XIII:この世界の在り方について・法則
……あれ?
草原…黒くない、私が居た所とは違う場所…?
「こんにちは。」
誰だ――
…声が出ない?
「ここに呼べたのは君の魂だけだからね。今は、僕の話を聞いてくれるだけでいいよ。」
私の声は聞こえてるか?
「それじゃ、話を始めるよ。」
…聞こえてなさそうだな。
「まずは自己紹介から、僕は「法則」」
法則…
「もう少し言うなら、「法則」の神権を持ったモノかな。」
神権?
「僕は君に神権を渡す為にここに呼んだんだ。まあ、今回は魂だけなんだけど。」
「君の身体は…今は殆ど死んでるね。でも、すぐに保険が動くから、ここを離れた時にはもう動けるようになってると思うよ。」
「…さて。君はたった一人、自分の力だけで神を倒して見せた。」
は?
――――
渚の威圧が届いたのか、法則は少しだけ驚いた様な顔をした。
――――
「…ごめん、そういうつもりは無かったんだ。…混沌に言われた事忘れてた…」
「げふん。…君は人として、神を倒した。それは、どの世界でも類を見ない事だ。」
「僕に全能、祝福…それと破損もかな?これほど多くの神と関わった人も、中々稀だ。」
「そして、僕が全能と交わした契約も果たされた。"君が神を倒す"…まあ、相打ちではあったけどね。」
全能……もしかして、天使を生み出してる…
「さっきも言った通り、君はこれから蘇る。という訳で、君はどんな神権が欲しい?」
……話せないんだが。
「…あ、話せないか。じゃあ、原型だけ渡しとくね。」
――――
渚の中に無かった何かが、新たに差し込まれた。
――――
「…さて、これを渡す上で…もう渡しちゃったけど…僕と一つ契約してほしい。」
何だ…と言っても聞こえてないか。
「時期は問わない、方法も問わない。いつか僕を殺す、これだけさ。」
…理由は知らないが……良いだろう。
「…お、受けてくれたみたいだね。それじゃ、君の魂を身体に戻すね。」
――――
渚の体に、どこかへと引っ張られる感覚が生じる。
――――
「それじゃあね。君の世界が安定したら…次の段階に入るから、精一杯頑張ってね。」
「…一千は終わって、次は二千。三千世界はいつの事やら……」
痛い……体は…動きはするか。
……静かだな。
「――はっ…」
……体を起こすのでやっとか。…あー、セトラが消えてる……保険、か。
「ふうっ、」
体はズタボロ、魔力は搾りカス…ま、死んで無いだけ…いや死んだのか。まあ、今生きてるだけ…
……生きてるだけ…か………
「………」
…落ち着いても、涙一つすら出ないか。まあ、泣いても唯は喜ばないだろ。
……私が倒れなければ、私が動けていれば、私が…私が………
「…法則、聞いてるか?」
――――
それは独り言では無い。
――――
「「不滅」だ。私はそれでいい。」
――――
渚の中に差し込まれた何かが、形を変えた。
――――




