込みました。」

「それによる悪影響は?」

「……現在調査中ですが、今の所は発見できていません。」


…多分、あの靄は神域の主…の残り香みたいな物だったんだろう。


自身の神域の外に出れくて、裏世界だけに居たんだろうが……私が神域を押し潰したから、自身の神域から私の神域に出てきた…という事か?


「…葉月、まずは裏世界に落ちた生き物の回収からだ。転移門固定装置の設定頼む。」

「承知しました。座標はどうしますか?」

「私が拡張した土地に。…ちゃんと結界は張ってるよな?」

「はい。既存の対崩落結界を改良した物を配置しています。」

「ならいい、始めるぞ。」

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