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未定  作者: 大倉
魔術に関して
34/36

霧を裂いて:黒く暗く

――魔法陣の中心から人?が現れた。……何かが重なっている様な感じがする。それも大量に。


どうやら拘束は解けた様だが…魔術も第六感も使えないか……目の前の人影が、敵じゃないと良いんだが。


「………」


――人?の輪郭が()()()。…動かないようなら、引かせてくれる…か?




足元から影が伸びて、手の様に……いや違う、影が人のように変化して……這い出てきた。しかも複数。


煤は使え…使いたくない。普段は第六感で誤魔化しているが…それが無いとなると、振り回されて隙を作るのが目に見えている。


だが、代替となる物が無い以上、煤を使うしかないだろう。…というか今戦いたくない。




影が迫ってくる。迎撃するか…逃げるか……逃げた所で、ここから出る手段はあるか?凜と怜を探すにしても、気配探知すら出来ないぞ……




……とにかく捌くか。


一体目の影を断ち切り、二体目の影を蹴り、飛ばし…三体目の影に衝突…し、四体目の、影を、斬り―――


「はぁっ、」


倒すたびに、中心の本体?から湧き続けている。倒しても倒してもキリがない。個体差は…無いと思うが、ここまで多いとそれ以前の問題か。


「…はぁっ、」


息が切れてきた、腕が上がらない、眩暈が収まらない、終わりが見えない。


「……はっ、」


……まずい、このままだと物量で押し切られる。一体後何体居る…というか出せる?有限ならまだマシだが、無限なら……積み…


…!影の量が増えた、まさかまだ増え――


「…っ!」


まずい、影に押し潰され……




――そうか、お主ら……悪かった。儂が悪いのは重々承知している。じゃが……手を出す事は許さぬぞ。


「!」


本……事典か?なんで浮いて……


境界線(リネア)】、【燎原を燃やす焔(フラマ・ディヴィナ)】、【日差し(ソリス)】。


――結界と爆発が同時に発生した。結界は……私を守る様な配置になっている。爆発の余波が当たらないようにしたのか?


……しかも、徐々にではあるが魔力が回復し始めた?それに、体が軽いし、感覚も広がっている……


徐々に爆発の煙が薄れ、結界の外の状況が分かるようになってきた。…魔方陣はほぼ完全に壊されているが、影は未だ健在のようだ。…この結界は何時まで持つんだ?




装束を使うといい、■■。


「誰だ。」


喋らんでも聞こえるわい。儂は…まあ、事典の亡霊じゃな。ヴォイ・グリフでもある。


ヴォイ……事典の名前か?


正確には、その著者じゃな。前にもあったじゃろ。


…ああ、あの時の……




……貴方は、あの影の正体がわかるか?


まあの。…儂の功罪の一つじゃ。


だから、こうして責任を取りに来たのか?


それも一つある。他にも理由はあるがな。




で、"装束を使え"だったか?それで片を付けられるとは思えないが……


今の主は万全の状態じゃ。今の内にそれに慣れる事を勧めるぞ。


…一回程度で変わる物か?


変わるから言っておる。サポートはしてやろう。結界が五秒後に消える、そこからが勝負じゃ。







…結界が消え、影が私に迫ってくる。……助けてくれたんだし、信じてみるか。煤を握りしめ、再度――


「――星灯!」


……装束を起動する。




――神権反転、「厄災」。


そんな声が聞こえた直後、全ての影が揺らぎ始めた。……チャンスか?チャンスだな、行こう。


「ステラ……」


いや、もっと行けるな。


「【二十一つの星(ステラ・アクアリウス)】!」


呼び出した剣で影を貫いていく…が、あまり効いてないか。やはり煤じゃないと駄目か?




それを飛ばすイメージじゃの。


飛ばす……簡単に言ってくれるな。投げれば良いか?


そうじゃあない、魔力だけを飛ばすのじゃ。


……本当、簡単に言ってくれるな。


サポートはしよう。




……煤を構える。影を斬る訳でもなく。


――神権発動、「祝福」。


…装束に集めた魔力の一部を、煤に纏わせる。そうした煤は、黒く燃えているようだった。


縦に構えていた煤を、横に構え直し……振った。


煤が纏っていた装束が、煤から離れて飛んでいく。

黒く燃えながら……影を切り裂き、魔方陣へと向かって、全てを切り裂きながら進んでいった。

そうして飛んでいった闇は、壁に衝突しても尚進んでいった。…地盤沈下とか大丈夫だろうか。

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