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未定  作者: 大倉
崩落、聖戦、■■
37/52

第一段階:VIII

―で囲まれてるのは地の分です。

夜明けまで、後20分。


「いい?フロントより先では転移は使えないの。だから無暗に突っ走って、離れた所でバテても助けに行けないから。覚えた?」

「覚えた。」


この話は二度目だ。


「無茶はしない事、一人で突っ走らない事、装束は…誰かが補助出来る所に居ないなら控えて。分かった?」

「分かった。」


四度目。


「宝石の使い方は?」

「覚えた。…この問答は後何回やればいいんだ?」

「…最後に一つ、私と怜は後衛だから、前衛の貴女にまで気を回せない。クラインの人達も同じだから。」

「ブエル達と顔見知りだったのか。」

「まあね。……一度繋がった縁は切れない物よ。」


…あまり仲がいい訳でも無いんだろうか。


「ほら、さっさと行きなさい。貴女、前出るんでしょ?」

「…一応、凜も気を付けて。」

「貴女も気を付けて。それじゃ。」





夜明けまで、後10分。


「おはよー」

「おはよう。調子はどうだ?」

「ばっちり!渚ちゃんの方は?」

「普段通りだ、問題無い。」


無理をしている感じはしないな。…前にウァサゴが言っていた事が本当なら、唯は一度フロントから退いた。…その原因が「大丈夫だよ。」


「………」

「…大丈夫。進むって決めたから。」

「……なあ、折角だし私と一緒に行かないか?」

「いいね!それじゃ、今日はよろしく!」


そう言った唯からは、微かに花の香りがした。




夜明けまで、後……


「開けろ!」


隊長がそう言うと同時に、黒い草原側のシャッターが開き始め…


「…総員、駆け足!」


号令と共に、地鳴りの様な音を立てながら草原へと駆け出した。




…前にフロントに来たときは見えなかったが、今なら見える。逆光の中で聳え立つ建物が、そこから飛び立つ天使が、こちらに飛んできている大天使が。


話には聞いていたが、東の果てにある廃都市が神の根城になっている、というのは本当らしい。


「片方は人型、もう片方は異形型…しかも大きいな。取り合えず様子見を…!」


左右から同時に飛んできた光を盾で弾く。…妙だな、


「左の大きいのはともかく、右の人型は結構距離離れてないか?」

「たしかに~。渚ちゃんどっち行く?」

「隊長は…大きい方に行くみたいだな。殆どの人は左に逸れたようだし、残りで右のを相手取るべきだろう。」


そうして、残った人達と共に右の人型へと駆け出した。







…おかしい。流石におかしい。


「だいぶ走ってるよな。」

「向こうの攻撃はっ!ちょいちょい飛んできてるんだけど、ね!」


大天使が時折飛ばす光を弾きつつ、大天使の元へ走っている…が、一向に距離が縮まない。そういう能力か?確かに進んではいる筈……


「渚ちゃんの盾いいな~」

「使うか?唯に回すぐらいの余裕はあるぞ。」


私は盾を浮かせて光を受けているが、唯はダガー1本だけで光を弾いている。意外と器用だ。


「うーん、大丈夫!今の内に肩慣らしでもしとくよ。」


これで鈍っているのか。…流石大隊長、肩書は伊達じゃないか。




…徐々に攻撃の密度が上がり始めている。この調子だと捌き切れなくなるな。


「盾回す。」

「…ありがと。ちなみに渚ちゃん、何か考えあったりする?」

「……空間に作用しているなら、煤で無効化できる…と思う。試してみるか。」


煤を鞘から抜き、私の前方に構える。


「どうだ?」


少し離れた唯に聞く。


「近づいて……無いんじゃない?」


前に同じ様な事をやった時は、前面から放射されていたから対策になった。だが今回は効果がない…となると、ここら一帯に作用しているのか?


「唯から見て私はどうだ?」

「あんまり離れて…いや離れ始めた。」


――――

急いで駆け寄る。

――――


「…一定以上の距離を取ると駄目なのか?」


試しに取り出した剣を少し前に投げてみる。…私から離れていくにつれ、大天使と同じぐらいの大きさになってしまった。


「渚ちゃん、何とかできそう?」

「…多分、私が装束を使えば。」

「まだ渚ちゃんを消耗させたくない、って凜ちゃんとか隊長さんなら言うかな。」

「……でも、このまま足止めされるのも良くないだろ?」

「まだ試せてない事あるし、それだけやってみていい?」

「それでも駄目そうなら使うぞ。」


「渚ちゃん、目閉じて。」


目を閉じる。同時に、唯に手を掴まれた。


「――【消え往く風(セトラ・ヴァン)】」


…攻撃が止んだ。確か透明化だったか……それで搔い潜れている、という事は目視が条件か?


――――

手を引かれながら、二人は大天使の足元付近にたどり着いた。

――――


…かなり近づいたな。そろそろか?


(まだだよ。もうちょっと。)


……こういう時は便利だな。大天使にばれないのか?


(大丈夫みたい。……解除まで、3、2、1)


「【二十一つの星(ステラ・アクアリウス)】!」


――――

大天使が二人の姿を認識すると同時に、その周囲を21の剣が囲んだ。

――――


全面を閉じた。攻撃はさせない。


――――

全ての剣を大天使へ向けて飛ばし、大天使の動きを止めた。

――――


これなら煤も当たるだろ。地面を蹴って、


巻雲(マキグモ)


更に空へもう一歩踏み込んで、


拡大(セキ)


大天使の右半身を切り裂き、返す刀で頭を横に断ち切る。

さて次は第二形態……あれ、変化しない?


――――

大天使の体が、塵の様になって消え始めた。

――――


倒した……?うん、倒したな。ならさっさと凜達の方に向かうとしよう。

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